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誰だってなるべく幸せでありたい

夜はたいてい、湯船に浸かっている。
腕に乗る無数の水滴は 汗なのか
湯が発する蒸気によるものか
私にはよくわからないけど
とりあえず 汗だと思っておく。
そのほうがなにかと幸せだからだ。

アツアツのお湯に足先が触れる瞬間とか
猫が 私の布団で寝ている夜とか
朝起きたら晴れている日、とか
到底言い表せないほどにキラキラしている春の空気、等に
幸せを感じるタイプの人間。

むねがドキドキして 溢れてしまいそうな時
誰でもいいからねえ聞いてって
いますぐほら、いますぐですこの瞬間、
そうやって必死に文字を打ってしまうでしょ

でも
そうじゃなくて、もっと こう、
自分のなかにするりと やさしく 含んでから
大事に大事に噛み締めて、それで、いま ゆっくり 吐き出してみましたどうでしょう、私はこのように とっても幸せでしたよ、と言ふ。
そういう人間になりたい。

そのほうがなにかと幸せだからだ。

現代社会は生き苦しいから
たまには亀にでもなりたい。

そういえば

あれは、愛だったのか恋だったのか
今もずっとよく
わからないままでいるけれどとりあえず
愛には及ばず 恋にも満たないものだったと
思っておく。
そのほうがなにかと 幸せだからだ。

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【 postscript 】

いつでもどこでも「今」を言葉にできてしまう現代に
少し疲れてしまった時です。
その波に呑まれる自分自身に、憤りを感じるほど。
もっと大切にできるんじゃ無いかって思います。

「今」を伝えるのは必ずしも
「今」じゃなくていいんですよね。

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ふつうの暮らしを愛しながら、 東京のすみっこで猫たちと生活してます。 おいしいごはんとお酒が好きで、映画をたくさん観る🎥 年内に登山と釣りがしたい。