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高校3年生の授業をていねいに・1(ソフト面)

久しぶりに、生徒のことを題材にする記事になります。

ここのところ、数年間連続して高校3年生の授業担当者になっています。

生徒たちは日本の最高学府である旧帝大とか、それ以外の旧帝大とか、国立大学の医学部にも進学をしていきます。

もちろん、それ以外の進路を目指す子たちもいますが、大学はやりたいものをやりにいくところなので、別に偏差値だけが全てではありません。

どんな進路選択をしていても、やはり生徒が受かると本当にホッとするのですが、今年の授業構築はまた違う角度からのアプローチが必要そうですね。

もちろん、教えなければいけないこと、やらなければいけないことに大きな変更はありません。

これは習熟度別授業の上位クラスを担当しようが、下位クラスを担当しようが同じ。

大学入試共通テストに変わるとか、コロナの影響で遅れた分をどのように取り返すのか、というところが主な焦点でしょうか。

あとは、6月中の分散登校期間に、どうやって自宅で授業を受けている生徒への不自由さを減らすのか。

このあたり、ソフト面、ハード面(明日更新?)から記事にしていきます。

まず、そもそも分散登校が彼らとの初対面なのです。

毎年気をつけていますが、初対面は大切です。

どういう授業をしていきたいか、どういうことを重視していきたいか、方針の説明は大切かな、と思います。

進路を気にする子が多ければ、自己紹介で出身校も紹介したりします(これは相手によりけり)。

高校名や大学名だけでその人の人格が決まるわけではありませんが、伝えた方が信頼性が上がる(少なくともそれらの学校に合格する力は当時あった)ことにつながるのであれば伝えます。

要は、この後の1年間、安心して、信頼して、授業を受けてもらうための関係づくりなのです

それで効果的だと思えば伝えるまで。

ひけらかしているかの様に感じてしまう子たちであれば伝えないまで。

相手の様子をどうやってそんな短時間で知るんだよ、という声も聞こえてきそうですが、1年間の方針を説明している中で、自分たちが思っていることも踏まえた簡単なヒアリングをすることが多いです。

「去年までの学習内容の定着に自信がある人~!ない人~!」

「数学得意な人~!苦手な人~!」

「英語得意な人~!苦手な人~!」

みたいな。

じっくりカウントするのではなく、矢継ぎ早に聞いてなんとなくでも挙手してもらうだけ。

要は、生徒たちが自分をさらけだせるかとか、コミュニケーション取りやすい雰囲気作りを意識しています。

多分、私はこの後にこう言うと思います。

「だいたい、なんとなくでも挙手してもらったけど、君たちのことをちゃんとわかった上でこっちも授業をしていきたいから、恥ずかしがらずに手を挙げてくれて構わないからね。むしろこっちもその方が助かるし。それでも無理って人は個別に質問するでも構わないからいつでも来てね。」

みたいな感じでしょうか。

最初の10分くらいは自己紹介とコミュニケーションとこの1年間の進度の目安などを伝えていくことになるのでしょう。

塾や個別指導であればこのあたりは最低限に済ませますが、学校なので、集団としての強さも少し意識します。

結局、自分をさらけ出せて、お互いに教え合ったり、メンタル面で支え合ったりしたほうが、最終的に彼らの進路を実現する確率も上がります。

私自身も教員として満足感とか自己有用感みたいなものも上がります。

合格実績が上がるとか、学校経営サイドの要求にも(結果的に)応えることにもなります。

各方面がウィンウィンになるのではないでしょうか。

これに対しては否定的な人もいますが、意外に「部活を3年間きちんとやりきった生徒」とか、「3年生まで体育祭も合唱コンも頑張ったクラス」とかの方が進路を実現していくことが多いです。

このあたりは、本当に集団の力であり、学校だからこそかな、とも思います。


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