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7月に読んだ本まとめ

 お久しぶりのnote更新……。相変わらず『Library Of Ruina』に毎日狂わされてます。ということで7月はほぼほぼ本を読めていない。サクッと振り返っていきまーす。

西加奈子『夜が明ける』

 こんなときに読むんじゃなかった……と若干後悔してしまうくらい、現代の絶望を煮詰めて作られたみたいな作品だった。でも読むべき作品でもあった。

 徹底的に救いようのない現実が書かれてるから、タイトルとは裏腹に「夜が明ける日なんか来ねえよ……」と思ってしまう。ラストの文章読んで、どんどん心が落ちてくのを感じた。けどほんの少しだけ光が見えるのが、せめてもの救いかな。

 自己責任・自業自得という言葉は、いつか口にした本人の首をも絞めることになるぞ。

今村夏子『とんこつQ&A』

 普通の人たちが普通に生きる姿を書いているはずなのに、どいつもこいつも、ほんとにちょっとしたはずみでズレていく。読みながら心がざわざわしてしかたがなかった。表題作と「嘘の道」が好き!

 全編通して、今村夏子……小説が上手い……。という当たり前の感想しか出てこん。というか特に短編小説が上手いのかな? ほんと、どの作品もあっという間に読み終えてしまった。

 ちなみにこの作品は「Netgalley」にて読了。こちらレビューを書くだけで、デジタル化されたゲラ・プルーフ本が無料で読めてしまうという神サービスです。本好きな人はぜひ1度チェックを!

阿呆トロ『怪病医ラムネ』1~5巻

 たまたま第1話を見かけて、その後が気になってしかたがなかったので一気読みした。“怪病”専門医のラムネと、その弟子クロがさまざまな患者を救っていく物語。キャラクターの価値観に若干古さを感じたり、救いようのない人間もあっさり救われてしまったり、細かいところで気になる部分はあったけど、ぜんぶ無視できるくらい面白かった!

 なによりキャラクター造形が魅力的で、5巻で終わってしまったのがほんとに残念。特に主人公のラムネ、いくらでも深掘りできそうな人間だっていうのに。なんで怪病医になったのかとか、一体過去に何があってあんな自己犠牲の人になってしまったのかとか、そもそも本名は何なのかとか。彼についてもっと知りたかったよ……。クロのエピソードだってまだまだ足らない! スピンオフでもなんでもいいから欲しい(強欲)。

 絵柄もどストライクだった。タレ目のラムネとツリ目のクロ、性格だけでなく見た目も好対照な師弟でいいなぁー。あと特に手というパーツに対して、作者の尋常ではないこだわりが感じられるところが超ぶっ刺さった。作者、間違いなく手フェチ。見てこれ。

 第1話は作者の公式Twitterで公開されているので、ぜひ1度読んで情緒をめちゃくちゃにされてほしい。


 8月はたくさん本を読もう……。積んでる本を崩したいけど新しく買いたいものもたくさん。1日200時間くらいくれ。

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