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アンティーク挿入歌談①「天使の羽」

こんばんは。2001年放送の月9ドラマ「アンティーク」について語っております。
前回の投稿では「挿入歌全部当てられるかクイズ」やってみました、という話までしましたので、今回は具体的にミスチルの曲がどのようにドラマで使われているのかというお話をしたいと思います。
昨日Twitterですごい文才しかない音楽レビューをしこたま読んでしまってだいぶ凹みましたが、それでも時間かけて書いたので投下します。文才がほしい…
※以下ネタバレ注意です※

記念すべき第1話は「天使の羽」。
挿入歌はこちら。

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挿入歌アルバム別内訳は
Versus 33%(3曲)
Atomic Heart 33%(3曲)
BOLERO 6%(1曲)
深海 6%(1曲)
Discovery 33%(3曲)
Q 33%(3曲)
IAWW 6%(1曲)※放映時未発売

まんべんなく出ている印象。

挿入歌の使用シーンをストーリーに沿って説明していきますね。
観てない方はなんのこっちゃかもしれません。ごめんなさい…可能な方はDVDやら再生しながら読んでいただくのが一番わかりやすいと思います。
記念すべき一曲目は「prologue」。ここからドラマが始まるのは「おぉ~始まるぞ~」という感じがしますね。(語彙力)
幸せそうにケーキを食べる人々の映像と曲の雰囲気が合ってないのでは?とも思いましたが、後半にかけてのシリアスパートを匂わせるという点では良い選曲ではないかと感じました。
そして試合前リングに向かう神田エイジ(タッキー)の後姿と「Printing」、そこからつながらないはずのない「Dance Dance Dance」。
ファン歓喜。いいですね。ここがライブ会場だったら絶対立ち上がってた。
アンティークでは「Dance Dance Dance」はボクシングシーンで多用されます。エイジは元ボクサーなので、彼を表す重要な曲ともいえます。
そのあとの「I'll be」「I’LL BE」2連チャンも憎い演出。
神田エイジがボクサー引退を示唆され、一方で小野パティシエ(藤木直人)と橘オーナー(椎名桔平)と出会い…という物語のはじまりのシーンが静かなメロディーとともに進みます。

この「I'll be」がひとつめのメインソング。(※あくまで私感です)
サビがまんま神田エイジなんだよな。
孤児院で育ちがむしゃらに生きてきた彼の姿や、第二の人生を見つけることの暗示も入っているのかな、と思えるような歌詞。

 生きている証を 時代に打ち付けろ 貧弱な魂で 悪あがきしながら
 何度へましたっていいさ 起死回生で毎日がレボリューション
 人生はフリースタイル 孤独でも忍耐
 笑いたがる人にはキスを そしていつだって I say yes. I'll be there

もう一方で、神田エイジを追いボクシングジムを訪ねるスポーツ新聞記者・飯塚桃子(小雪)の動きも「I’LL BE」のエネルギッシュさで彩られています。小雪は神田エイジの復活を待っているので、彼女の中では神田エイジはまだ「I’LL BE」のイメージなのでしょう。
この2曲のシームレス感がすごいです。ぜひ聴いてほしいところです。
ちなみにここで武藤という同ジム所属のボクサーが登場するのですが、彼なんと毎週絶対どこかに登場するらしいです(Wiki情報)。
ミスチルからは反れますが、今後は彼の登場シーンも追っていく予定です。

「友コー」はオーナーがケーキについて説明する場面にて。この組み合わせも何回かあったような。ここで紹介されるケーキ(洋菓子)は8種。
ここのケーキ、めちゃめちゃ種類多いんですよね。いずれこの辺りも詳しく調べていきたいところ。
そして、現代なら確実にTwitterでトレンド入りするであろう名言はこの場面で飛び出します。
エイジ「俺が今まで食ってたのがケーキだとすると…これは…これはおケーキ様様だよ!!!!(ちょっと泣いてる)」

