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大学新入生のあなたへ
この1ヶ月間、新入生は合格発表や入学式を経て、
4月8日から本格的に京都大学での学びがスタートしました。
これを機に京都大学学術出版会より、京大の6人の先生に、学部学生を対象に、学生時代に読んでおくべきと思う本、最近読んで(読み直して)学生にすすめたいと思った本などを教えていただきました。専門にこだわらず、新旧をとわず、広く「読書」という視点から、先生の推し本を紹介させていただきます。
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京都大学生命科学研究科・准教授
▼イチオシ▼
『アインシュタインの反乱と量子コンピュータ』
佐藤文隆 (京都大学学術出版会)
⚪︎推しメッセージ:
京都大学理学部の元教授であり、世界的に著名な研究者である著者が、量子力学の歴史と現在を解説する。しかしながら数式は少なく(本当は数式が多い方が説明しやすい)、初学者には「物語」として十分楽しめ、量子力学の魅力が余すところなく描かれている。
▼こちらもオススメ▼
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『遺伝子 親密なる人類史』
シッダールタ・ムカジー/田中文訳 (早川書房)
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『分子生物学の夜明け 生命の秘密に挑んだ人たち』
ホレス・フリーランド・ジャドソン/野田春彦訳 (東京化学同人)
![](https://assets.st-note.com/img/1712640744197-0XLSUSzauj.jpg)
京都大学名誉教授(農学研究科)
▼イチオシ▼
『自然と権力 環境の世界史』
ヨアヒム・ラートカウ/海老根剛・森田直子訳 (みすず書房)
⚪︎推しメッセージ:
本書は近代世界の環境史を、単なる環境破壊の歴史でも構築主義的な枠組みによる環境言説の歴史でもなく、農林業の営みと「身体史=疾病史」を軸に「環境の比較史」として描いた環境史の古典ともいえる大著である。原著はドイツ語で、数カ国語に訳出されている。
▼こちらもオススメ▼
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『栽培植物と農耕の起源』
中尾佐助 (岩波新書 1966)
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『20世紀の歴史 両極端の時代(上・下)』
エリック・ホブズボーム/大井由紀訳 (ちくま学芸文庫 2018)
![](https://assets.st-note.com/img/1712641906364-XgIM79tqG0.jpg)
京都大学人間・環境学研究科・教授
▼イチオシ▼
『なぜ歴史を学ぶのか』
リン・ハント/長谷川貴彦訳 (岩波書店)
⚪︎推しメッセージ:
歴史学は「お金にならない学問」あるいは「暗記科目」でしょうか?フェイクと真実との区別がつきにくくなった今の時代こそ、歴史を学ぶことが平和で公正な社会をつくるために大切であるということを、本書はさまざまな事例で教えてくれます。
▼こちらもオススメ▼
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『オッペンハイマー 原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか』
中沢志保 (中公新書)
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『プルートピア 原子力村が生みだす悲劇の連鎖』
ケイト・ブラウン (講談社)
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京都大学文学研究科・准教授
▼イチオシ▼
『変身物語 1・2』(西洋古典叢書)
オウィディウス/高橋宏幸訳 (京都大学学術出版会)
⚪︎推しメッセージ:
「ギリシア神話」をもっとも多く現代に伝えるテキスト。オウィディウスは古代ローマの詩人です。『変身物語』のなかにはおよそ250編の大小さまざまな変身にまつわる神話が含まれていますが、その色彩豊かな描写は後代の文学や美術に強く影響を与えました。
▼こちらもオススメ▼
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『古代ギリシアの民主政』
橋場 弦 (岩波書店)
推しメッセージ:
民主政は古代ギリシアで誕生しました。その誕生から展開していく有様を、詳細に、丁寧に語る本です。民主政とは何か。この問いは民主主義のもとに暮らしている現代の私たちにとっても自明なものではありません。だから歴史を通じて考えねばならないのです。
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『職業としての学問』
マックス・ヴェーバー/尾高邦雄訳 (岩波書店)
推しメッセージ:
私はこの本を読んで、研究者になる覚悟を決めました。第一次大戦後、混迷するドイツで学生たちに語られた演説です。学問を職業とするとき、理想とかけ離れた不都合な事実があります。そのうえでなお、理想をもって追究する姿勢を持ちたいと思いました。
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京都大学名誉教授
▼イチオシ▼
『ヤシガラ椀の外へ』
ベネディクト・アンダーソン/加藤 剛訳 (NTT出版)
⚪︎推しメッセージ:
『想像の共同体』であまりにも著名な地域研究、比較政治学の巨人アンダーソンの自伝。もともと「日本の若い研究者のために」書き下ろしたものを盟友加藤剛氏が翻訳したもの。自らの生と学問の軌跡をたどりつつ学知や制度の枠組から外へ出よと知的冒険へ誘う。
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京都大学薬学研究科・教授
▼イチオシ▼
『化学者たちの京都学派』
古川 安 (京都大学学術出版会)
⚪︎推しメッセージ:
京大の化学は世界トップレベルで、福井謙一先生、野依良治先生、吉野彰先生というノーベル化学賞受賞者が生まれています。本書を読んで、このような「京都学派」がどのように生まれ、育まれてきたかを知り、将来の化学者への夢を描いてください。
▼こちらもオススメ▼
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『学問の発見 数学者が語る「考えること・学ぶこと」』
広中平祐 (講談社)
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『理科系の作文技術』
木下是雄(中央公論新社)
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
新入生の皆さんが、これからたくさんの良い本に出会えますように。
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