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『清野とおるのデス散歩』 清野とおる

散歩ついでに街の古本屋を覗いた。「清野さんのマンガだっ!」と手に取って読み始めたら、案の定ニヤニヤする。本気を出せば立ち読みで全部読むことはできる。私はマンガ1冊を15分で読める女。「そういえばコロナ対策でお店に長居してはいけないのだった」と気がついてレジに持って行った。

『ウヒョッ!東京都北区赤羽』で赤羽のすごい人を観察する清野さんの、赤羽以外で出会うすごい人たちの話。鬼子母神の境内の木に向かってブツブツ何かを話し続ける老婆、原稿を書くために「缶詰」になりに行った四万温泉で出会った謎のジジイ、清野さんの知り合い7人が知っているにも関わらず、職業は全て異なる「シモヤナギさん」など、不思議な人たちに出会う清野さん。私も2年前くらいに鬼子母神に行ったけど、そんな老婆には出くわさなかった。「持っている」人なんだろう。余談だが、ある友人はやたら知らない人に声をかけられたり、ものをもらうそうだ。ある日、高円寺で「お腹すいたな」となんとなく呟いたら、向こうから自転車でやってきたおじさんに「パン買ってやる!」と言われて、パン屋さんでパンを買ってもらったらしい。リアルアンパンマンだと言っていた。

どんな街にも、私の街にも変わった人はいて、気になるけれど、話しかけることはできない。清野さんはそんな彼らに切り込んでくれる。街で眉を顰められている鬼子母神の老婆にも話しかける。さてどうなるでしょう?そんなエピソードが面白いのは彼の絵と描き方ならでは。外出が自粛され悶々としがちな昨今、いろいろなことがどうでもよくなり、楽しくなってくる素晴らしい一冊。

マンガ365.『清野とおるのデス散歩』 清野とおる

2020年読んだ本(更新中)
2020年読んだマンガ(更新中)
2019年読んだ本:77冊
2019年読んだマンガ:86冊
2018年読んだ本:77冊
2018年読んだマンガ:158冊

#デス散歩 #清野とおる #マンガ #読書 #本 #読書感想文

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