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自責思考と他責思考に偏りすぎないことが大切=二項対立の罠に陥るな!

自責思考他責思考、どちらが良い悪い、という議論が定期的に行われているように思えます。どちらの主張も最もですが、そもそも、この状態が罠です。何が罠かと言えば、二項対立に陥り、「どちらかを選択しなければならない」という岐路に立たされていることです。

今日は、この罠を乗り越えて、より良い在り方を模索しようというテーマで話をしていきたいと思います。


自責思考 vs 他責思考

1)自責思考について

自責思考が強い人の方が成長が早いと言われます。これはある意味で事実です。と言うのも、仮にプロジェクトの進行を阻害する人(仮にBさんとする)がチームにいた場合に、失敗はBさんの責任とも言えますが、Bさんがプロジェクトを阻害することがあらかじめわかっていれば、手を打つことができたはずだからです。

このような場合に、
他責思考なら、Bさんの責任して終わりです。
しかし、自責思考なら、Bさんへ事前にアプローチをとって物事が円滑に進むよう手を打てたと考えるわけで、当然、このマインドを持っている人のほうが圧倒的に成長が早いことは言うまでもないでしょう。

しかし、「自己肯定感」が低いような方が強い自責思考に陥ると、ことあるごとに自分を責めてしまい、結果的に正常な精神状態を保てなくなります。
自信喪失からメンタル不調に陥るケースもあり得るでしょう。

2)他責思考について

他責思考の人は自責思考の反対です。
この手のタイプの人は成長が遅くなりがちです。なぜかと言うと、他責思考に走るバックグラウンドとして、「自分は悪くない」という強烈な自己肯定感が紛れているからです。

ですから、成長は遅くなる反面で、メンタル的には図太くなれるでしょう。
図太いうフレーズはどちらかといえばネガティブなニュアンスで使われることもありえますが、むしろ、これは誉め言葉でもあります。

このストレス過多の時代において、メンタルの強さは立派な武器です。
ですから、自責思考と他責思考はコインの表と裏であり、トレードオフの関係なのです。

そもそも、すべてを自分の責任にしていれば、人間は気が狂います。
たとえば、ニュースで悲惨な出来事が報じられますが、その一つ一つに、共感して心を痛めていたら、心が壊れるでしょう?
世界で悲しい出来事が起きているから、その週末に計画していた旅行は中止です、と言われて納得できる方はどのくらいいますか?
つまり、この二つは二項対立で語られるべきものではないのです。

この罠から脱出するために

1)まず、自分の胸に手を当ててみましょう。

以下の傾向はありませんか?

  • 日常的に対案のない批判ばかりしているような気がする→他責思考が強い傾向があります。ポイントは「対案のない批判」です。言い方を変えれば「批判のための批判」です。

  • 日常的に謝ってばかりいる。落ち込んでばかりいる。→自責思考が強い傾向にあります。処世術として謝っているのなら問題はないですが、日常的に落ち込んでいる人は自己肯定感が低い可能性があるので要注意です。

まずは、自分の傾向を掴みましょう。

2)そのうえで、自分のタイプにあった対応を考えましょう。

  • 「対案のない批判」が多い人は、「自分ならどうするか?」という観点で考えるようにしましょう。そして、施策を考えて終わりではなく、その施策を「自分ならどう進めるか?」まで考えるとなおよいです。

  • 日常的に謝ってばかりいる人は、謝る前に一度、本当に自分が悪いのかどうか考えてみましょう。落ち込んでばかりいる人は、本当にその出来事は落ち込むに値するものなのかどうか考えましょう。考えると、冷静になれますので、立ちどまって考える癖をつけるとよいでしょう。このタイプの方は、メンターやカウンセラー、コーチを見つけることも効果的です。

3)実はどちらにも当てはまらないタイプもいる

それは日和見であり、回避傾向の強い方です。
ある意味で思考停止に陥ることで、問題の所在を明らかにしない。
他責思考にも陥らないし、自責思考にも陥らない点が特徴です。
もちろん、誰しもがこの傾向にはありますが、課題が一向に解決しないため、やはり仕事を通して、高い評価を得られることは稀でしょう。

基本的にビジネス≒課題解決と言えるからです。
実はこの手のタイプの方が一番、成長が遅いかもしれません。
この手のタイプの方に必要なものを敢えて言うなら、「勇気」ということになるかもしれません。あるいは、「信念」などの軸とも言えるでしょうか。

まとめ~効果的なアプローチ~

理想形とは、自責思考と他責思考のメリハリのついた使い分けです。
例えば、問題が起こりました。
このときにどういったアプローチが有効でしょうか?
以下3つの観点からまとめました。

  1. この問題の本質的な課題はどこにあるのか?をフラットに考える。これは課題を自分に限定しないという点でやや他責思考が強くなるアプローチでしょう。勿論、完全に自分のミスです、ということもありえるでしょうが。ミスしない人間はほぼおりませんからね…(笑)

  2. 次にあくまで自分が成長すると言う観点で、自責思考的な観点から考えるアプローチをとります。しかしこれはあくまで「自分が成長するため」という理由がついていますので、むやみやたらに自分を責めるのではなく、あくまで、「自分が成長するために何が必要か?」という観点にだけフォーカスしますので、過度に自分を責めることはありません。

  3. そして、これはおまけですが、自分の責任が重く、その点を突き詰めすぎると、自分が壊れてしまいだと感じれば、思考停止に陥ればいいのですね。敢えて時間を置く。そしてメンタルが回復してから再度、ちゃんと反省する。


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