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人間らしく生きるとは。

こんばんは。

おそうじインストラクター&整理収納アドバイザーのKYOUKOです!

建築現場に最後に入る美装工事や、住宅のハウスクリーニングをしてきました。

今日は誰もがなりうるゴミ屋敷についてお話ししたいと思います。

最近は行政さんを通して介護関係からのご依頼もあり、人間の生き方、そして終わり方を考えるようになりました。そんな中、目立つのが高齢男性のお一人暮らしです。

ゴミをゴミじゃないと言い、全てが大切で、使うかもしれないから捨てることができない。というパターンもあります。

ただ、放っておくと、どんどん悪化し、人間らしい生活ができなくなっている人が多いのが現状です。

全く家事をしてこなかったというある男性は、離婚後健康を損ねてしまい、今自分の世話すらできません。身体より、心が折れてしまっているようでした。

壊れたものやゴミに囲まれて、暮らしづらいのは本人もわかっています。やる気がないというより、こんな自分になってしまったことを卑下しつづけています。


現実逃避の繰り返しがゴミ屋敷につながっていく

特に男性に多いのが現実逃避。何でも溜まってからやればいいという思考の方にありがちです。そして酒やギャンブルに逃げてしまう。女性だと、コンビニやお菓子がよくあります。

缶やビンを溜め込む、洗濯物を溜め込む、それが山積みになってきても、感覚がだんだん麻痺してきます。過去に趣味が多かった人ならば、過去の趣味+今の生活のダブルパンチです。

溜めてしまうシリーズでよくあるのが、スプレー缶。穴を開けて捨てなければいけないため、冷蔵庫や玄関の下駄箱の上に溜めに溜めて、外にまで置き出す人もいます。外に出してしまえば、視界に入らないので、ゴミを出したような気がするのです。しかしそれは間違いです。

室内や室外にゴミやモノが増えてくると、それに慣れてしまい、臭いがしても分からず、虫がいることが気にならなくなり、通常の感覚がだんだんとなくなっていきます。

清潔とか不潔の感覚が薄くなってきたら、かなり危ない状態です。

そうなると、段々と人間らしい生活からかけ離れていきます。高齢になれば、視覚、嗅覚も衰えてしまいます。今度は排泄の問題もそこに加わってきます。


シニアだけの問題じゃない

これは、若い人にも起こりうることです。例えば失恋のショックや、ブラックな会社で帰宅した頃には意気消沈してしまうパターン。

育児疲れやうつ病なども原因のひとつです。医療関係の方など、誰かのお世話をする方も多いです。

掃除する気力も、缶やビンが何ゴミなのかもわからなくなり、感覚が薄くなって麻痺してくる。という流れになります。

育った環境、親子関係の悪化、虐待された過去など、ゴミ屋敷には様々な種類の背景があるため、これといって定義もありません。

ただ言えることは、誰にでも孤独になる可能性があり、誰でもゴミ屋敷になってしまう可能性はあるということです。

こんな仕事をしている自分でも、疲れきっている時は、目の前のゴミが捨てられなかったり、洗濯物を畳んだまま、どんどん山積みになってしまったりすることがあります。

周囲の関わり

関わる人たちがいれば、その方が心配でその方を思って、色々言うんだと思いますが、何か言うことがかえって逆効果になることもあります。

片付けたら?
ゴミぐらい捨てたら?

言いたくなってしまう気持ちは痛いほど分かりますが、家の中というのは、性の問題ぐらいデリケートなことだと考えた方が賢明でしょう。

積み重ねてきた習慣や価値観は、簡単には変えることはできません。変わるきっかけは与えることができるけれど、人が人を変えようとすることが、そもそも間違いなのかもしれません。

片付け中、進まない作業があることが多々あります。

依頼してこられたご本人が、やる気が失せたり、イヤになったり、あるいは娘さんや第三者に色々言われてヘソを曲げてしまう、などです。

デリケートな心の問題に、触れないようで遠回りに触れていく、難しい作業だと思います。

それでも、人はなんらかの人と関わっていることが大切なのです。


ゴミの分別のムラ

市町村によって、ゴミの分別が全然違います。
ゴミルールが厳しい町や、厳しくはないもののゴミ袋が高い町など、分別事情は様々です。

ゴミぐらい、と思うかもしれませんが、ゴミをゴミ箱に捨てる行為は、「習慣」の1つです。

「落ちているものを拾ってゴミ箱に捨てる」「割りばしとプラスチックを別に捨てる」

たったこれだけのことなのにも関わらず、汁が残っているから、どうしたらいいかわからないから、単純に面倒くさいから…という色んな理由から、簡単にゴミ屋敷になってしまいます。

私はこのゴミ分別問題も、ゴミ屋敷に拍車をかけているのではと考えます。

食べ物のゴミ

分別といえば、ただ捨てるだけではないゴミも生活には沢山あります。

例えばカップメン。汁が余った場合、汁を流して軽く洗ってから捨てますね。

次に、燃えるゴミに割りばしを、燃えないゴミにカップ麺の容器をわけて捨てます。

ここまでの作業をまとめてみると…

⚫︎汁を捨てる
⚫︎軽く洗う(におい防止)
⚫︎分別して捨てる

といった3ステップの作業をしなければなりません。

ゴミ屋敷や生活が荒んだお宅には、汁がそのままになった容器が、シンクに並んでいたりします。表面には何か膜が張っています…

人間らしく暮らすチェック


家の中で物にぶつからずに歩けるか

…人より物が多い状態で、物に遠慮して暮らしてはいないだろうか。足腰が悪ければ、物に捕まって倒れたり、地震や火災が起きた場合、救助にも時間がかかる。人がスムーズに行動できるか。

空気は通っているか

…夏なのに真冬の布団がひいてあったり、カーテンを閉めっぱなしにしていたりしていないか。室内の空気や環境は、人体にも影響が。カビやホコリで喘息やアレルギーの原因になる場合も。一度窓を開けてみるだけでも違う。

生活ゴミは定期的に出せているか

…汚物や食べ物などの臭いがするものは、定期的に出せているだろうか。虫が沸いたり、ビニール袋から汁が漏れ、室内の建材が腐食したりする。例えばリンゴの汁には酸が含まれているため、玄関タイルをダメにしてしまったりする。

洗濯や食事ができるか

…キッチンや洗濯機周りに物を置きすぎていて、家事ができない場合がある。高齢の方は、例えヘルパーさんを利用していても、台所や洗濯機が使えない場合、時間内で片付けまではできなかったりする。片付けはまた別業者になる場合もあり、現場は難航する。別途お金がかかる場合が多い。

まとめ

人間らしく暮らす、というのは、今元気な人には当たり前すぎてピンとこないかと思います。しかし、私たちは家族がいて当たり前でもなく、働けて当たり前でもありません。

病気になったり、誰かと離れたり、人の生活はどんどん変わっていきます。

私たち掃除屋は、家の最後(結末)をいつも見てきました。どんなにお金をかけた家だとしても、派手に暮らしてきた人でも、どうなるかはわからないのです。

掃除屋が一番言いたいことは、とにかく元気なうちに片付けてしまおう。です。何故なら物が多かったり不潔な状態は、後々とてもお金がかかるからです。

身体が動かなくなったり、心が病んだりしてしまうと、家の中も荒んできます。

断捨離の生みの親、やましたひでこ先生がこんなことをおっしゃっていました。

心の入れ物は、身体。
身体の入れ物は、家。

本当にその通りですね。全てはつながっていきます。

衣食住がスムーズな、「人間らしい生活」を、一度考えてみてくださいね!

ではまた!

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