見出し画像

家具職人の職場で阿吽の呼吸がうまくいってない事に気づいた話

家具職人として基礎修業を経て仕事をした時
最初から最後まで一人で仕上げる体制だった。
私の場合、人に聞くのは御法度で
先輩に質問しようものなら管理カメラを見てる
事務所から社長が出て来て怒られるほど…

だから職場では誰にも頼らず失敗しながら
自力で覚えて質問は御法度の世界だった。
職人気質で頑固とか我流など言われる人達が
多い環境なのかもしれない。

ただ、私は1から全て1人で創る職人から
量産でチームとなり製造する経験もあり
この経験で、オーダー家具製作時代に
存在が邪魔だと先輩から言われたことが
理解できた気がする。流れを乱していたのだ。

1人でつくってはいるけど、職人が何人もいて
機械をシェアし合うわけなので、
周りの仕事を見てどの流れで機械を回し合うと
皆が手が止まらずに仕事できるかを暗黙で
考えていた中で、私だけが合間縫って必死に
待っていたつもりがただ割込していたかもと。

いわゆる阿吽の呼吸が合っていない。

阿吽の呼吸とは
『2人以上で何かをする際に
息が合っている様子』
を表すようで、
モノづくりの現場では作業効率に差が出る。

量産型の仕事をしていると特に感じる。
1日の予定表をクリアするために
パーツを加工する工程それぞれに担当がいて
時間内に全て終わるには自分の仕事は
何時までに次に流さないと間に合わないなど
頭に入っている人、自分の仕事だけを見る人、
様々な他人が合わさってモノづくりしている。

その中であの人が入ると急激に生産量が減る、
あの人が入ると劇的に生産量が上がる、など
売り上げを大きく変える現象が起きて
何がってことはないけど空気自体が変わり
疲労を感じさせない場合や疲労困憊になるなど

同じ生産をしているのに、たった1人が
阿吽の呼吸ではない場合、無意識のうちに
みんなの気持ちまで蝕んでいることがある。

私もこの人とはスムーズで楽しく仕事できる。
この人とは動きや、予想が全く逆で
ぶつかり合ってイライラが募る、という事あり
生産量も全然違うから満足度だけでなく
時間価値や利益率の増減で収入にも影響すると
何度も体感した。

量産だけに当てはめて考えていたけど
冒頭に書いたように
私は自分が早く仕事を覚えることに必死で
周りの空気を読んで遠慮をし
先輩に譲って後回しにしていたつもりが
横入りして阿吽の呼吸を乱して苛立たせていて
無言のルールや圧が理解できなかった。
ただ邪魔だし迷惑かけているとは理解し
一人になると泣いて心底病んでいた。

阿吽の呼吸は素晴らしいけど
指導や説明無しに阿吽の呼吸を求めて
出来ないと叱責して落ち込ませて排除するのは
ただ育成能力無しのポンコツ上司ではないかと
今なら思う(笑)

ん、いや…そうは言っても

阿吽の呼吸は大事、感性の問題でもあるから
指導や説明ではどうにも出来ないのもわかる。
自分が鈍臭かったのは認めるし邪魔してた。
私にも、何の打ち合わせや話し合いもなく
阿吽の呼吸がうまくいく仕事パートナーがいた
流れがスムーズで予定通りに大抵終わる。
意見が合わなくても尊重し合えるので
喧嘩も無いし相性みたいなものもあるのかな?

仕事の流れがあまりにも合わない人がいて
何度も何度も同じ繰り返しのストレスを抱き、
今になって製造に大事な阿吽の呼吸で
自分が周りに迷惑かける立場にいたこと、
恥ずかしながら気が付いた。

これは未熟だけでなく、なじめなかった。
挨拶だけで萎縮し同じ空間に入れなかった。
今でもあの日々のこと胸が苦しくなる。

その後、会話も動きも流れもスピードもあう
理想的な仕事をしていた時代があった。
だからこそまた別の環境で
他のズレが許せないのかもしれない

『少しのズレも許せないせこい人間』
になったのか?(意味違う)
B'zの曲が頭を巡る(笑)

ちなみに未経験の人と仕事しても
1日で馴染む相手もいる。多分阿吽の呼吸。

追記:
3年前にちょっと似た話を
ブログに書いてました。
この頃は阿吽の呼吸の気づきは
得てないようです(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?