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5月に読んだ本まとめ
気付いたらもう6月……今年も残り半分とちょっと……怖すぎる。インプットばかりでアウトプットしないとどんどん忘れてくしもったいないので、これからは毎月読んだ本たちをまとめていこうと思う。一応読書ノートはつけてるけど、人に見せる前提ではないから雑然としてるしね……。
それではサクサクッといっちゃおう。
東畑開人『心はどこへ消えた?』
臨床心理学者の本。ふだんは小説や漫画といった物語を読むことが多いけど、たまにエッセイを読むと新鮮で面白い。人と人とが向き合う過程でどのように心の傷があらわれ、他者と交わることでいかに癒されていくのか。その実例がユーモアを交えて書かれていて、最初から最後まで興味深く読んだ。
大きすぎる物語は、私たちを「みんな」へと束ね上げる。そのとき、個人は群れの一員として扱われ、心を一つにするよう求められる。[中略]大きすぎる物語には有無を言わせないだけの説得力がある。だけど、そのとき、小さな物語たちが吹き飛ばされてしまったのもまた事実だ。
12ページ
上の部分を読んだとき、九段理江『Schoolgirl』の一節を連想するなどした。
太宰治。あの人も、みんなが信じているような大きい話を、あんまり好きじゃなかった人なんだと思う、たぶんね。小説家の頭の中には、そんなのよりもっと良い小説があったんじゃないかな。
78ページ
『Schoolgirl』、一緒に収録されてる「悪い音楽」も含めて大好きなんだなあ。また読み返そう。
ペク・オニュ『ユ・ウォン』
本来なら感じなくても良かったはずの罪悪感に人生を侵食されていた少女が、唯一無二の存在と出会って自分の生き方を取り戻していく話。さわやかだけど綺麗すぎなくて好きです。最後のほうで出てくる弟くんのセリフが印象的だな。
ヤマシタトモコ『違国日記』第9巻
誰のために何をしたって人の心も行動も決して動かせるものではないと思っておくといい[中略]
そうわかっていてなおすることが尊いんだとも思うよ
59、60ページ
上に挙げたのは本作の主人公のひとり・槙生のセリフなんですが。彼女の他人との向き合い方がすごくすごく好きなんだな。最新刊出るたび最初から読み返してるけど、何回読んだって泣く。
『メタモルフォーゼの縁側』第1、2巻
映画もうすぐですね。好きなものについて語りあえる相手ができるというのは、たまらなく嬉しいことだよなあ……としみじみしてしまう。続きはのんびり読んでいきたい。
金原ひとみ『蛇にピアス』
ずーっと気になってたのを今更読んだ! ほんと今更だな! 作品全体に漂うアングラな雰囲気と、主人公の無気力かと思いきや突然感情がうねり出すあの感じがくせになって、あっという間に引きずり込まれた。
芦沢央『火のないところに煙は』
フィクションをドキュメンタリー風に書いた「モキュメンタリー」形式のホラー小説。現実とフィクションの境界があいまいになってく感じが面白かった。ギャー! って感じじゃなくてじわじわくる怖さ……。
永井みみ『ミシンと金魚』
認知症の女性が語り手の小説。すごいものを読んでしまった……とただただ圧倒される。波瀾万丈だけど下手に書けば陳腐になりかねないストーリーを、独特の語り口で唯一無二の作品に仕上げてる。ぐんぐん読み進めてしまった。
山口つばさ『ブルーピリオド』第12巻
八雲が推しキャラなのでちょっと目立ってて嬉しかった。今後掘り下げられる気配もあったからハッピー。
第11巻の橋田と小枝ちゃんのエピソードでギャン泣きしたのでまた情緒狂わされるんじゃないかと心配してたけど、そのへんは大丈夫だった。それより八虎くんは大丈夫か? 心配だよ……と親のような目線になってしまう。
村田沙耶香『タダイマトビラ』(再読)
忘れもしない。自分の価値観を根底からガクガクと揺さぶられた、とはじめて実感したのは、この作品を読んだときだったな。「家族欲」っていうワードにピンときた人は、まあとにかく1度読んでほしい。
堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』第34巻
この巻のとある人物のエピソードがつらすぎてしばらくふさぎ込んだ。主人公との対比がしんどい。あんまりだよぉ……。
ツルリンゴスター『君の心に火がついて』
インスタでたまたま第1話を見かけて「これは!」って思ってずっと追ってきて、今回書籍化するというので速攻買った。絵もテーマも好き。宇垣美里による推薦文もぐっとくるよね。周りの声に負けて自分を見失いそうになったときに読みたい。
さいきんインディーゲームの魅力に気づいたのだけど、なにせゲームが下手くそなので時間をとられがち。でも楽しい。
6月もジャンル問わずいろいろな作品に出会いたいな! 本でも映画でもドラマでもゲームでも。……と書いてみて思い出した、さいきん映像作品観てない気がする。6月は観るぞ。
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