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急須沼の沈み方 買い物ガイド(3)重症編

 「急須に興味があるけど、どこで買えば良い?」という方向けに、おすすめのお店やイベントをご提案するシリーズ。最終回の第3回は産地やイベントを巡り、こだわりの急須を買い漁る「買い物ガイド(3)重症編」。

前回の内容はこちら

重症(全身沈没)

 ああ・・・ 遂にここまで来てしまいましたか。あなたはもう後戻りできません。私がお供しますので、諦めて沼底まで行きましょう。というわけで、産地や全国で行われるイベントを抜粋しました。

※筆者が関東在住のため、その他の地域の情報の質にはばらつきがあります。
※筆者の好みに偏らないよう留意していますが、一定のバイアスはあります。

産地

常滑

 日本六古窯の一つで、日本一の急須の生産量を誇る。鉄分の多い土を酸化焼成した朱泥急須が有名。駅から徒歩圏内のやきもの散歩道や、郊外のセラモールに販売店や窯元の直売所が揃う。街並みや観光スポットも楽しめる。

四日市(萬古焼)

 鉄分の多い土を還元焼成した紫泥急須が有名。木型を使って急須を成形する「型萬古」の技法も。商店や窯元は予約制や土日休業が多いので、訪問前に要確認。

  • ばんこの里会館(三重・四日市)
    展示や製品、各種体験を通して総合的に萬古焼の魅力を発信する拠点。
    http://bankonosato.jp/wp/

笠間

 関東で最も古い歴史を持つ産地。「特徴がないのが特徴」と言われる多様な作風。300人以上の作家がおり、人気の急須作家も輩出。
 急須作家:丘上八雲、小川甚八、桑原哲夫、黒田隆、山崎さおりなど。
 ※急須作家は作家全体では少数派のため、独断と偏見で選びました。

備前

 日本六古窯の一つ。全体に占める茶器の比率はわずかながら、精力的に急須や宝瓶に取り組む作家も。伊部駅から徒歩圏内に大量の販売店、窯元の直売所あり。
 急須・宝瓶作品の多い作家:安藤騎虎、光彩(佐藤和久)、小橋順明、島村光、高島聡平、森本仁など。
 ※急須を製作される方は全体では少数派のため、独断と偏見で選びました。

  • 岡山県備前焼陶友会
    備前焼作家、窯元、陶商、陶材業者の共同組合。作家・窯元・ギャラリーの一覧やイベントスケジュールが確認できる。
    https://touyuukai.jp

  • 備前焼伝統産業会館(岡山・備前)
    備前焼陶友会の会員の作家や窯元の作品を展示販売。
    https://touyuukai.jp/buy.html

有田

 日本最古の磁器で佐賀県有田町周辺で生産される。透き通るような白地が特徴。
 茶器の多い窯元:李荘窯など。
 ※窯元は独断と偏見で選びました。

  • 有田観光協会 ありたさんぽ
    有田の観光案内。
    https://www.arita.jp

  • 有田窯元ギャラリー アリタモノノス(佐賀・有田)
    佐賀県陶磁器工業協同組合の組合員の作品展を開催。
    https://arita-mononosu.jp

宇治(朝日焼)

 大名茶人の小堀遠州ゆかりの「遠州七窯」の一つ。茶道の茶陶や、宝瓶、絞り出しの産地。

イベント

 ※イベントは年によって開催時期が変更となる場合があるため、各自で最新情報をご確認ください。

陶芸系

  • 笠間 陶炎祭(4-5月・茨城)
    毎年GW期間中に開かれ、約200の窯元や陶芸家の作品を販売する一大陶器市。
    https://www.himatsuri.net

  • 春の備前焼フェア(4-5月・岡山)
    4月末~5月末の一か月間で「春の備前焼フェア」を開催し、GW期間中には日数限定で『春の備前焼まつり』も開催。
    https://touyuukai.jp

  • 四日市ばんこ焼陶器まつり(5月・三重)
    5月中旬に行われる窯元や商社、作家が出店する萬古焼のお祭り。
    http://bankonosato.jp/wp/

  • 常滑焼まつり(10月前半・愛知)
    やきもの全般の大即売会で、約14万人が来場。花火大会も実施。
    https://tokonameyakimatsuri.jp/index.html

  • ぶらり常滑 急須の里めぐり(10月後半-11月前半・愛知)
    急須に特化したイベントで展示販売、実演、茶席などを実施。
    http://www.tokoname.or.jp/kyusu/

  • 備前焼まつり(10月・岡山)
    約10万人の来場のある備前焼の一大イベント。
    https://touyuukai.jp

  • 笠間 陶と暮らし(11月・茨城)
    窯元や陶芸家の作品を販売するイベント。
    https://toutokurashi.com

  • テーブルウェアフェスティバル(12月・東京)
    日本各地の窯元や世界の陶磁器、ガラス、漆器などが一同に会する“器の祭典”。
    https://www.event-td.com/tableware/

茶会系

  • 京都吉田山大茶会(6月・京都)
    吉田神社の境内に41軒のブースが並び、約300種類のお茶が集う。茶葉が主体ながら一部茶器の出店も。
    http://ganchabou-kyoto.com

  • 地球にやさしい中国茶交流会(エコ茶会)(11月・東京)
    国内最大級の中国茶イベント。茶葉メインながら茶器の販売も。茶席やワークショップ、講演会も実施。
    https://ecochakai.jp

  • 法多山大茶会オチャノコサイサイ(11月・静岡)
    全国の生産者、茶商による⁡お茶、茶器、菓子などの販売や、茶席⁡、⁡ミニ茶会を開催。
    https://www.instagram.com/hattasan.event/

  • 大大阪お茶会(1月・大阪)
    お茶の愛好家がボランティアスタッフとなり運営するイベント。茶葉や茶器の販売のほか、ワークショップ、セミナーも実施。
    https://ajtla.teamedia.jp/dai-osaka/

 その他、おすすめのイベントや産地、お店があればコメントください。 ただし、転売者による買い占めが起きそうな場合や、バランスの兼ね合いなど、筆者の判断により掲載を見送る場合もあります。ご了承ください。また、個々の窯元や作家の直販は件数が膨大になるため、原則として掲載しません。

さらなる深みへ・・・ 

 今回はお店や産地、イベントの紹介がメインで、急須そのもの(用途・容量・形状・材質等)については、あまり深掘りしませんでした。さらに急須を知り、深みにハマりたい人は、お茶や茶器について解説している、やっとんさんのX(Twitter)やnoteをチェック。

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注意事項

  • 2024年5月時点での情報です。

  • 一般人が独断と偏見でまとめた資料であり、内容の信憑性・正確性を保証するものではありません。

  • 利用者が当資料を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。

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