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ソーシャルワーカーに”アレコレ”聞いてみた!〜幸せのエンパワメント〜

私が気になるソーシャルワーカーにインタビューするという企画の記事をやっと公開できてホッとしているところです☺️

では早速、記念すべき最初のソーシャルワーカーを紹介!

1人目はこの企画を相談させていただいた方でもある\\石川和徳//さん!

石川さんは、独立型社会福祉士として活動しながら沖縄県の社会福祉士会の現会長でもある。
http://super-workers.com/
(石川和徳社会福祉士事務所)

ご自身では、偏った(関心の高いことばかりに興味が向いてしまう)ソーシャルワーカーと言われる石川さんだが、活動や考えについてたくさんのお話が聞けた。

(ここからは2021/3/12にインタビューした内容)

独立型社会福祉士として働く石川さん

石川さんが独立されたのは、沖縄に移住して11年目の頃。
来沖前は、東京で働かれていた時期もあり介護職や施設の相談員などの経験を積まれている。
沖縄移住後は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして働きながら、個人の活動として社会福祉士会や後見人の取り組みも同時にされていた。
独立願望は元々強かったようで自然な流れで独立することを決めたとのこと。
独立直後は、いろいろな仕事(大学の非常勤講師や研修会の講師など)されたようだが、ある時、毎日時間に追われながら活動していることに疑問を抱いたことで、活動の軸を整理し【虐待対応】【後見活動】【SV(スーパービジョン)】の3つを掲げて活動されている。

社会福祉士として独立することの意味

沖縄県では、石川さんのように独立して活動している社会福祉士は20名ほどいるようで少しずつ活動の幅も広がりつつあるとのこと。
石川さんが独立した目的の一つとして、狭間の支援(社会制度等に引っかからないようなケース)に着手したいという思いがあり、組織の枠に囚われない活動を展開されている。時間の使い方についても幅が利くようになり気持ちの余裕にもつながっているとのこと。

「時間に追われる生活から解放された感覚もある。もちろんその分、自己管理しなければいけないことも増える。健康診断とか確定申告とか…笑」

【後見活動】のなかで感じていること

成年後見制度とは、認知症、精神障害、知的障害などによって判断能力が十分でない方を法律的に支援する制度。
詳しくはこちらを参考に
(裁判所作成パンフレット)
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file4/h3010koukenpanfu_1.pdf

石川さんが担当している方の中には、年金や生活保護などの公的な助成を受けることで生活自体は送れているが、仕事に就けなかったり、引きこもりがちになったりしている方もいる。

「地域の中で孤立してしまっている人がいる。人間関係を自ら切ってきた人が多い。人間関係がうまく作れていない方を担当することも少なくなく若い世代で孤立している方もいるため、後見人の存在は大きいと感じている。」

石川さんに対しても過度に金銭面の要求をしたり、嘘をついたりすることもあるよう。その一方で石川さんを頼っているような言動もあり、ある種の試し行動のようなことを繰り返してしまうことで関係性が続かないことが多いとのこと。後見人の活動は、単に金銭管理などを代わりに行うだけでなく、担当者の今後の生活や人間関係の在り方など多角的な視点を持ちながら関わっているのだと感じた。

クライエントとの適度な距離の取り方は?

クライエントとの信頼関係が構築されると同時に距離感に悩む支援者も多いと感じるが、石川さんも同じように悩んできたという。
その中で一対一の関係に目を向けすぎず、環境や置かれている状況を客観的に見ることも重要である。

「私も上手く距離を取れることばかりではなかったりする。自分の中でのストレスになってしまっていたこともある。」
「スーパービジョンを実施する中でもクライエントとの距離感で悩んでいる方も多い。そういった方のバイザーを行うことで逆に自分の学びになることもある。」
「ソーシャルワーカーなので環境に目を向けることも必要なので間接的な関りも含めたシステム理論を理解することも重要だと考えている。」

石川さんにとってのスーパービジョンとは?

スーパービジョンとは、対人援助職者(スーパーバイジー)が指導者(スーパーバイザー)から教育を受ける過程である。指導者が援助者と規則的に面接を行い、継続的な訓練を通じて専門的スキルを向上させることを目的としている。

石川さんがスーパービジョンに初めて触れたのは、就職して2年目頃に受けた堀之内先生(当時横浜国立大学所属)の研修会に参加した時とのこと。会場を巻き込みながら進むプログラムに率直に「かっこいい」と感じたことをきっかけに多くの人にスーパービジョンを活用してもらいたいとNPO法人も取得し発信を続けている。そして、個人としての活動と同時に沖縄県社会福祉士会としてもスーパービジョンの普及に取り組まれている。

「名プレイヤー名監督にあらずと言われているように、スーパーバイザーとして指導、助言するということはまた違った力が必要になってくる。」
「スーパービジョンの在り方も様々な形があっていいと考えている。ある時から難しく考えすぎず”石川スーパービジョン”をやっていこうと決めてやっている(笑)」

私も石川さんのスーパービジョンを受けて仕事のパフォーマンスが上がったように感じている。何か明確なスキルが向上したということではないかもしれないが、固執していた考え方や狭くなっていた視野などが一気に広がった。今はオンラインでも受けたりと状況に合わせた工夫もされているのでぜひ興味のある方は連絡してみてほしい。

http://www.supervision.okinawa/
(特定非営利活動法人 沖縄スーパービジョン研究会)

沖縄県社会福祉士会会長としての取り組み

石川さんが会長に就任して2年目が終わる。
社会福祉士士会の活動目的として、社会福祉士の認知の向上と会員の方々の資質向上がある。石川さんが会長に就任してからもこの二つを意識しながら活動しており、来年度も引き続き会長を継続できれば新たな取り組みも行われる予定だ。

https://www.ocsw.or.jp/?page_id=6
(一般社団法人 沖縄県社会福祉士会)

クライエントにとってどんな存在でありたいか

「人々の幸せづくりの手伝いをする立場でありたい。」

石川さんは、幸せの形は人それぞれある中で愛や笑顔を伝えていく存在でありたいと意識しながら活動を続けられている。

「【福祉】という言葉を紐解いたときに福→個人の幸福、祉→神から受ける幸せという意味がある。社会福祉士いう仕事は言葉の意味からも社会の幸せを守る専門職であると思っている。」

ソーシャルワーカーは、本人の生きる目的や何かしたいという願いをエンパワメントする(本人が持っている力を引き出す)立場であることを忘れてはいけない。
こういった関わりのできるソーシャルワーカーがいることで社会のなかで幸せだと感じられる環境や瞬間が増えていくのではないかと感じた。

最後に

石川さんが沖縄に移住して20年が経つとのこと。私は出会って2年くらいなのだが多くの学びをいただいている。
実はインタビュー前に質問項目をいくつか用意して共有していたのだが、気付けば予定していた質問はほとんど使っていなかった。笑
それでも話は途切れることなく、そして終始笑顔でインタビューを終えることができた。
ソーシャルワーカーの大先輩ではある石川さんだが、優しさ溢れる対応にいつも癒やされ、改めて魅力的な方だなと感じた。
お忙しい中、今回の企画にも賛同いただき本当に感謝しかない。ありがとうございました🙇‍♂️

次回は、依存症支援を中心に活動されているソーシャルワーカーを紹介予定です!
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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