見出し画像

『たそがれたかこ』 全10巻 入江喜和

母もマンガ読みで、実家に帰るとキープしていたマンガを貸してくれる。今回出会ったのはこちら、『たそがれたかこ』。私は全く知らなかった。面白い。母やるなー!

たかこは45歳のバツイチ。母と二人暮らしでパートをしている。中学生の娘は別れた夫とその妻の家にいる。たかこは「わたしの周りの45歳はこんなにしょぼくれていないんだけど」と思うような覇気がないおばさんである。このたかこさんがあるきっかけで若いバンドのファンになる。たまたま出会ったイケてるおじさまの飲み屋に出入りするようになる。そこでこれまで会わなかったタイプの人たちと接するようになる。髪の毛を金髪に染めた娘が摂食障害になって母と暮らすアパートに転がり込んでくる。

バンドのCDを買うために秋葉原のタワーレコードに行ったり、それを懐かしのCDラジカセで聞いたり、歌詞カードをじっくり読み込んだり、彼のラジオ番組をカセットテープで録音して何度も聞いたりするたかこさん。これって昔の私がしたこと。今の時代ならサブスクで音楽を聴き、YouTubeでミュージックビデオを見ることだろう。バンドのボーカルがパーソナリティを務める深夜ラジオに、歌に、悶えたり、心を震えさせたりしながら、たかこさんはどんどん覚醒していく。

見た目も生き様も相当しょぼくれていたたかこさんは、最終巻で衝撃の展開を巻き起こす。最高にロック。私だったらあんなことはできない。この裏話は入江先生のインタビューで読むことができる。「このマンガがすごい」ランキングもこの結末でランクアップしたらしい。ぜひ『たそがれたかこ』を読んで、読後にインタビューを読んでほしい。

他の見どころは、たかこさんが娘に寄せる気持ち。思春期でうまくいかない娘を見守る様子は、同世代の子供を持つ母親ならさぞかしぐっとくることだろう。 私は子供がいないけれど、せつないなあと思った。

6巻には、たかこが憧れる「ナスティインコ」のモデルであり、作者の入江さんがファンだというクリープハイプ 尾崎世界観さんとのインタビューも。いやー、かっこいいマンガでした。 

339-348.『たそがれたかこ』 1-10 入江喜和
※10巻は電子書籍にて読了

【インタビュー】 『たそがれたかこ』入江喜和先生が、連載丸4年をふりかえる! 物語のラストに関わる重要なシーンとは? そして、尾崎世界観とのコラボ曲の制作秘話も!?

【インタビュー】 入江喜和 『たそがれたかこ』衝撃のアノ結末を語る! 「主人公はある意味自分」…主人公・たかこに背負わせたものとは?

2020年読んだ本(更新中)
2020年読んだマンガ(更新中)
2019年読んだ本:77冊
2019年読んだマンガ:86冊
2018年読んだ本:77冊
2018年読んだマンガ:158冊

#たそがれたかこ #入江喜和 #クリープハイプ #マンガ #読書 #本 #読書感想文

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?