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同じ市立中学生なのに…

私は、大津市議会で一人会派「協生会」に所属しています。
「協生会」の所属メンバーは私だけですが、ありがたいことに大津市議会では所属議員が一人であっても「会派」として認められており、決算資料なども多人数の会派と同様に請求することができます。

令和4年度の決算審査に際して請求した資料が届きました。

私は「いつでも、どこでも、だれでも、学べる」生涯にわたって学び続け成長し続けられる学びの環境整備、生涯学習社会の実現を願っています。

中でも子どもの学習環境整備には力を入れています。
経済力格差が学びの格差に繋がらないよう公教育の充実を求めています。
今は価値観が多様化し、親御さんの考え方も様々です。
本を読む習慣がない家庭、新聞を取らない家庭も増えてきています。
そんな時代だからこそ、本を読んだり新聞を読んだりする読書活動の推進を通じて、子どもたちに必要とされる自分で学ぶ力、情報を適切に選び取る力が公教育の中で培われることが必要なのではないでしょうか?

大規模校では毎年選書会が開けます。


協生会の会派請求資料で中学校の学校図書館の図書購入費の一覧表を提出していただきました。
図書購入予算は学校規模や生徒の人数、蔵書の数や昨年度の除籍冊数などを勘案して各校への予算配分を決めていると学校教育課から聞いていました。

頂いた資料を見ると、小学校では予算配分にそれほど大きな差はありませんでした。
しかし、中学校では学校規模によって予算配分に大きな差がありました。

購入金額を見ると、配分予算が少ない学校の図書購入費は年間14万3千円だったのに対し、配分が多い学校では年間116万5千円でした。
また、冊数で見ると、予算が少ない学校の購入冊数は年間80冊でしたが、予算が多い学校の購入冊数は959冊でした。もちろん金額や冊数だけで学校図書館の読書環境の全てが分かるとは思いませんが、大きな差があることは事実です。

生徒数に比例して予算配分しています、と聞くと平等だと思います。
学校として考えると確かに人数が多ければ予算が多くて当たり前です。
では、生徒の立場から見るとどうでしょうか?
同じ大津市立の中学校に通う生徒でありながら、ある学校の生徒は年に959冊の新しい本に出合うことができる。
一方で、違う学校の生徒は年に80冊しか新しい本に出合えない。
これって、平等なんでしょうか?

新しい発見や今を生きる上で必要な知識技術、直木賞や芥川賞、本屋大賞などの旬の本、話題になっているベストセラーの本、大津にゆかりのある著者の本、中学生に読んでもらいたいおすすめ本、本を読むのが苦手な子どもでも手に取りやすい絵本など、学校図書館が子どもと本を繋ぐという役割を果たすために必要とされる本は多岐にわたります。
年間予算が14万余り、80冊では賄えないのではないでしょうか?

今を生きる子どもたちに出合って欲しい本、学校にあって当たり前の本を購入するベーシックな予算と、人数に比例して配分される予算を分けて考えてもらう方が、子ども一人一人に学びと成長の機会を提供するという学校図書館の役割を十分に果たせるのではないか、と思います。

 執行部に全額を人数比とすることのデメリットをお伝えし、ベーシックに揃えておきたい本の購入予算と、人数比例で充実する部分とを分けた二段積みの予算配分の考え方を提案してまいります。


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