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心も体もほっこり温かく

こんにちは。

だんだんと寒くなってきましたね。冬は風邪が流行る季節でもあります。
今日は健康に風邪の季節を乗り切るヒントについて、”熱”の観点からのお話をしたいと思います。

私たちの中にある熱

私たちの身体は各臓器が一番働くのに適した温度に保たれています。
それをホメオスタシスといいます。常にある一定の温度に保たれるように体温調整されています。

身体の熱(体温)

私たちの身体は食事や運動をすることによって熱を発生し、血液を介して全身を温めています。

ウイルスや細菌といった病原体が身体の中に侵入すると、それを排除しようとする働きが起こります。それがいわゆる発熱です。
身体は体温が高くなることで、病原体の増殖を抑え、抗体が免疫細胞から作られます。ちなみに病原体が身体の中でもっとも活動しやすい温度というのは、だいたい33度から35度くらいといいますから、低体温です。
「身体を冷やしてはいけない」というのは、低体温であると病原体が侵入し、身体で増殖しやすくなるからです。

私たちの内面の中で働く熱

一方、熱や体温調節というのは単に身体のことだけではなく、私たちの「心」や「精神」にもつながりがあります。
これらの熱は身体の熱のように計測することはできませんが、「心」や「精神」の活動と関わっています。

例えば、自分が困っているときに誰かに手を差し伸べてもらい、その人の親切さに”心の温まる”思いがします。また私たちは、何かに熱中しているとき、文字通り内面の”熱”が発生しています。”情熱に燃える”と表現しますね。何かに感動したとき、目頭が”熱くなる”思いがします。

内面の”熱”を表す言葉は、書き出したらキリがないくらいたくさんあります。
こんな表現からもわかるように、「心」や「精神」が活発に動いたときにも”熱”が発生します。何かに集中したいるとき、「知恵熱が出る」などと表現することもあるくらいです。

逆に「あんな酷いことをして、なんて冷たい人」とか、「冷酷」、「冷淡」な態度に「寒気」を感じることもあるかもしれません。このように「心」や「精神」が「冷たく」感じることもあります。

このように”熱”は、身体に発生する”熱”以外にも、感情や思考に伴って発生する”熱”もあるわけです。

アントロポゾフィー医学ではこれらの熱はみな同じ一つの”熱”として捉えます。
同じ”熱”が、外面的な「身体」と内面的な「心」や「精神」の中で作用するからこそ、一人の人間として統合した「自己」を感じられると考えます。

心と体の熱

以上のことから、体温として計測できる外面的な”熱”と計測できない内面的な”熱”があり、それらの”熱”により私たちは身体だけでなく、心や精神も活動し、一人の人間として活動している(生きている)わけです。

どちらも温かく保つことは大切で、お互いに影響し合っています。

仕事が忙しくてストレスはそれなりにあるものの、その仕事にやりがいと責任を感じ、インフルエンザが流行ろうが病気になっている暇はないと気合いの入っている時って、なぜか風邪をひかなかったりするという体験はありませんか?

このような場合、仕事への情熱や責任感といったものが、内面の熱を活性化し、免疫力を高めているからです。

今は退職している父が現役時代によく言っていた言葉があります。「気が弛んでいるやつが風邪を引くんだ」と。この表現自体はちょっと語弊がありますね。ただ、このように内面の熱についてを考えると、父の言っていたこともあながち間違ってはおらず(風邪を引いた人が気が弛んでいたからというわけではないです)、内面の熱を温かく保てているときは風邪を引きにくいというわけです。その言葉を発した通り、現役時代の父はほとんど風邪を引くことはなかったです。

心も体も温める

身体を温かく保つことは、みなさんご存知の通り大切ですが、こうして内面の熱という観点も考慮すると、心や精神といったものを整えておくことも重要になりますね。

自分や他人を思いやる温かな心、自然や芸術に感動する心。自分の好きなことに傾ける情熱。自分や他人への信頼。忙しい日々の中にも楽しみや喜びを持つこと。
このようなポジティブな感情は私たちの心を温めるだけではなく、免疫力も高めてくれます。逆に強いストレスや不安、落ち込み、怒りといった感情は免疫力を弱めてしまいます。

外的な熱と内的な熱。

この2つの側面から人間を捉えると、健康に過ごすことへのヒントになるのではないでしょうか。
これからますます寒さが増しますが、心も体も温かくして冬を乗り越えていきましょう。
もしお住まいが、曇りがちでどんよりした日々の多い地域でしたら、なおのこと心の温かさ(内なる光)を大切にして生活してくださいね。






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