金足農業高校に観る時代の潮流

TV朝日で勤務してた頃、仕事でこの時期は毎日高校野球を観ていました。
私は野球のルールや用語を知らない程、全く野球には興味無いし、スポーツ全般興味無いですが、
仕事だから仕方なく。笑

でも観ていて思ったのは、プロ野球は観るのが苦痛でしかないのに対し、高校野球は観れる!笑
何なら面白い!! と、気になって家でも続きを観るような感覚で観ていたのは本当です。
単純にゲームとして観ていて面白いと感じたより、やはり高校球児たちの動きですね。
野球を面白いと感じたこれには自分でも驚きでした。

TV朝日グループを退社しフリーになってからは今まで通り一切観なくなりましたが、
報道番組を観ると嫌でも流れて来るのでそれとなく情報は入って来るのですが、
今回の金足農業高校の活躍に対する報道は面白いな…と実に興味深く観ています。
というのも、
今回のこの在り方が、まさに今の時代を象徴する事象だからです。

私が最近力を入れ学んでいる事と、これから起ち上げる企画で提唱して行く事は、
今回のこの件に観るような事であるからです。
これが、今後益々主流になるであろう、評価経済、「トークンエコノミー」です。

大阪桐蔭は冒頭で語ったような私ですらその時期観ていたので知っている程、
甲子園の名門高校、好きな人じゃなくても聞いた事があるような高校です。
その大阪桐蔭との決勝という事ですが、結果は残念ながら東北勢の優勝ではありませんでした。
でもこれって、おそらく大体の人が予想出来た事だと思うんですね。
何しろ相手は大阪桐蔭な訳ですから。もっとも、予想以上に大差だったかも知れませんが。

今朝の報道番組であった紹介の中に、大阪桐蔭はプロ野球かのような分析チームがいたり、
今では世界的にプロの世界では当たり前のような技術面も含めた体制が凄いとの事でした。
多分、旧態依然とした思考停止の終わった古い価値観でしか物事を見れない人の中には、
「高校野球でそこまでするのか!?」、「そんな事しないで勝とうと思わないのか!?」
というような批判が出そうな話ではありますが、
勝つ為に勝負しているんであって、使える技術は反則ではない以上使うべきだし、
プロアマ問わず、勝つ為に最善を尽くす手法、ツールの一つに過ぎないのだから、
批判されるものではなく、勝ちたきゃ自分たちも使えば良い話です。
時代が技術を創るのではなく、技術革新によって時代は創られるのです。
昔からその手の技術があったら、昔の人だって使ったんです。

でまぁそれは良いとして、注目すべきは、
そこまでの最新を駆使して史上初の春夏連覇を二年成し遂げたという大阪桐蔭の偉業より、
今回惜しくも敗れたほとんど知られていない、(すみません、私からしたら完全無名です。)
「金足農業高校」が大きく報道されブームを起こしているという点です。

堀江貴文の著書「これからを稼ごう」の中で、ウサイン・ボルトについての記述があります。
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100mの距離を世界一速く走れるだけのジャマイカ人だ。
労働価値の視点で見れば役立たずの才能だ。
けれど、彼が駆け抜ける姿には、何億人もの人々が感動した。
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実力的に見ればおそらく好きな人であれば誰の目で見ても、大阪桐蔭の優勝は固かったのでしょう。
しかし、勝って欲しいという気持ちの遥か以前に人々の心にあるのは、純粋な「応援」。
そしてその原動力となっているのは、勝つか負けるかなんて言う結果なんかは全く関係の無い、
「熱狂」と「感動」なのです。
その根底にあるのは、彼らの躍進していく様、姿勢や野球に打ち込む姿、これに尽きるのでしょう。
彼らの純粋に野球に打ち込む姿勢から生まれた「躍進」が、人々の感動を呼び、
本来、他のどこの高校も成し遂げられなかった偉業を成し遂げた大阪桐蔭よりも、
注目を浴びフューチャーされている。
しかも地元だけでなく秋田のアンテナショップ等で関東圏でも秋田の農産物等が一気に売れ始め、
報道によると花火大会で金足農業高校を祝した花火を打ち上げる計画が出たそうで、
これでその花火大会自体も例年より人が集まるのではないか?など。
既に経済効果が出ているのです。

ちょっと前に将棋の世界でもありましたが、基本的に日本もやっぱりアジア、
韓国や中国の爆買いと同じように、流行に狂い流され呑み込まれる民族というのもありますが、
将棋や今回の金足は、本質的に見れば、誰かが全国的に評価された事によって、
その評価された人を中心に周りの人たちも巻き込んで経済圏を発生させた評価経済、
「トークンエコノミー」と言えると思う次第です。

特に今回の金足農業高校で起こった事の中で最も注目すべき点と、
将棋の一件以上にこのトークンエコノミーに迫った事象だと思った点は、
金足農業高校の関係者ですら予想外に勝ち進んだ事により、現地滞在による出張費を賄えなくなり、
その為の資金援助として募金を募った所、何と、一県立高校の為に、
5,000万円の寄付が集まったという話です。
これはまさにトークンエコノミーに結ぶ「クラウドファンディング」と同じ事例だし、
決勝戦の日が高校の始業式だったのに、多くの県立高校が金足農業高校を応援する為に、
始業式を一日延期し翌日に学校の開始をずらしたり、
学校によっては体育館でW杯さながらのパブリックビューイングを実施する等、
公立高校では少なくとも私の世代、時代には考えられないような事が起きています。

間違いなく、今後世の中はこういった「トークンエコノミー」のような概念に切り替わります。
勝ち負けに拘るよりも、打ち込む姿勢そのもの、言ってしまえば結果よりプロセス、
ゲームの勝敗ではなくあなた自身が評価される事で周囲が影響を受けるという流れです。
先日の2歳児を発見した神のような人間の鑑とも言うべきボランティアの尾畠さんも、
2歳児を発見したというそれ自体の結果よりも、
何故そういう風に至ったか?という今までの尾畠さんの生き方や精神、

活動に只管打ち込んでやり続けて来た偉業とも言える信念。
これらに多くの人々が感動し、心動かされ、また尾畠さんの周りには新しい沢山の人が集う。

勿論結果も大事だし、その結果が良いに越した事はありませんが、
結果が在りきでそこだけを良くしようとそこだけに執着した姿勢に、
人の心が動かされる事は少ないでしょう。

本当に自分が好きな事に、心底徹底的に打ち込み続ける。
これによって出来上がったあなた自身、そしてそのあたなを形成するまでの姿勢や精神。
これが多くの人の賛同を得、評価されて、結果、それがあなたの仕事として世の中に成り立つ。

私が始めた近く起ち上げる企画は、
まさにその「トークンエコノミー」を取り入れた形での新しいアーティスト活動です。
多くの人たちに理解して欲しいこれからの新しい概念だし、
特に音楽(芸能)で生活して行きたいと思って今活動をしているアーティストの方は、
この企画に沢山参加して頂きたいと思っています。

ぜひ、これからのl.a.projectの活動にご注目頂いて、
いち早く時代の潮流に乗り、何事にも左右されない自分たちの経済圏を、
トークンエコノミー(評価経済)の世界で構築して行きましょうっ!!!

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