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【煽りマーケティング】マンションの場合

こんにちは、kenjiです。今回は新築分譲マンション販売における「煽りマーケティング」について考えたいと思います。


そこでまず本記事では、新築分譲マンション販売が他の消費財とは少し違う、という点を考えてみます。


●同じものがあるか、ないか。

集客という目的における煽りマーケティングをする上で、この視点はけっこう重要だと思っています。


まず、消費者心理として「あと◯個!」「残りわずか!」という煽り文句を受けた場合、次の2パターンの反応が想定されます。


A:ヤバイ、早く行かなきゃ!(ポジティブ)

B:どうせ間に合わないやろうし、やめとこ。(ネガティブ)


では、広告側は次の狙いで煽ります。


A':集客が落ちてきたことによる刺激策

B':早期完売を狙う仕上げ策


つまり、煽ることで消費者がポジティブ行動とネガティブ行動に二分されるリスクがあります。よって、A'の場合に煽ることは諸刃の剣と言えます。当然、商品力によるところが大きいですが。誰もが欲しがる商品なら、ポジティブ行動の割合が増えます。


逆に、広告側のB'の心理は、在庫があと少し、ということで数を取らなくていい状態です。それよりも、煽りに反応してくれる人=買う気が高い人と言えるので、その人が少数くれば事足りる、ということです。つまり、購買率を上げる、顧客の量より質を重視した戦略です。


ただし、この話の前提には、同じ商品である、ということがあります。つまり、その商品の最初の購入者も、最後の購入者も、同じ商品を得ています。


◎マンション販売は、接客がある

小売店で売っている消費財やブランドは、顧客が自ら買いに来ます。たまには何の気無しにふらっと寄ってくれる顧客もおり、その顧客に対しては店員が声を掛けて購買意欲を刺激します。


※ユニクロの店員はほぼ声掛けをしません。デザインがシンプルなため、「合う合わない」というファッション性(属人的感性)よりも、機能性(普遍的事実)で勝負しているからこそ、の姿勢だと思います。よって、声掛けよりも、商品紹介の活字で訴求できてしまう。


では、マンション販売の場合はどうでしょうか?顧客が商品を買うためには、席に座って販売員の接客を受けないといけません。販売側からすれば、営業力を発揮できる、ということです。


よって、集客の視点に立てば、接客現場の営業力を期待して購買意欲がそこまで高くない顧客も含めて、広く集客したいと考えます。※価格帯や立地は無視した場合。


◎1棟のマンションは、違う住戸(部屋)の集合体

つぎに、新築分譲マンションの商品性を考えてみます。例えば、駅から5分の、500戸もある大規模マンションの場合を見てみましょう。


当然、500戸もあれば部屋の間取りや面積はさまざまです。が、マンションでは大体縦列の住戸は同じタイプ(間取りや面積などのハードスペック)のことが多いです。では、10階建であれば、10戸は同じ商品と言えるのか?


答えは、違います。まず高さの差です。1階と10階では日当たりや眺望が異なります。また、1階よりも10階の方が周辺の音が聞こえにくいです。あとは、植栽の高さより上か下かで虫の問題もあります。


次に並びの差です。階によって並ぶ住戸の数が異なる場合があります。高層階になるほど住戸の並ぶ数が減る場合が多いため、住戸の前を通る人の数が違います。


そして、何より価格が違います。これらの要素を加味して価格が付けられます。一般的には同じタイプであれば高層階にいくほど高くなります。


◎駅距離も違う!?

この例のマンションだと駅から5分ですが、エントランス近くの住戸と、エントランスより遠い住戸では駅距離は異なります。また、自転車置き場や駐車場からの距離も住戸によって違います。


◎良し悪しは人それぞれ

そのため、同じマンションでも一つ一つの住戸は違う商品と言えます。また、その住戸の良し悪しも人それぞれです。マンションそのものの立地は最高に気にいっても、住戸が気にいらなければ買いません。ある人は1階が好きだし、ある人は7階が好き、など。


どうでしょうか?集客視点で見たときに、顧客心理、購買現場、商品性において、新築分譲マンションの販売というのは、一般的な商品に比べて、なかなか特殊だと思います。


では、本記事はここまで。今度は、この前提をもとに、新築分譲マンション販売における煽りマーケティングについて具体的に考えてみます。お楽しみに!!


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