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記野式:サクッと!ゲーム業界講座 12月後半号

メリークリスマス!いよいよ2023年最終号です!本年もお世話になりました。来年もまたしっかりと書いてまいりますのでよろしくお願い申し上げます!

(C) coolvector/Freepik

さて、今号のコンテンツですが、まえがきは著作権のお話「Micky Mouseはみんなのものに?」。そして、アメリカ市場データCircana(旧NPD)の11月分、ヨーロッパ、イギリスの11月のゲーム市場、11月のPSNゲームランキング、それから11月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。

デロイトの2024年の「テック&エンタメ業界予測」、突然の事件があったので緊急に追加した「中国ゲーム市場の新たな規制」、そして注目ニュースと盛りだくさんです。

本記事での為替レートは1ドル=142円、1中国元=20円で計算しています。


<記野式まえがき:Micky Mouseはみんなのものに?2024年パブリックドメインに!>

私はゲーム業界に入ってから、ゲームに関わる権利…つまり、著作権、商標権、肖像権、意匠権などに関わってきたのですが、開発の皆様にいろいろと説明をして「めんどくせぇな」と思われたりして(笑)いました。

堅いお話をするとめんどくさいので、事象からかみ砕いてお話ししたほうがいいですよね!ってことで格好のネタが上がって来ましたよ!

100周年を迎えたDisney社ですが、そのDisneyが持つ大きな財産であるキャラクター、その中でもDisneyの代名詞キャラクターともいえる「Micky Mouse」の著作権が消滅するというのです。

1.Micky Mouse(ミッキー)実は著作権フリーに?

アメリカではなんとDisneyの稼ぎ頭「Micky Mouse」の著作権が2023年を以て終了します。ミッキーはパブリックドメイン、つまり誰でも自由に使える著作物になるのです!

「Micky Mouse(ミッキーマウス)」は言わずと知れたDisneyの著作物。1928年に公開されたアニメ『Steamboat Willie(蒸気船ウィリー)』でスクリーンデビューして以来 Disney の看板キャラクターとして愛されてきました。

アメリカでは1976年から著作権の保護期間は著作者の死後から50年または発表後75年でした。1998年のSonny Bono Act(ソニー・ボノ法)により1978年以前に発表された著作物の著作権保護期間を「死後50年→70年」に、「発表後75年→95年」に延長されています。当時はDisneyの既得権益を守るために改定されたと噂され(実際には他の著作権者たちからも延長を切望されていました)、「ミッキーマウス保護法」と揶揄されていました。

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