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【死にたい気持ちを抱えた方へ】『ごろごろシネマ』の開催について

私たちは、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp
note: 改めまして。Sottoってどんな場所?

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死にたい時、ごろごろくつろげて、ほっとできる場を作りたい

 死にたいぐらい思いつめる時、人との語らいが支えや励みになることがありますが、そんな風に積極的にコミュニケーションを取りにいくことがしんどい、という時もあると思います。
では、そんな風に感じる人は一人でつらい思いを抱え続けるしかないのでしょうか。人とちゃんと向き合う余裕がない時にも、誰かの存在を近くに感じていたいと思うことは認められないのでしょうか。

Sottoは、そのような状況でも安心して過ごせるような場所を作りたい、そんな思いから、2017年にごろごろシネマをスタートさせました。
月に一度、京都市の風情あるお寺で、くつろぎながら映画を観ていただけます。

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▲ごろごろシネマのリーフレット(2022年度)

くつろいで映画を観る、ただそれだけの場所

 会の内容はいたってシンプルで、お寺でくつろぎながらSottoのスタッフが選りすぐった映画を観る、基本的にはそれだけです。
ごろごろシネマという名前を付けたのは、きちんとした姿勢で座っていなくてもいいし、眠くなったら寝てもいい、そんなゆるい映画空間を作りたいという思いからでした。

映画に詳しくなくても全く問題ないですし、映画について上手い感想を言う必要もありません。
ごろごろシネマはSottoの他の活動、たとえば他の参加者やスタッフと一緒にご飯を食べたり、思いを語り合ったりするおでんの会とは少し違い、人と話すのがしんどいという方でもできる限り気軽に参加してほしい、そう私たちは考えています。

同じ体験を共有することの安心感

 ごろごろシネマでは、薄暗い室内でお互いの顔もよく見えず、でも確かにそこには他の参加者やSottoのスタッフがいる、そういう感覚を持ちながら映画を観ることになります。
特に話をするわけでもないですが、少なくとも同じ空間にいて同じ映画を観るという状況により、体験(とそこから生じた気持ち)を他人と共有した時に感じるゆるい連帯感というか、ささやかな安心感というものはきっとあるのではないかと思います。
映画という共通のテーマがあれば他の人と話をするにしても少し気が楽になりますし、たとえ話をしなくても、言外に共有できる何かがあることと思います。

日常でも、全然知らない人と乗り合わせるバスや電車の空間は、緊張感こそあれどそれが特別心地いいと感じることはあまりないでしょう。
そんな場所で、何か出来事(あまりいい例が思いつきませんが、停車して開いたドアから車内に猫が乗り込んできた!とか)が起きた時、一気にそこにいる人たちの緊張感が解けるということはないでしょうか。
この瞬間、一瞬ですがおそらく今まで赤の他人だった人同士の間で、「今の見た?」みたいな共通の意識が一時的に生じているわけです。

それが赤の他人の集まる空間で、ほんの一瞬であっても、体験を共有するということにはいくらか場を和らげる効果があるのではないかと思います。

gorogoro会場内1

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▲会場のお寺

映画の感想は誰かに話しても、自分だけのものにしても大丈夫

 ごろごろシネマでは映画を観た後、映画の感想を簡単にお話ししてもらえる場は設けていますが、自分だけで大事にしたい気持ちは無理に話す必要はありませんし、そのまま映画の余韻に浸りながら帰っていただいても全くかまいません。
映画の内容やその日の気分によって、一人で考え込みたい時も、誰かに思いを話してから帰りたい時も、様々にあることと思います。

では、死にたいくらいにつらい時に観たくなる映画とは、一体どんなものでしょうか?
それは難しいことを考えずにぼんやり鑑賞できる映画かもしれませんし、憂鬱なムードの映画の方が気持ちとマッチして心が落ち着くかもしれません。
人によっても好みは違うでしょうし、同じ人でもその時々によって観たい映画は変わるでしょう。

全ての人にマッチする映画選びは不可能と思いますが、上映する映画については、スタッフで「死にたいぐらい思いつめる時、どんな映画を見たいと思うか?」という根本的な問題から時間を取って話し合い、ラインナップを決定しています。
元々Sottoの中でも映画好きなスタッフが集まって始めた活動ですし、映画選びにはこだわっています。

ごろごろシネマに参加される前に上映される作品について知りたい場合は、予約時にお尋ねください(パンフレットやHPには記載されていません)。
また、今年度は新型コロナウイルスの影響で時間短縮など会の形式変更がなされる場合があり、上映作品もそれに合わせて急遽変更される場合もありますのでご了承ください。

ゆるりと、ごろごろシネマへお越しください

 映画を観ると、私たちの感情は様々に揺れ動きます。
この世界の誰かが作った物語で泣いたり笑ったりすることが、日々の中で抱えるつらさを一時やわらげてくれるかもしれません。
ごろごろシネマで初めて観る映画が今後も記憶に残っていくかもしれませんし、観たことのある映画にも新たな発見があるかもしれません。

しかしまた、映画を観る中で怒りや不満などを感じることもあるかもしれません。
ごろごろシネマでは、そういった気持ちも含めて大事に受け止めたいと思っています。
ネガティブな感情を抱えて帰るのがしんどく感じられる場合は、素直なお気持ちをスタッフにお話しいただければと思います。

 どうしようもなくつらい気持ちを抱えているのが耐えられなくなった時、死にたい思いが溢れそうな時、タイミングが合えばごろごろシネマに来てみてください。
スタッフとして、今後も参加される方がほっとできる場所を作り続けていきたいと思っています。

(Sotto ごろごろシネマ スタッフ)

~申し込み情報~

ごろごろシネマの参加は予約制です。
参加のお申し込みは、各回の2週間前から前日16時までお受けしています。
Sotto事務局(下記)へ電話またはメールでお申し込みください。
なお、定員10名に達した段階で締め切りとさせて頂きます。

日程など詳細はSottoのHPをご参照ください。
https://www.kyoto-jsc.jp/cinema.html

~申し込み先~
認定NPO法人 京都自死・自殺相談センターSotto 事務局
TEL:075-365-1600(平日9:00~17:00)
メール:so-dan@kyoto-jsc.jp
お問い合わせの際は「ごろごろシネマのことで、」とお話しいただければ結構です。

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