帰れない二人、正せない記憶。
実家に、ある程度の枚数のLPがあります。
大半は両親のもので、そのうちの1枚が、日本で初のミリオンセラーになったと言われる井上陽水のアルバム『氷の世界』です。
中を開くと、サングラスをしていない井上陽水の写真があったりと、今ではなかなかお目にかかれない姿を見られます。
また、なんといっても、手書きした歌詞が印刷されていて、乙だなぁと思います。
「傘がない」「心もよう」など、今、聴いても、名曲揃いのアルバムですが、個人的には「帰れない二人」が一番好きな曲です。
作詞・作曲は、井上陽水・忌野清志郎の合作。
このLP、実は、母がまだ独身の頃に、“父でない男の人”にプレゼントで貰ったそうです。
母と“父でない誰か”を、「帰れない二人」に重ねてみたりして…
…などと、ロマンチックなことを思っていました。
思っていたの…ですが。
このアルバムの発売日を初めて知ったとき、私の頭の中が、クエスチョンマークだらけになりました。
このLPの発売日は、1973年12月。
父と母が式を挙げたのは、1973年3月。
…あれっ?
母が独身の頃に貰ったと聞いたつもりで、私が単に覚え違いをしてるだけかもしれない。
母が、勘違いをして私に話したのかもしれない。
今となっては、もはや確かめようがありません。
来月は、母の一周忌です。
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