_人人人人人人人人_
> おケーキ様様 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

おいしいケーキを食べたときはぜひこう言いましょう。

そのあとの4曲はキャラソン。テストに出ますので覚えておくように。
「Simple」はエイジの元カノ・茜(西野妙子)と会話のシーンで。茜は「Simple」のイメージですね。
そして「ジェラシー」「蜃気楼」「マーマレード・キッス」と続きます。
店の様子をうかがう謎の男・小早川(阿部寛)、新作しか買わない謎の男性客・宗像(辻萬長)、ショーケースを覗くだけで帰る謎の女性客・珠美(眞鍋かをり)のテーマソングです。なぜこの曲なのか?というところも含め、この人達の謎が今後明らかになっていきます。要注目です。
近所の和菓子屋の息子・正太(えなりかずき)も客として来ますが、彼には謎がないため(?)曲もなし。
大丈夫、今後のストーリーの中でちゃんとテーマソングつきますのでご安心を。なんだと思います?すごいぴったりな曲です。楽しみですね。

その後ゲストの小西真奈美(役名が劇中出てこないのですが中野逸子というらしい)が「さよならは夢の中へ」とともに来店。ウェディングケーキの注文に来ます。
婚約中という役柄も上品な雰囲気もこの曲にぴったりですが…わりと紆余曲折っぽい歌だよね。

曲に若干の違和感を覚えたまま(私が)迎えたある雨降る日、エイジは教会の前で落ち込んだ様子の逸子を見かけます。ここでかかるのは「花」。メメントモリじゃない方ね。

 ため息色した 通い慣れた道 人混みの中へ 吸い込まれてく
 消えてった小さな夢をなんとなくね 数えて
 同年代の友人達が 家族を築いてく 人生観は様々 そう誰もが知ってる

逸子に何が…?

後日アンティークへケーキを受け取りに来た逸子は、やはり浮かない顔。でも必死に笑顔で取り繕って、店をあとにします。

実は彼女、過去に夜の街で働いていたために婚約破棄されてしまっていたのです。当然結婚式も中止…あの雨の日、逸子はその手続きのため教会にいたのでしょう。
それを隠してケーキを受け取り一人帰る逸子…つよがらないで…
それではお聴きください「つよがり」。

 凛と構えたその姿勢には 古傷がみえ
 重い荷物を持つ手にも つよがりを知る
 笑っていても 僕にはわかってるんだよ
 見えない壁が 君のハートに立ちはだかってるのを

絶対「重い荷物」(物理)=ウェディングケーキだし、本音を言わず「見えない壁」を作る逸子の「つよがり」を感じ取って彼女を追いかけるエイジ=「僕」じゃん。
何なん!?書き下ろしなん!?
ふたつめのメインソングに認定です。

その後まるまる一曲「つよがり」が流れ、最終的に出番を失ったケーキを二人で食べるのですが、曲が終わるところで逸子がケーキを大きくほおばり「うめえ!」と言うんですよ。お店では終始ちょっと気取った態度をとっていた彼女が。彼女の「つよがり」が終わった瞬間です(スタンディングオベーション)。うますぎる。
で、ケーキを食べながら(おそらく初めて)涙を流す逸子と「優しい歌」。

 誰かが救いの手を 君に差し出している
 だけど 今はそれに気づけずにいるんだろう

彼女に差し出された「救いの手」はエイジだったのか、それとも愛をこめて作られたケーキだったのか…
という感じでそのままエンドロールに入っていきます。締めが雑ですみません…。

エンディングは「優しい歌」がフェードアウトしてそのまま「君が好き」が流れ、エンドロールと次回予告。第1話終了です。

今回のキーソングである「I'll be」と「つよがり」のストーリーとのシンクロ具合と、主要キャラのテーマソングについてご理解いただいて、面白いドラマだなと思っていただけたら嬉しいです。

最後になりましたが、見出し画像は横田裕市様から拝借させていただきました。第1話で作ったウェディングケーキの雰囲気にとても似ていて素敵!
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

このノリで2話以降もどんどん掘り下げたいと思います。
次回「第2話 愛の井戸」お楽しみに。では。


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