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【死にたい気持ちを抱えた方へ】『おでんの会』の開催について

私たちは、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp
note: 改めまして。Sottoってどんな場所?


~おでんのような居場所をつくりたい~

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▲おでんの会のチラシ(2022年度)

「居場所がない」ってどういうこと?

 「居場所がない」という言葉を聞いたとき、どのような状況を想像しますか?
それには例えば、人の集まりに参加してほとんど誰も話し相手になってくれず手持ちぶさたな状況、などが挙げられるかもしれません。
人に話しかけるのに躊躇しているうちに、周りはグループを作りだして自分だけが会話の輪に入れなくってしまう。
いかにもありそうなシチュエーションです。
確かにこの状況では、「居場所がない」思いをするでしょう。

しかしながら、こうしたシチュエーションにおいて生じる「居場所のない思い」がすなわちSottoが活動するうえで考えるところのそれと一緒かと言うと、必ずしもそうではありません。
なぜなら、上の例では、あくまで「その場では」居場所がないということであり、仕事や家庭などでは居場所があるかもしれないと想定できるからです。

その時感じているしんどさ・寂しさが、一定の時間が過ぎれば解消されるのだとあらかじめ分かっていれば、トンネルの出口を待ちわびてやり過ごすこともできるかもしれません。
しかし、友人や家族を含めて誰も自分をわかってくれないし、受け止めてくれない、誰ともつながりを感じられない、という状況が続くことには耐えがたい苦しさがあります。
その苦しみの中では、死にたいくらいつらい気持ちになるのも自然なことです。

私たちが目指す、おでんのような空間

 Sottoのおでんの会は、そんな「居場所がない」という思いを持っておられる方に、一時でも誰にも否定されず、安心を感じてもらえる場所を作りたい、との思いで運営をしています。
おでんの会では、Sottoの相談員としての訓練を積んだスタッフが、参加される方の存在と抱えている思いをそのままに受け止めます。

死にたいほどの悩みや、誰にもわかってもらえない孤独を感じている方は、もしかしたらこれまでに「そんなことで悩まないで」「しんどい話は聞きたくない」「生きていればいいこともあるよ」などといったことを言われて、一層つらくなってしまったことがあるかもしれません、
そんな経験のある方でも、おでんの会では自身で大事にされている思いをそのままに話していただけたらと思っています。

おでんの会という名前にも私たちの思いを込めています。
おでんがいろんな具材が集まることでとても美味しくなるように、みんなが集まることで身も心もあたたまる、ほっとできる居心地の良い居場所をつくりたいという想いを込めて名付けました。
毎回おでんを食べているわけではないので、そこは注意していただきたいですが、そのような場を目指しています。

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▲色々な個性があるからこそおいしくなるおでん

おでんの会ってどんなところ?

 それでは、おでんの会の中身についてご紹介したいと思います。
毎月開催で、それも第一水曜日に開催することが多いのですが、そうでない月もあるのであらかじめHPで日程をご確認ください。
事前申し込み制です。参加費はかかりません。
会場は京都市内のお寺で、落ち着いた空間の中で会を行います。

特徴的なのは、「研究の場」「食事の場」「からだ・こころリラックスの場」という3パターンの回があり、それらを毎月ローテーションで開催しているところです。
各回の内容について以下でご紹介します。

ー研究の場

「研究の場」では、参加される皆さんが抱えている悩みについて、スタッフを交えて語り合う回です。いくつかのテーブルに分かれて話し合う形式ですが、話をするのがしんどい時はただくつろげるスペースも用意しています。

参加された方からは「他の人の話が聞けて良かった」「苦しい思いをしているのが自分一人でないと知れて良かった」などの感想をいただいています。
きっと自分一人で抱えている生きづらさやしんどさを分かち合えたという思いや、同じような思いで人とつながれたという感覚を持ってもらえたのかと思います。

ー食事の場

「食事の場」ではスタッフが手作りする温かい食事を提供し、参加者とスタッフが揃って一緒にいただきます。
参加される方の中には、普段ずっと一人で食事されている方も、食事をすること自体に難しさを抱えている方もおられます。
献立は一汁一菜ほどの簡単なものなのですが、とても喜んでいただいています。

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▲(上)野菜のかき揚げを作っている最中
▲(下)冬にはおでんを作ることも
※メニューは毎回変わります

食事は生きていくうえで欠かせない営みであり、体と心の調子を左右するものです。
他人と一緒にご飯を食べることが、イコール必ずしもいいことというわけではありませんが、食事という生きていくうえで欠かせない営みを共有できる、そんな場を社会に作ることは意味が大きいように思います。

ーからだ・こころリラックスの場

「からだ・こころリラックスの場」では、講師を招いてヨガやストレッチを行い心身を癒します。
気持ちがしんどい時はどうしても気持ちも体も縮こまってしまいがちです。
それを落ち着く空間でほぐせたら、との思いを込めています。
何も激しい運動をするわけではありませんし、無理に体を動かす必要もありません。

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▲雰囲気たっぷりの会場

そして今年度は、新しくチェロの演奏を鑑賞する時間を取り入れる予定です。
運動に加え、音楽を聴くことでよりリラックスできる場になればと考えています。
新しい試みではあるのですが、いい会になるようにと準備してまいります。

相談者の声から始まったおでんの会

 設立当初、Sottoは電話相談を行う団体でした。
活動を続けていく中で、「死にたいくらいの気持ちを抱えている他の方が、どのように日々をやり過ごしているのか聞いてみたい」という声を、相談者の方から聞くようになったのがきっかけで、参加者が互いの気持ちを話し合う場としておでんの会が企画されました。

まずは「研究の場」を作り、そして「どうしようもなくつらい時って、外に出るのもおっくうだよね。でも、そんな時でも出掛けたくなるくらい素敵な場所にしたい」という思いから、「食事の場」や「からだ・こころリラックスの場」を考案し開催をしてきました。
おでんの会を始めて7年経ちますが、現在もおでんの会を必要とする方にとってほっとできる居場所であるようにと常に考え、スタッフたちで議論を重ねて改善に努めています。

この記事をご覧になって、もしおでんの会に参加してみたいと思われましたら、HPをご確認のうえお気軽にお問い合わせください。
また、ご自身に必要でなくとも周りにしんどそうな方がいらっしゃいましたら、この記事なりHPをご案内いただけたらと思います。

(Sotto 居場所づくり委員長 小坂)


~申し込み情報~

毎月25日の朝9:00より、電話・メールにて翌月の予約が可能になります。
25日が土日祝で事務局が休業の場合、翌営業日の受付となります。
お電話かメールで、前日までにお申込みください。
予約は1ヵ月先のみとなります。

日程など詳細はSottoのHPをご参照ください。
https://www.kyoto-jsc.jp/oden.html

~申し込み先~
認定NPO法人 京都自死・自殺相談センターSotto 事務局
TEL:075-365-1600(平日9:00~17:00)
メール:so-dan@kyoto-jsc.jp
お問い合わせの際は「おでんの会のことで、」とお話しいただければ結構です。

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