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【障害者の労働】障害者雇用のその先を考えてみたお話

数週間前に、障害者の労働問題についてのあまり良くないニュースを1つみました。

そして、つい最近も法定雇用率が上昇するというニュースをみました。

障害者の労働が続いて取り上げられていることや
私自身とても興味のある内容であるため、
今回は自分の一意見として障害者の労働について書いていきたいと思います。

障害者雇用の代行

1つ目が障害者の労働について取り上げられていたニュースです。
以下の内容がニュースになっていた内容です。

法律で義務付けられた障害者雇用を巡り、企業に貸農園などの働く場を提供し、就労を希望する障害者も紹介して雇用を事実上代行するビジネスが急増していることが9日、厚生労働省の調査や共同通信の取材で分かった。十数事業者が各地の計85カ所で事業を展開。利用企業は全国で約800社、働く障害者は約5千人に上る。
大半の企業の本業は農業とは無関係で、障害者を雇うために農作物の栽培を開始。作物は社員に無料で配布するケースが多い。違法ではないが「障害者の法定雇用率を形式上満たすためで、雇用や労働とは言えない」との指摘が相次ぎ、国会も問題視。厚労省は対応策を打ち出す方針だ。

一般社団法人共同通信社

この報道の内容としては、「ビジネス上違法ではないが
障害者雇用の代行ビジネスを通して法定雇用率を達成することが本当にいいのだろうか」という内容だと思います。


そもそも、このようなビジネスはつい最近始まったものではない
と思います。

私が障害者の労働という分野に興味を持って大学で学び
就活をしていた頃には既に
こういったビジネスを行なっている会社がありました。

なぜ、今このビジネスが問題になっているかは不明ですが
次に取り上げる法定雇用率の上昇が行われ続けていくことを考えると
違法ではないためこのようなビジネスが行われていても
不思議ではないかなと思っています。

私の一意見としては、このようなビジネスはあまり好みません。

就活をしている中で
こういった代行ビジネスをしている会社を何社か受けましたが
説明会を聞くたびにどこか引っかかる部分があり
結局途中でこういった会社は受けることを辞めました。

何が引っかかっていたのかというと
私の理想とする社会とかけ離れていたためだと思います。

これまできょうだい児として感じていた
兄への偏見の眼差しや障害者・その家族としての生きづらさを
どこか感じていたからこそ
私はもっと多様性を受け入れる社会になるべきだと思っていますし
そのためには、知識だけでなく実際に一緒に社会で活動するべきだという風に就活時も今も感じています。

だからこそ、このビジネスを理解していくと
障害者と健常者が切り離されてしまっているという感じを
否めなかったのです。

だから、私の考えには合わないなと感じました。

でも、もちろんこのようなビジネスをおこなっている会社のいい部分も
説明会で感じました。

それは、福祉的就労で働くよりも高い給料がもらえるということです。

そして、これまで働きたくて働く場所・受け入れてくれる場所がなかった
障害者が働くことができるということです。

このビジネスは、一般企業での就労という扱いになりますので
適切な給料が支払われますし
働く場所が農園とオフィスという違う環境の中でも社員の方に育てた野菜を買ってもらうなどして、実際に喜んでいる反応をもらうこともできます。

そういった意味では
福祉的就労と一般就労(ここでいうオフィスでの事務など)の間のような
ビジネスであるような気がしていい面もあると思います。


私に代行ビジネスが合わない理由といい面を見てきましたけど
このビジネスでの、というよりは障害者雇用での1番の懸念点として
私は障害者雇用を企業が自分達で取り組む気持ちがないことだと思います。

企業が自分達で障害者雇用を全く行わずに、代行会社に頼み
ただただ法定雇用率を超えることしか考えていない企業が増えれば
どんなに障害者の雇用が増えても・お給料が上がっても
多様性を受け入れるような社会にはならないと思うからです。

そのため、こういった部分を解消できれば代行ビジネスも悪くないと思います。

法定雇用率の上昇

もう1つのニュースが
2026年度中に法定雇用率を2.7%に引き上げる方針が発表されたことです。

現在(2023年)が、2.3%なので0.4ポイント上がることになります。

法定雇用率が上昇し、障害者雇用が注目されることはとてもいいこと
だと思います。

一方で法定雇用率を達成している企業はおよそ50%ほどです。

そして、その多くが大手企業中心で中小企業などでは
法定雇用率を達成することが難しい状況です。

こういった現状がある為に
障害者雇用の代行ビジネスが行われているのかなと感じる部分もあります。

そもそも、法定雇用率に伴う制度自体に
少し疑問を感じている部分はあるのですが、今回は一旦置いておきます。

法定雇用率が上昇し、働く機会がなかった人でも働ける社会になっていくことはとてもいいことだと思いますが
無理に進めても働く障害者自身・雇う企業にとってメリットはありません。

障害者を受け入れる職場環境・知識がないままに進めてしまうことで
障害者の早期退職につながり、企業側もコストがかかることで
やっぱり障害者は雇うことは難しいとなりかねません。

法定雇用率の達成だけを目的に企業が急いで障害者雇用を行なっても
それはいい結果に結びつきません。

だからこそ、法定雇用率の上昇も大切ですが
障害者雇用についてもっと知識や知見、体験談、方法などの情報をたくさん提供すべきだと思います。

そして、代行ビジネスだけでなく、自分達の企業内で障害者雇用を成功させるための支援を行うビジネスがより流行ればいいのではないかと思います。

最後に

今回は、障害者の労働について最近取り上げられてきたニュースに対して
自分の意見を書いてきました。

障害者労働が促進されることはとてもいいことだと思いますが
結果として社会が多様性を受け入れる社会ではなく
分断を大きくしては意味がないと思います。

各企業が障害者雇用を行う目的を法定雇用率の達成だけでなく
違った目的を持って行うことで、障害者雇用自体がより良い方向へ進んでいくのではないのかなと改めて思いました。


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