改めまして。Sottoってどんな場所?

 私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。(Sottoって呼んでください)
京都に事務所を置き活動しています。
活動していく中で、「自殺相談センターって、自殺の防止をやっているの?」「ほかの電話相談機関とどう違うの?」といった質問を受けることがあります。
特に新年度を迎えたからというわけではないのですが、改めて普段私たちが掲げている理念やモットーを、ここに文章として示してみたいと思います。

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 Sottoは、死ぬほど思いつめるようなときの心の居場所づくりをモットーに活動しています。はじめて聞く人にはピンとこないかとも思いますので、何をするところなのか、改めて考えてみます。設立当初の思いはサイトに掲載しているとおりです。

「死んだほうがいい・・もう死ぬしかない」

死にたいくらいに悩んでいるけど、誰にもわかってもらえない。
そんな孤独による苦しみを抱えて過ごしている人がいます。

私たちは日々、様々な感情の変化や起伏のもと生活しています。
嬉しいことがあったり、悲しいことがあったり、また腹の立つこともあります。
落ち込んだり、自分を責めてしまったり、普段、誰もが抱き得る感情の延長線上に、死にたい気持ちはあります。

Sottoは金銭的な援助や、就職斡旋や治療、具体的な問題解決こそできません。
しかし、誰にもわかってもらえない思いを少しでもわかろうと、心から関わってくれる、そんな存在と過ごした時間は何者にも代え難い、心の居場所となるのです。

Sottoにアクセスするまでは、もう限界と、絶望的な気持ちでいた人も、Sottoに心の居場所を見出したときに、もう少しがんばろうという気持ちを取り戻していかれることがあります。

Sottoは自死の苦悩を抱えたときの心の居場所をつくります。
http://www.kyoto-jsc.jp/about/

 Sottoは、ひとりではとても抱えきれないような悩み、それこそ絶望的な状況における孤独や、わかってもらえなさによる苦痛をやわらげることを目的に、相談を受けたり催しをおこなったりしています。

思いつめるようなときの拠り所になることを唯一の目的としているので、いわゆる自殺対策で言われるところの自殺者が何人減ったとか、支援機関に何件つないだということを成果としていません。もちろん、死んではいけませんよと説得する場所でもありません。問題解決のための相談窓口ではないので、具体的に解決したい、といった場合には物足りないかもしれません。

 もう頑張るに頑張れなかったり、どうせ自分なんてとしか思えないようなときには、もはや身動きすらとれなかったり、いよいよ本当に死ぬしかないのかもしれないという気持ちでいっぱいだったりします。

そんな孤独の中においては、何もなくてもそばにいてくれる存在に救われたり、心強く思えたりします。なぜなら、一般的には落ち込めば落ち込むようなときほど、身近に人がいても、どうしようもないことを責められたり、あるいは自分の手には負えそうにないと遠巻きにされがちだからです。

自分の苦労や頑張りを知っていてくれる存在や、その心の体温を感じられるとき、そこには言葉にしきれない、支えたりうるたしかなモノがあります。

 人の気持ちを他人が操作することはできませんが、どんなときも、たとえ自殺の決意を告げられても、その重大さを受け止めつつも、わかってほしいだろう気持ちをわかろうと、日和らずに居ることが、自分にも最期まで誰かがいてくれたんだという感情につながり、それが何らかの変化につながる可能性があります。

しかし変化を狙っているわけではありません。結局は気持ちを受け取ることしかできないのですが、そのできることを精一杯やりたいと思っています。

 自殺という言葉には、どこか事後のニュアンスが漂い、どうも周りへの影響やショックなどに意識がいってしまい、本人が今感じていることについて放っておかれるところがあります。

 だからこそ、この瞬間何を感じどう生きているかということから目を逸らさないことが大切なのかもしれません。Sottoの活動が万人受けするとは思いませんし、実際、支援の形は多岐にわたります。それも1つのやさしさですねといった具合に、しっくりくるものもまた、心の状態やタイミングによっても変わってくるかと思います。

ニッチな活動には違いないのですが、生死に関わる状況においてこそ孤独をやわらげるための機関の必要性を感じています。私たちはただ必要なときに必要としてもらえるよう、やろうとしていることをはっきりさせ、ブレずに続けていくことを考えています。心が落ち込んだり、元気でいられなくなったとき、いつでも頼れる場所や時間であれることを願って活動しています。

~相談窓口~
電話相談(毎週金・土曜日19~25時):075-365-1616
メール相談:http://www.kyoto-jsc.jp/mail/
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