見出し画像

SQLもRもいらない?これからはExploratoryの時代。

ゴールデンウィークに時間の余裕があるあいだに、普段使っているツール等の見直しを行ってます。そこでいいツールを発見したので、それを踏まえてここ最近の僕の分析ツールについて書いてみようと思います。

「マーケターの能力を推し量るには、どんな分析ツールを使っているか聞けばよい」というのは、今僕が思いついたセリフですが、きっと他の同業者もそう感じている人は多いのではないかと思います。

ここ何年か、いろんなビジネスフレームワークとか使って情報を整理するような仕事が多く、それはマーケティングに疎い行政に寄り添って政策を進めていくためには必要なことなのですが、やはりマーケターとしての本分と言いますか、競争力の源泉みたいなものは「データの収集と解析」であり、そのためのツール選びは重要です。

と、大見得を切ったわりに、僕はもっぱらExcel使いだったりします笑(そのExcelの能力をどこまで引き出せているかが重要なのですが、これについては今日の本題からは逸れるので割愛)。あと、ちょっとした解析(多変量解析とかコレスポンデンス分析とか)をするときにRを使います。Rについてご存じない方は、こちらをご参考ください。概要は、以下抜粋のとおり。

R言語は、統計解析に適した命令体系を持っているプログラム言語です。インタープリタ型言語であり、マルチプラットフォームで動作することも特徴の一つと言えるでしょう。またオープンソースで無償の言語ですから、誰もが簡単に同じ作業環境を整えることができるものです。

Rをそのまま使うとちょっと使い勝手が悪いので、Rstudioというソフトを上乗せして使うようにしています。どちらも無料でインストールできて、いろんな解析ができるので便利です。前職時代はIBM社の有料ソフトSPSSを使うこともあったのですが、世の中分析にお金をかけさせてくれる組織は珍しいので、有料ツールにはなるべく頼らないほうがよいです。どこへいっても活躍できるマーケターになれるという意味では、無料でできる範囲のことを広げることが重要です。

Rの場合、ちょっとしたプログラムを書かなければいけないのですが、ググれば誰かがやり方を説明してくれているので、なんとかなることが多いです。ただ、誰しも使いこなせるものではないので、他の人と一緒に分析を進めるような仕事をする場合のことを考えると、なるべくExcelを使って処理してしまうことが多いです。Excelで複雑な集計をするとCPUの処理がどうしても重たくなってしまいますが、計算過程を視覚的に把握しやすいのがメリットです。ただし、誰でも簡単に書き換えられてしまったり、途中でデータをコピペして計算過程を遡れなくしてしまうようなことが起こりやすいというデメリットもあります。

課題はあるものの、なるべくExcelでできるところまで進めて、統計的な解析だけRで処理するのが、ここ数年間の僕のなかではベターな選択でした。しかし、ここに来てこれを揺るがすツールが登場したのです。それが、Exploratoryです。

なぜExploratoryが凄いのか

「全ての人にデータサイエンスを」というキャッチフレーズの文字通り、これは、SQLやR、Pythonといったプログラミング等の難解な予備知識が無くても、様々な分析ができるようになるというツールです。どうやら、1年くらい前から普及し始めていたみたいです(もっとキャッチアップ早くならなければと反省)。もちろん、基本利用は無料。これがあれば、SPSSとかSASとか最早いらなくなるんじゃないかという気すらします。

UIは、Tableauに近いです。Tableauはデータの可視化や、インタラクティブな(一般ユーザーにも操作が可能な)グラフの公開機能に特徴があります。さいきんマクロミル社が発表した消費者定点観測調査の公開情報はTableauが利用されています。

一方で、Exploratoryはデータベース処理や多変量解析などの統計分析に強みがあります。Excelなどでデータを読み込んだあと、データベース処理用のプログラミング言語であるSQLを使って行うような操作を、画面をクリックしていくだけでできるようになっています。

整形し終えたデータを対象に、回帰分析、クラスター分析、主成分分析、各種統計的検定、テキストマイニングなど、さまざまな解析をものの数秒で実行し、グラフ化することもできます。

ここまででも十分便利で画期的です。しかし、Exploratoryの本当の凄さは、実は別にあります。それは、これらの機能を使って実行した処理に相当する、SQLやRなどのプログラミングコードを取得できるという点です。これはつまり、Exploratoryだけではできない処理が発生した場合、そこまでのコードを取得して、そこから先はSQLやRの開発環境に移して微調整することができるのです。

一度別のツールに移ってしまうと、元のツールに戻りにくくなってしまったり、ツール間の互換性が無くて二度手間になってしまったりということが、新しいツールへ移行するときの障害になりがちですが、Exploratoryはその障害を取り除いているという点で極めて優秀です。

みんなExploratory使えばいいのに。というか、使ってなかったらマーケターとしてはモグリ、と言われても仕方ない時代が迫っています。ただ、その凄さをいくら抽象的に説明してもいまいち伝わらないと思うので、近いうちにExploratoryを使った具体的な分析事例を紹介してみようと思います。

続きに興味を持っていただけましたら、サポートをお願いします。一定の金額が貯まったら、独自の調査活動資金に充てたいと考えています。