見出し画像

私はナルシストモンスターなのか

こんばんは。短い土日が終わろうとしています。
…泣いてもいいですか…?

さて、私はナルシストなのだろうか。
そんな疑問が湧き上がってきた。
こんな気持ちになったのはnoteを始めてからだ。
始めたばかりの頃はいたって真面目に記事を書いていたはずなのに、いつの間にか何かに操られているかのように自画自賛の記事を量産していることに最近気づいてしまった。

確かに私は自分のことが大好きだ。
休日の朝、洗顔もせぬままの顔を鏡に映して、夫に「ねえ、私ってどうしてこんなに可愛いのかな?」と真顔で聞いてしまうくらい自分が好きだ。
夫の返事を待たずして「だってそうでしょ?この歳で顔を洗ってもいない起き抜けの顔がこんなに可愛いなんてことある?」などと続けたりもする。

私はナルシストモンスターなのだろうか。

もちろん私は自分が造形的には全くもって整っているとは言い難いことを認識している。

私の横顔はEラインではなくスヌーピーライン(別名大久保佳代子ライン)だし、小学校の時は座高を計測されることが嫌で仕方なかった。
余談だが、現在小学校では座高は計らないらしい。
そりゃそうだろう。座高を計ってどうしようというのだ。
先生!たいたいさんの座高が高くて黒板が見えません!
そんなトラブルを防ぐために、座高が高い生徒の席は後ろにまとめてくれるのか?だったら嬉しい。ありがとう。

ん?なんの話だったっけ?

そうそう、思い出した。
私には欠点がそれなりに山盛りあるということだ。

そういうことも冷静に分かった上で、自分の顔かたち存在が大好きだと言っているのだからもう、これは本物である。
やめられない止まらない。
暴走する自分への熱い想い。
これはもう恋なのかもしれない。
そうか、私は自分に恋しているのか。

昔、母が呆れたように私に言った。
「たいたいちゃんは(色んな意味で)すごいね」
この母の発言を引き出したのも、確か私が自画自賛をしていた時だったと思う。
「ママも美人だよ!」
私がわけのわからない返事をすると、母はハッとした顔をした。
「…そういえばママも若い頃、鏡で自分の顔を見てうっとりしていた気がする…」

血は争えないとはよく言ったものだ。
間違いない。
遺伝である。

ナルシスト(母)がナルシスト(私)を産んだのだ。
そのうえ父の目には私のことがその辺の女優よりもずっと美人に見えているらしいし、そんな環境で純粋培養されたのだからこれはもう当然の帰結という他ないだろう。

そしてナルシスト(私)が息子を産んだ。
私の目には息子が世界で一番かわいく見えてならない。

自分のことはまだ冷静に見ることができるのに、こと息子に関しては悪い部分が見つからない。どんなに目を凝らしても一つとして見つからない。
背中の毛がふさふさしているのだって意外性があって誠にキュートだ。
冷静に考えて息子は完璧に愛らしい。

世界中の美しいもの、可愛らしいもの、清らかなものを全部集めてぎゅっと一つに握ったら息子が発光しながらぽーんと誕生した。
多分そういうことで間違いない。

今日近所のスーパーに夫と息子と3人で買い物に出かけたら、見知らぬご婦人に声をかけられた。
婦人は息子を見て仰った。
「まあ~、なんて可愛いの!」
いえいえいえ!
などと恐縮しながらも私と夫はともに目尻の下がった見事なえびす顔である。
ご婦人は、定年まで幼稚園で先生をしていたらしい。

家に帰り、夫がえびす顔で言う。
「幼稚園で働いていたなら子供なんて見慣れている筈なのに息子のこと可愛いって言ってたね。つまりこれは息子が相当可愛いってことだよね」
私もえびす顔で頷く。
「そりゃあそうよ。子供はもちろんみんな可愛いけど、息子はどう考えても愛らしいもの。愛らしさの極みだもの」
「ハイブランドのモデルにしようか?」
「間違いなくイケるだろう」
止める者がいないため歯止めがかからない。

ちなみに実は我が夫は、コンプレックスの塊であると同時にひっそりとナルシストでもある。コンプレックスが多いくせにナルシストとはこれまた複雑怪奇な男である。

口癖は「俺があと10㎝背が高くてハゲてなかったら、俺の人生変わってた」である。
仮定がちょっと欲張りすぎではないかと突っ込みたいのを私は毎回ぐっと我慢の子である。

そんなことをぼやきながら夫は、毎日歯磨き中、洗面台の鏡に映る自分をじっと見つめ、キメ顔で歯を磨いている。
右を向いて、左を向いて、横顔のチェックも欠かさない。
「俺、すごい綺麗なEラインだよね!たいたいちゃんは…ぷぷっ」
シンプルに嫌な奴だ。

私は今、息子の将来が少し心配だ。

10年後、手鏡をうっとり覗き込んでいる少年の幻が見えた気がした。

サポートいただけたら、美味しいドリップコーヒー購入資金とさせていただきます!夫のカツラ資金はもう不要(笑)