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【保存版】マレーシア小・中・高校留学の基本知識ー現場で見たメリット・デメリットと進学方法

2018年6月  イスラム教の国ならではの規制について加筆しました。
2019年5月  IB・IGCSE・Aレベルの受験方法について大幅加筆しました。
2019年5月  米国式インター、カナダ式インターについて加筆しました。
2019年5月  Aレベル試験、高速で大学に行きたい人のためのNCUKについて加筆しました。
2019年6月  IGCSEについてEDEXCEL方式を加筆しました。
2019年9月  IB Certificateについて加筆しました。
2019年9月  オーストラリア式インターについて加筆しました。
       タイトル「親子留学」を「小学生・中学生」に直しました。
2019年9月 「どの方式を選んだら良いのか」を加筆しました。
2019年10月 「実際のIGCSE試験はどう行われるのか」加筆しました。
                         価格改定しました。
2020年7月 マレーシアの教育制度とガバナンスのリンクを加えました。
2020年8月 IGCSEのテストについて加筆しました。

この原稿は、マレーシアに子供を連れて来ようと考えている人、それも現地の教育機関(小学校、中学校)での教育を視野に入れる人に向けて書きました。マレーシア以外の国の人でも、英連邦の国ならば参考になる部分もあると思います。

私はマレーシアで7年ほど、親子留学や単身留学をする家族の取材を続けています。今まで、のべ100組以上の親、子供、先生、学校などにヒアリングを重ねて来ました。テレビや斡旋業者の中には良いことしか言わない人もいますが、実際には良いこと・悪いこと両方あります。公開の場では言いにくいこともありますが、できるだけ率直に現場からの声を書きました。

この原稿は、
・どういう種類の教育機関があるのか知りたい
・メリットとデメリットをあらかじめ知っておきたい
・英語力はどの程度伸びるのか知りたい
・将来の進学経路をある程度知っておきたい

と考える方の参考になります。

また、私の過去の記事は東洋経済のこの連載やAERAのバックナンバーなどでご覧いただけます(ちょっと古いですが、参考までに合わせて読んでいただけるとイメージが掴みやすいです)。

また、マレーシア在住の友人が書いたこの記事、マレーシアの教育制度がよく纏まっていますので、合わせてお読みいただくと理解が深まります。

*この原稿は最終版ではなく、まだ改定を重ねます。誤った記述を見つけた方は、ぜひ教えていただければ幸いです。

■マレーシアに留学するメリットとは?

なんで発展途上国のマレーシアに来るの? と、当のマレーシア人にすら聞かれることが多いのでまとめました。

マレーシアは、東南アジアにあるイスラム教の国です。

年間気温は1年を通じて暖かく、日本から飛行機で6時間ほどと比較的近いのも魅力。

イスラム教のマレー人のほか、中華系、インド系の国民と、少数民族のいる多民族国家。公用語はマレー語ですが、民族同士の共通語として英語が広く使われています。外国人労働者も数多く、五人に一人が外国人というデータもある外国人労働者大国でもあります。

マレーシア教育移住は主に英語で子供を教育したいと考える韓国人によって始まりました。

韓国人の教育移住の歴史は結構古く、南アフリカや欧米などで教育する例もありますが、マレーシアにも数多くの韓国人が来ています。10年ほど前から日本人も追従するようになりました。私もその一人です。

マレーシア留学には、以下のようなメリットがあります。

1 選択肢が豊富になる

マレーシアにきて驚くのは、教育の選択肢の多さです。

マレーシアには世界中の教育が集まっています。
公教育のほか、100以上のインターナショナル・スクールがあります。外国人向けではなく多くのマレーシア人がそこで学んでいるのが特徴です。それも英国式、IB式、米国式、オーストラリア式、日本式、シンガポール式、中華式、フランス式とさまざまな方式の教育方式が選べるのです。多くが英語をベースにしており、日本人には選びやすいです。

主流は英国式。ただし同じ英国式でも詰め込み式教育から、のびのび系、ボーディングスクールまで幅広く揃っています。日本人や韓国人が中華学校で中国語を学ばせ、中華圏の学校に進学する例も増えてきました。一方でマレー語の学校に行く例は多くありません。

学校認可こそないものの、モンテッソーリ式や通信教育、ホームスクールなどのオルタナティブ教育も人気になって来ています。金額が安いのが魅力ですが、ただしこうした学校にはビザは出ませんから、親が働くなど、条件があります。

そして、語学のハードルさえ超えてしまえば、他の国も含めて圧倒的にその後の選択肢が広がります。

ただし、芸術学校や運動の専門学校など、あまり盛んでない分野も存在します。

2 多国籍・多文化の国でグローバルが学べる

一番の理由はこれでしょう。
マレーシアのグローバルぶりは半端ではありません。

マラッカ王国の時代から、中東や中国の商人が行き来する土地柄で、外国人に対して大変寛容な人が多いです。混血も多いです。

イスラム教が国教ですが、年末のキリスト教のクリスマスが国民の祝日となり、ショッピングモールはクリスマス一色。ヒンズー教のお祭り「ディーパバリ」ではインドの飾り一色になり、中国正月には中国でおめでたいとされる赤で、町中が埋め尽くされます。そんな国。仏様の誕生日も祝日ですし、シク教のお正月も祝われます。世界中の宗教が集まっているような印象です。

