シェア
北極ポールが傾いて 氷河を砕いた月の弦 風を運んで弾いたら 一夜一夜の調律に 翅脈は音叉と…
西陽がやけに突き刺さる 汗に滲んだ曼珠沙華 鉄板焼きのマンホール 車中で死んだ蠅の顔 モー…
昨夜は本に暑かった ぼろぼろ団扇も手放せず 殆ど裸で転げてた 今夜は途端に寒くって 虫もど…
コンビニで ストロー咥えて 雲眺め 顔を知りつつ 無言の馴染み それぞれの 暮らしの香りを 気…
網戸に張り付いて 身動きひとつしない ガガンボの二晩目 遥か南の遠洋には 目玉が左巻きで 人…
すいっちょすいっちょすいっちょん 雨雲滑ってすいっちょん 帰り支度ですいっちょん すいっち…
たくさん落ちた 汗の匂いも さんざん伸びた ヒメジオンも 今夜は少し 大人しくって 君と数えた 流れる星も 書かずに溜めた 絵日記帳も 同じくらいに 心に消えて 羽を震わす 些細な虫も 南にひとつの フォーマルハウトも 歌は届くと 見つめ合うから
今宵の雲には目玉がピカリ 夜空を股旅星から星へ 距離も時間も手の鳴る方へ 指折り束ねて爪の…
都会の土産の紙袋 小脇に抱えて木のベンチ 座った視線のその先に 思考回路は鳥の羽 もしくは舞…
