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オリンピックボランティア問題を行動経済学で考えてみる

今回は東京オリンピックのボランティアで起こった出来事を、行動経済学の側面から考えてみます。

この記事を読む前提として、これは僕が持った疑問の種を、僕が自分なりに考えてみるというだけのものです。

僕は正解はどうであれ、「自分で考える」ことが大事だと思っています。

その過程をnoteに記そうというだけなので、決してたいそうなものでもないし、あなたが「いや、それは違う」と思っていただくことは大いに結構です。

その点だけ注意してお読みください。

そもそもどういう流れだったか

「ボランティアの内容がキツいのではないか」というところから始まりました。

この批判が多くなった後に、運営が側が「一日、1,000円のプリペイドカードを支給します。」

という発表をしました。

そして、一日、1,000円のプリペイドカードを出すぐらいなら、

アルバイトとして、人を雇えば良いではないかという意見が出てきました。

こういう流れです。

もちろん、みんながみんなこのように思ったのではありません。

今回取り扱う内容は、このような考えがなぜ生まれたのかを考えていきたいと思います。

市場規範と社会規範

少し聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に説明します。

例えを使うと分かりやすく理解できます。

例えば、あなたの友達が、「ごめん、今困ってて、ソファー動かすの手伝ってくれない?」

とあなたに頼んできたと思います。

この場合、ほとんどの人が「良いよ!」と返すと思います。

これが、社会規範の行動です。

道徳的な考え方を基本とする行動などは、社会規範と言われます。

一方、友達が、「ごめん、今困ってて、ソファー動かすのに10円で手伝ってくれ」

と言われると、「10円!?」となる人も多いと思います。

これは、市場規範の行動です。

人は、「社会規範」つまり道徳的な考え方を基本として行動する場合は、

すごく協力的になりやすくなります。

逆に、自分の行動に「お金」というものが絡むと、「市場規範」の考え方をするので見合っていないと、協力してくれなかったりします。

ここに、今回のオリンピックのボランティア問題を考えるヒントがありそうです。

考えてみる

ここで考えてみます。

まず、「ボランティアの内容がキツいのではないか」ということですが、

ボランティアを仕事のような内容で公開したことに問題があると思います。

つまり、この時点でみている側の頭の中では、「仕事」、つまり

「市場規範」を適用していると思います。

市場規範を適用することで、もともと社会規範で考えていた人たちが、

「やりがい搾取」と感じるわけです。

その上運営側が、「1,000円のプリペイドカードを出す」といったことで、

さらに拍車をかけました。

この時点で、みている側からすると完全に「市場規範」の考え方を適用してしまいました。

そうなると、「日給1,000円のアルバイト」という考え方になります。

明らかに見合っていないと考えるのも当然です。

こうなると、「そもそも仕事として提示していた方がよかった」

と考えるわけです。

つまり、ボランティアという「社会規範」の行動に対して、運営側が「市場規範」を持ち出してしまった。

というのが今回の問題だと思いました。

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