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行ったり来たりの季節風

昨夜は本に暑かった
ぼろぼろ団扇も手放せず
殆ど裸で転げてた

今夜は途端に寒くって
虫もどうやら焦りだし
やんややんやと鳴いている

彼岸はまだかと言いながら
狐が花火を打ち上げて
霧雨眺めて月を待つ

暦は数字と文字の列
相も変わらず淡々と
行ったり来たりの季節風

そろそろ自由に参りなせ
願いは私と共に在る
昨夜に長袖出しといて

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール