43歳からの不妊治療物語のはじまり

私、もえこ。43歳の結婚2年目、そして不妊治療中は3年目です。旦那さんは、タクさん。南米コロンビア生まれ、アメリカ育ちの日本人。世界一周を旅しているような旦那さんと、日本で暮らしています。
 
私たちは、お互いにアラフォーということもあり、お付き合いと同時に不妊治療をスタートさせました。タクさんは、簡単な日本語は話せるものの、読み書きはかなり苦手ですが、不妊治療に非常に積極的で、一緒に診察に同席したいタイプ。一方で、日本語での医療用語を理解するのは難しく、私も医療内容を英語で説明することはできず、英語の説明対応が可能で、且つ入籍前のカップルでも受診可能なクリニック探しも難航しました。そこで、やっと辿り着いたのが、お産で有名な港区にあるS病院でした。
 
S病院での診察は、予約の電話から初診までに1カ月以上も時間がかかったので、取り急ぎまずはブライダルチェックをしようと、渋谷のクリニックに予約をしました。待ちに待った初の不妊治療診察の日、ドクターから開口一番に「年齢的に体外受精でも難しい」と眼も合わさずにバッサリと言われ、頭の中では分かっていたものの、かなりの衝撃を受けました。そりゃあ分かっていたけど…。
 
新しい患者である私たちに、全く眼を合わすことが出来ないドクターを信用する気は起こらず、S病院の診察日を静かに待ちました。その間に私は43歳に突入します。
 
そして、43歳1か月後に山王病院での治療がスタート。治療中に入籍し、これまで約3年間、採卵6回、移植3回。その間には、卵子ドナーによる胚盤胞の移植にも挑戦しましたが、残念ながら失敗!今は採卵7回目に挑戦中です。
 
タクさんは、基本的に超協力的です。不妊治療には可能な限り診察に同席、料理も積極的に手伝ってくれます。典型的な日本人男性とは一味違う、私にとってはとっても素敵な旦那さんです。でもコミュニケーションは、まだまだ修行中。笑顔で「一緒にいて楽しい」と言ってくれますが、たまにミス・コミュニケーションで喧嘩も勃発します…。そして、もちろんL I N E での文字コミュニケーションは出来ません。
 
私たちの日常生活は笑いと涙が交互に訪れるドラマのようです。お互いの文化の違いや言葉の違いが、時には壁になるけれど、それがまた私たちの絆を深めている気がします。