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酔いどれには 酔いどれにしか分からない そんな恋もある 誰にも言えず 大袈裟な笑い声 そんな…
虚勢を張るには頃合いの 物の怪蠢く丑満に 夜の帳を破り捨て 月まで届く遠吠えを 返る木霊に…
秋の夜長に嵌められて 半袖シャツじゃ肌寒い 虫の響きも一入で 頃良く情緒を慰める このまま眠…
路傍に落ちた君の跡 時々見付けて爪を噛む 後悔するのも温もりが そこにあるから仕方ない 路…
夜半の風呂上がり 涼みに外に出る 流星群は雲の下 遠くの君は夢の中 灯す事もないランタン 頬…
別れはいつも ひとつだけ 櫛で梳かせば いくつかの 道筋見えたり するけれど 別れはやっぱり …
降ったり止んだり そんな時雨心地だから 傘はいらないわ そもそも必要だとしても 何処かに忘れたままだから 本当意味の無い考えだったわ 歳月を経れば その分だけ草臥れていくのは どうにも仕方のない事だけれど 何だかあたしって者まで 変わり果てて行くような 小さくなって 誰も知らない部屋に 閉じ込められてしまうような そんな不安の棘が いつの間にやら 親指の先っちょに刺さってしまって 初めは何てことない痛みだったのだけれど 今となっては あたしの心や思い出達よりも 大きな顔をして
眠気に連れ添う歌声は 忘れ去られた恋の音 それとも願いに暮れる音 何処からともなく現れて …
締め切った窓に沈み込む 暮らしを忘れた夕暮れに 草木や花が揺れるのは 終わらぬ孤独の戯れか …
溢れ出る 私に根差す 散乱に 立ち止まる 渡り廊下の 端っこで こんなにも 確かに在った 虫の…