ひな祭りの思い出

明日は、ひな祭り。

去年、実家に帰ったとき、偶然、アルバムの中に私の初節句と思われる写真を発見。

きれいなひな人形たちを、幼い私がじっと見つめている。テーブルの上にはかわいい、ひなケーキ。当時は全く、ひな人形の意味も分からず、不思議そうに座り、口の周りを汚しながらケーキを食べていた・・・ように思う。

その時の名残かもしれないけれど、私はひな人形を見ると、不思議な気持ちになる。三人官女の凛とした姿に、五人囃子からは笛や小鼓が聞こえ、鏡台やたんすなどの調度品も、歴史を感じる。平安の頃の優雅な生活ぶりまで伝わってくるようだ。

幼き私も、もうすっかり大人になってしまった私も、やはりこうやって、今も、ひな人形を見つめている。1年に1回、ひな人形たちが会いに来てくれるのだ。様々な場所で。たくさんの思い出とともに。

ひな祭りが日本にあって、本当に良かった。そして、おひな様たちと出会えて、率直にうれしい。幼かった私を、深い愛情でずっと見守ってくれていた両親や祖父母。毎年のひな祭りで、そんな思いを強くする。

「いろいろ、ありがとうございました。」

一言であっても、この言葉の裏には、言い表せないくらいの感謝の気持ちが込められている。

おひな様たちを見ながら、ちょっと昔にタイムトラベルし、幸せな気持ちでいっぱいになった午後のひとときだった。

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