「感動ポルノ」の持つ意味(17)
ステラ・ヤング氏の演説内容を自分の都合の良いように歪めている美少女マニア。
「感動ポルノ」は「『感動』ばかりして障害者への合理的配慮を行おうともしない」ことを指すのだ。
聴覚障害をネタにしても、美少女ならなおさら食らいつく。
上のイラストのように聴覚障害を持っていても、脇役でも、「美少女」がこういうポーズをすれば感動ポルノマニアは腰(性器)をフルスイングして反応しまくる。
そもそもスマホ用壁紙ならlineの画面を背景にして、イジメ加害者である主人公とイジメ被害者である脇役がlineでやりとりをしているという単行本のイラストのlineバージョンを描けば済む。ド素人の私でもこのようにネタを思いつくのだが、大今良時は結局は美少女が描きたかっただけで理解しているわけでもなかった。上のスマホ用イラストでこうして脇役である美少女にエロポーズを取らせているが、これは「聴覚障害者へのイジメについての理解」ではない。
感動ポルノマニアは「聲の形」について「美少女キャラが可愛い」から反応しただけであって、聴覚障害について理解したわけでもないのだ。
こういう感動ポルノマニアはあくまでも聴覚障害者を感動の道具にしているだけであり、現実として聴覚障害者への合理的配慮は一切考えないし、考える気がないのだ。それどころか、主人公になり切って「障害を持っているお前が悪いんだ」と嫌がらせを正当化するのだ。
感動ポルノマニアは、イジメ被害者である聴覚障害美少女のように嫌がらせをした相手がそれでもなお「愛の告白」をしてくれると思っているのだ。ある意味サイコパスである。こういう感動ポルノマニアは「現実」から逃げているだけなのだ。
では、「現実」とはなんであろうか?
ネットで見つけたものを参考に「現実」を挙げておく。
左は国民的漫画ともいえる「ONE PIECE」の船医・チョッパー。実在しないが、見かけは可愛いだろう。当然ながらファンは多い。しかし、右はオカルト系サイトで見かける「人と獣のあいのこ」である。この写真はマレーシアでヤギが生んだ個体だが、ヒトヒトの実を食べたチョッパーがリアルにいたらこうなるであろう。獣姦の結果なのかどうかはともかく、この写真を載せたサイトは閲覧注意を促していた。
左はゲーム作品「遥かなる時の中で」の美形キャラの一人、安倍泰明。顔の左側の肌が灰色っぽいものになっている。それでも美形なのでファンは多く、同人イラストがよくネットでアップされている。右は現実にいる、顔に奇形がある人である。記事によれば恋愛すらままならないという。こういった人に対して「遥かなる時の中で」の美形キャラのファンは理解よりもまず侮辱の対象にする。この人に暴言を吐いた女性の中には「遥かなる時の中で」の美形マニアもいるだろう。私自身、美形キャラの出てくる漫画とかを読んでいてネットのファンサイトを覗いたことがあるが、この右のような人に暴言や差別行為を浴びせる美形キャラファンの女性を見かけた。知的障害者への暴力を正当化する美形キャラファンの女性もいた。見ていて不愉快極まりなかったので注意したら、逆切れされて暴言を浴びせられた。
左は「聲の形」、右は実際にあった話を基にして作られた「遥かなる甲子園」である。「聲の形」では美少女のインパクトが強く、読んだ人は聴覚障害者の美少女っぷりに心を奪われていて筆談そのものを見ていない。「遥かなる甲子園」は実際にあった出来事がベースになっているのだが、美少女の度合いが低いというか美少女美女の要素のかけらはなく、女の子が出てきても美形マニアから見れば可愛くもなんともないのだろう。「わが指のオーケストラ」で「醜子」という美女キャラが出てきているが、画そのものが美形キャラマニアにウケないようだ。
挙げたらキリないのでこの3例にしておいたが、感動ポルノマニアは可愛いものが好きな傾向にあるようだ。
感動ポルノマニアが「聲の形」のような作品を好むのは感動が欲しいからであって、聴覚障害を理解したいわけでもないのだ。この山田尚子監督(↑)のようにガイジン向けの英語字幕を付けることはあっても、聴覚障害者向けの字幕を考慮に入れることはない。
ステラ・ヤング氏の言う通り、感動ポルノマニアは合理的配慮をすることを一切考えてないのだ。
大垣市は市民の税金でこの届けを作っているが、聴覚障害児・者の福祉の充実を一切考えてないのがうかがえる。軽中等度難聴児への補聴器の支給対象の拡大や映画館への字幕上映の補助など他に真っ当な税金の使い道はあるはずだが。これで「予算が足りません」と言ってきたらどうしようもない。大垣市民はそれでいいかもしれないが。
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