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アクセシブルツーリズムをインプットするよ✨⑤車椅子 リキシャにしたら バリアパス

こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

1月23日に開催された東京都産業労働局主催「アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウム」をインプットしていくシリーズ第5弾。

前回までの記事はこちら。

アーカイヴ動画は2月28日をもって視聴できなくなっているので注意。この記事は2月中に視聴して書き溜めたもの。

今回は、ミニセミナー「障がい者でも、車いすでも旅行をあきらめない!」について見ていきたいと思う。

講師は中村正善氏。

株式会社JINRIKI代表取締役社長とのこと。

それでは早速インプットしていこう❕

中村「株式会社JINRIKIとして車椅子で行きたいところへ行こう、そしてそれによってどんなメリットがあるかを話していきたい。

早速だけれどこの車椅子で目の前の段差を超えてみてほしい。(男女1名ずつ指名して実際に車椅子に乗ってもらう)

車椅子の形は万国共通、16世紀に発明され、19世紀から普及した。これでなければいけないというわけではないが、前輪が小さく、後輪が大きく造られているのは停まっている時間が長いこと、前輪を360度回す必要がある古都からこのような形になっている。

(いわゆるウィリーをして段差を超えるデモンストレーション)

車椅子で段差を超えるにはウィリーをするのが現状唯一の方法であるが、乗っている側は怖いし介助者にも訓練が必要。そこで車椅子の前に牽引レバーをつけると、まるで介助者は人力車のようにして安全に曳くことが可能になる。これが社名の由来。

車椅子の方は旅行を諦めちゃっている。例えば登山。ところがここ数年高尾山に車椅子で登山する人が増えている。

バリアフリーは金と時間がかかるだけでなく、環境や文化を破壊することでもある。高尾山をバリアフリーにするなら、それは山を壊すことになる。また統一基準がない。例えば視覚しょうがい者用の点字ブロックは車椅子にとっては障害になる。

それよりも心のバリアフリー。私個人の主観では日本が一番遅れている。欧米では困っている人がいれば声をかけるのが当たり前。

バリアフリーやヘルプマークなどに頼らず、

バリアフリーからバリアパスへ向かうべき。

それはすべての人にとってメリットがある。アクセシブルツーリズムも進んでいくが、それ以前にまずは要配慮者が自然災害などの緊急時に安全に避難できるようになることが大きい。例えば火事になった時車椅子の方だけ逃げ遅れるということはあってはならない。

一番あってはならないのは諦めるということ。それを防ぐには日常から円滑な移動をすること。

JINRIKIを使うことで、北海道の旭岳やキリマンジャロまで登った人がいる。もちろん一人ではないけれど。

階段も、砂利だらけの河原も、雪原もJINRIKIなら移動できるし、車椅子のもうひとつの使い方として車椅子に物を載せてリヤカーのように運搬できる。災害時の物資輸送などに役に立つので是非覚えておいてほしい。例えば車椅子の方はキャンプを諦めている。テントにペグを打つのはバリアーになる。リヤカーのように使えばキャンプもしやすい。

JINRIKIがあれば車椅子の方もスキーに行ける。東京都にはスキー場がありあません。狭山も埼玉ですね。でも東京都民はたくさんスキーに行きますし、是非我が長野県にしてください。長野県のウリは温泉と雪とリンゴ。つまりバリアーが資源。だからこそバリアーを環境破壊すること無く超える必要がある。

障害者差別解消法はバリアフリーの義務化。しかしバリアフリーの工事はお金がかかる。防災対策基本法もある。以前、コンサルタントをしていたが上高地の活性化を依頼された。しかし国立公園のなかで手を付けられない。そこでこの方法を思いついたが、当時福祉に携わったこともなく画餅に終わった。

東日本大震災の犠牲を大きくした理由として、目の前の逃げられない1人を救おうとして複数名が犠牲になるということがあった。その事実を知り、翌月に脱サラをして企業をした。バリアパスは旅行を楽しむだけでなく、命を守るところまで繋がる。

災害時、高齢者・しょうがい者の3割は避難を諦めてしまっている。ウクライナでも高齢者・しょうがい者の襲撃時避難が困難であるという現実があり、昨年2度ウクライナに行きその支援をしてきた。究極の人命救助。

宣伝になっちゃうかもしれないが、小学館の雑誌『BE-PAL』で毎年車椅子で高尾山登山へ行く人を募集している。最初は無謀と言われたが現在は抽選になるほど人気がある。

江ノ島のエスカーの裏には400段の階段があり、車椅子ツアーが数年前から決行された。当時、商店街の会長から難色を示されたが、地元の強力(ごうりき、登山ヘルパーのこと)の協力があり江ノ島の上まで車椅子で登れ、その年3度もツアーが行われた。65歳の私の方がゼェハァ言いながら歩いている。

こうした取り組みが増えてきて年間20回は山に登っている。この2年間はコロナでお休みをいただいてキャンプ三昧だったけれど。今、兵庫県の方から富士登山の要望が出てきているが、これは法律的な壁もあり難儀している。

バリアフリーに法的にできないものとして環境保全とともに宗教上の問題がある。その最たるものが伊勢神宮で、神様の前で騒がないようにわざと段差だらけになっている。入り口で専用の電動車椅子を貸してくれるが、通常と違って操作パネルが後ろにある特殊仕様。なぜならそれが前にあると車両扱いとなり、皇族直轄の聖域には受け入れられないという解釈になるそう。したがってJINRIKIもつけることが許されない。実際にはしらばっくれて行ってる人はいるし、行くと現場では受け入れてくれるが。また、駐車場から地下を通って神宮に向かうところでバリアフリーのために造った通路を通るなと掲示されている。過去にそこで高齢者が力が入らずに事故を起こしたから。

ここにはいろんな職業の方がいると思うがすべての職業の方が車椅子のお客様を受け入れてほしい。

東京オリパラのバリアフリー施策でホテルの手伝いをしたが、私は逆にバリアフリー工事をするなと言った。何故ならしょうがいを持つ人は必ずしもバリアフリーの家に住んでいるわけではなく各自が工夫して生活している。バリアフリーの基準を提供側が決めるのではなく、お客様の要望をまずは聞いてほしい。通路が何cmとかいちいち計るな。新聞紙を広げて歩けるなら車椅子は通れる。

まずは何かお手伝いしましょうか❓と声をかければいい。車椅子に乗って旅行に行けるようになると本人も家族もだんだん笑顔になる。」

これはマジで感動した。

確かにこれさえあれば、車椅子の機動力は格段に上がる。

バリアフリーというのはバリアパスの一手段でしかない、という風に考えることもできる。そうであれば、一手段だけに頼る必要はどこにもない。

もちろん新築、改築といった時にバリアフリー化は義務付けていいけれど、まずはバリアパスの発想に切り替えていくことが大事。

そしてどんなに金があり、技術が向上しても、マインドが変わらなきゃ何も変わらない。

JINRIKIがあればインドの遺跡やらラージャグリハの霊鷲山とか何やらだって旅行できるし、今後のセールストークとしても使えそう。

車椅子をヴァージョンアップさせるツールは他にもまだまだありそうなので、引き続き注視していきたい。

車椅子ユーザーにもインド旅行を売っていくためにね。

それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨


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