もちろんときには宗教同士のいざこざもありますし、多民族で全てがうまくいっているわけではありません。さらには外国人労働者の多い国でもあり、たくさんの外国人が働いています。

しかし、ここには宗教や人種が違う人たちが一緒に暮らしていく知恵と工夫があります。人生の早い時期にこの多様性を見ることは、子供の将来に大きな力となるでしょう。

3 英語・中国語・マレー語の環境がある

マレーシア人にはバイリンガル・トリリンガルが少なくありません。

マレーシアの公用語はマレー語ですが、英語が広く通じ、北京語を話す人もたくさんいます。さらにヒンディー語、タミル語、広東語、福建語など、とにかくいろんな語学を話す人がいるのが魅力。これから成長すると言われる中国、インドの文化もかなり入っています。

学校によっては、フランス語やスペイン語、アラビア語、韓国語なども選択できるところがあります。

ただ、実際には、日本人には英語だけで精一杯というお子さんが多いです。多くのマレーシア人が3ヶ国語を身につけ、さらに英語で高等教育を受けているのですから、日本人だってやればできるはず、なのですが。(とはいえ、英語で上位の成績を取っている日本人のお子さんは、まだまだ数少ないのが現状です)。韓国人の間などでは、数年英語を学ばせたあと、中華学校で中国語を学ばせる、という手法が流行しているそうです。

4 日本人のままで居られる

多宗教・多民族のマレーシアでは、それぞれの民族がコミュニティを作って暮らしており、「(違う考えを持った)お互いのことは放っておく」という考えが根底にあります。

つまり日本人の私たちは宗教を強制されることもなく、日本人として放っておいてもらえるというメリットがあるのです。その代わり、この国にマレーシア人と同じように永住しようとするハードルは高いです。

また、いろいろな種類のコミュニティがあるため、自分でコミュニティを選んで暮らせるのも魅力。華人コミュニティが好きな人、マレー文化に惹かれる人、いろんな生活が可能になります。

5 コミュニケーション能力が学べる

マレーシアに来ると、人々の多くが、初対面の人をくつろがせ、温かく迎えることに驚くのではないでしょうか。

実際に、マレーシア人のコミュニケーション能力はとても高いです。ここでいうコミュニケーション能力とは、「知らない人や外国人、異なる考えの人」を受け入れて、うまくやっていく力のこと。

マレーシア人は数カ国語が話せ、イスラムやヒンズーも理解し、グローバルな場所での「振る舞い」を身につけていますが。この「振る舞い方」が非常に重要になります。何が差別なのか、何をやってはいけないのか、グローバルな作法と共にコミュニケーションを学べるのは大きなメリットです。

また、俗に言われる「明るく寛容な国民性」からは、人生の明るい側面が学べます。

6 ビザが取りやすい

マレーシアの多くのインターナショナルスクールでは、だいたい7歳から留学する子供に対してビザを出してくれます(このビザについては、イミグレーションや学校、時期によって違いがあり、5歳から出るというところも一部あるようです)。子供にビザが出ると親にも保護者ビザが発給されることがほとんどですので、片親ならば、子供が学んでいる期間に滞在することができます。

お金と定期収入があれば、MM2Hという10年のビザを取得することもできます。労働ビザやMM2Hがあれば、前述のオルタナティブ・スクールを選択することもできます。

コタキナバルにある日本人学校でもビザを支給してくれるそうです。

7  途中で学校を変えられる

マレーシアでは転校は日常茶飯事です。私の知り合いは小学校を3回も変えましたが、理由は「子供がハッピーじゃないから」と非常にシンプルです。私も小学校を1回変えました。子供の方もクラスメートの入れ替わりに慣れています。

日本とは異なり、空きさえあれば途中からでも入れてくれる学校が多いのです。

これは逆に言えば、学校に入れたあとで「向かないな」と思ったら路線変更ことができるということ。最初は英語力の低い学校に入り、その後レベルをアップする、ということもできます。もちろん入学金などのお金はかかりますが、失敗をリカバリーできるのは大きなメリットです。

■マレーシア留学のデメリット

メリットがあれば、デメリットもあります。大きなデメリットをあげてみましょう。

1 一般の日本人の価値観からずれていく

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野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア

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文筆家&編集者@マレーシア。読者550人の定期購読マガジンでほぼ毎日コラム執筆中。雑誌編集20年。40代で外国に来て、驚きの日々を過ごしてます。東南アジアの人に習った楽になる生き方・教育を発信。書籍「日本人は『やめる練習』がたりてない」が集英社より発売。cakesでも連載中。

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教育系記事をまとめました。 ・海外のインターナショナル・スクール選びで迷っている ・インターに行った後の進学方法を知りたい ・子供が日本に向いているのか、海外に向いているのかヒントが欲しい ・マレーシア留学の良い点・悪い点を知りたい という方にオススメです。

コメント (2)
興味深く読ませて頂きました。初めて買った有料記事です。ありがとうございました。

少しだけ誤字脱字だと思われる箇所を見つけました。

>英語がほぼ必要ない日本語で、モチベーションなし
日本語ではなく、日本だと思われます。

>子供を完全にコントールし
コントロールだと思われます。
ご購入ありがとうございます! 誤字も見つけていただき、感謝です。助かりました。ありがとうございます😊
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