見出し画像

奈良 春日 芳山の二尊石仏

奈良市内の東側、春日山のさらに奥。芳山の山中には、釈迦如来像と阿弥陀如来像の二尊が表された石仏があります。

画像1

像の位置関係から東面を釈迦如来像、西面を阿弥陀如来像とし、現世から来世へ送り出すお釈迦さま、そして来世で迎え入れる阿弥陀さまの二尊を表していると云われています。造像は奈良時代末とも鎌倉時代とも。

画像2

山道を歩いていると、急に開けた空間が現れます。その空間に静かに二尊石仏は佇んでいます。お釈迦さまの前方には、人が座れる程度の石がふたつ。私も持ってきたお菓子とお茶を飲み、しばしの休憩…。

画像3

石仏の地から5分ほど歩くと芳山の頂上にたどり着きます。存在感のある磐座がどーんとお目見え。人も少なく、異空間感がすごい…神聖な空気をたずさえた磐座たちの存在感は見事。

画像4

道中に大きな石は見当たらないのに、山頂は急にこうして巨石が並びます。磐座として古代から信仰を集めていたのでしょうか。遥か昔の風景に思い巡らします。それにしても、どうして頂上にこうも偶然に巨石があるのでしょう?いつも不思議になります。人工的に運んだのかな…と、ついつい疑いたくなってしまいます。

画像5

画像6


そして芳山入口には「大乗院殿御持山」の石碑が。大乗院は興福寺塔頭のひとつで、往時は興福寺の地であったことがわかります。
南都春日の聖地として、重要な地であったことが想像されます。回峰行などの山間修行に勤しむ聖たちが、今にも姿を現しそうです。

往時の人たちが歩いた道も、祈りを捧げた石仏も、磐座も何千年と変わらず佇んでいる。そして現代の人も、昔の人たちと同じ道の上を歩き、同じ場所で手を合わせる。こうした過ぎ去った時間とのつながりを感じるひとときが、せわしない現代における心の道しるべになりそうです。





画像7

最後に地図。
右下の写真、矢印が示している場所が二尊石仏の位置。
近くにある峠の茶屋に聞くと親切に道を教えてくれます。
登山口の公衆トイレ前に数台駐車することも可能。
いろいろと落ち着いたら是非とも癒されに訪れてみてくださいね!


#奈良 #春日 #興福寺 #石仏 #仏像 #磐座 #歴史 #民俗 #写真家




ぜひサポートもお願いします!今後の写真家活動の糧にします。よろしくお願いします!!