コンプレックスは成長の起爆剤
会社で働いていると、「あの人はプライドが高すぎる」というフレーズを耳にします。大抵は悪い意味で使われます。
しかし、プライドの高さは存在悪として語られるようなものなのでしょうか?私にはそうは思えないのです。
今日は、「プライドが高い」ことは本当に悪なのかどうか?について考えてみたいと思います。
え?タイトルと少し違う?そのあたりは本記事を読み進めていただければ、しっくりくるはずです。
そもそも、「プライドが高すぎる」ってどういうこと?
まずは、ここからスタートしましょう。
そもそも、「プライドが高すぎる」ってどういうことなの?
実は、ここで言う「プライドが高すぎる」のプライドは非常に限定的な意味で使われているのです。
換言するならさしずめ、「コンプレックスを自己受容できていない」というニュアンスになるでしょうか。
本来のプライドの意味とは?
そもそも、本来のプライドの意味は、「誇り。自尊心」です。
むしろ、プライドがなければ、卑屈になってしまったり、自分を過小評価してしまったりして、むしろ、生きづらくなってしまいます。
勿論、創作物では、逆にそういう部分が魅力的なキャラクターも存在しますが、創作物ではキャラクターは往々に現実に比べてデフォルメされて描かれます。
じゃあ、どうして、「プライドが高すぎる」という言い回しになるのか?
というと、この言葉には省略されてる部分があります。
「(実態に対して)プライドが高すぎる」ということでしょう。
たとえば、「自分は頭が良いと考えている人がいる」とします。
たしかに、この人は、努力をしてきており、学歴などはあるかもしれませんが、仕事における理解力は決して高いとは言えず、自然と仕事のパフォーマンスが低くなっています。
周囲はこの人を頭が良いとは評価しないでしょうが、本人は、これまでの自分の努力を知っているので、自分を頭が良いと評価しています。
これだけなら問題にならないのですが、ここから、「自分は頭が良いので、自分が考える案は他の誰かが考える案より優れている」といった信念が生まれてしまうとややこしいことになります。
こういう場合に、「プライドが高すぎる」という評価がなされます。
この負のスパイラルから抜け出そう。
どうすれば、ここから抜け出せるのか?
一つは、カウンセリングは効果的です。カウンセリングは色々と誤解されていますが、基本は、「相談者が自分で自分自身の課題に気づき、自己の内面に変化を起こしながら、その後に実際に行動を変えていく」という手法です。あるいは、コーチングを通して、コアな質問を通して、自身の本質的な課題に気づいていくという手法も同様に効果的です。
つまりは、「自己理解」ですね。
そもそも論として。
「自分は頭が良い」ということがなぜ、大切なのでしょうか?
ここまで考えられれば、随分と進歩です。
おそらく、自身を守るための認知機能として、「自分は頭が良い優れた人物である」ということが必要だったのかもしれません。
つまり、「頭が良い」は本来は手段のはずなんですね。
たとえば、何かしらの理想や考えがあって、人々を導きたいと考えていれば、頭の良さは必要かもしれません。
あるいは、何かしらの学問を研究することで、解決したい問題があり、その手法として頭の良さが必要かもしれません。
ですから、「自分はどうして、頭が良い必要があったのか?」を考えていくことで、本来の自分が目指していたものがわかるはずです。
コンプレックスは成長の起爆剤になる
ということで、タイトル回収です。
上記のように自身のコンプレックスと向き合うことができた人間のパフォーマンスや立ち居振る舞いを考えてみましょう。
比較すべきは周囲の人ではありません。そもそも、これが良くないのです。
周りとどれだけ自分を比較しても、人は幸せにはなれません。
なぜかと言えば、上には上がいて、下には下がいるからです。どれだけ裕福になっても、欲望が尽きないのと同じようなものです。
しかし、コンプレックスと向き合う前の自分のパフォーマンスや立ち居振る舞いを、向き合った自分と比べれば格段に進歩しているはずです。
たとえば、今回の例で言えば、
本来は「周囲の皆から信頼されたい」という気持ちが元々はあったとします。しかし、周りから信頼されるためには、「頭が良いと思われる必要がある」というところに端を発していれば、このコンプレックス(=実はそれほど自分は頭が良いと言えないのではないか?)と向き合うことで、「自信がないところは素直に自信がないと言い、わからないところに対して教えを乞えるようになる」のではないでしょうか。
なぜなら、周囲の皆から信頼される方法は他にもあるからです。
そして、周囲に自己開示をすることで、周囲からも情報を入手し、わからないところはすぐに教えてもらうことで理解が深まり、結果的に「周囲から頭の良い人であると信頼される」といったことは往々にして起こりえます。
ですから、「勇気をもってコンプレックスを受け容れましょう」
そうすれば、もう「プライドが高すぎる」なんて不名誉なことを言われなくなりますので、ぜひ、勇気を出してみてください。
後退のように見えて、必ず、前進するはずです。
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