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99% の人は知らない二次障害の恐ろしさ

今週も始まりました!

6月も後半戦。

あと2週間で半年終了です。
無理なく、悔いなく、今週も進みたい。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今週の「お品書き」です🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.6.17~6.23)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒99% の人は知らない二次障害の恐ろしさ
【火曜日】
📓《人生③》今週の1冊 from library
📒お友達教師はだめ・・・ですかね・・・?
【水曜日】
📓わたしたちは「共感」を恐れている?
【木曜日】
📒note10カ月の振り返り
【金曜日】
📓サイコパスはポジティブワード!?
【土曜日】
📓《note論》何がどれだけ売れたかの公開
📒アニキの時代、到来。
【日曜日】
📒共同運営マガジン記事紹介

読みたい記事があれば、
是非、LIBRARYにお越しくださいね✨


「ADHDだから反抗的な態度をとる」
「ASDだから自傷に近い行動がある」

そんな声をきくと、

「本質は違うんだけどな」

と思うことがあります。

ADHDもASDも、
行動面で多動やこだわりがあれども、
性格は純粋で穏やかなのがスタンダードです。

怒りっぽくなってしまう。
つい口答えしてしまう。
教室から飛び出してしまう。

これらは全て二次障害なのです。

つまり本人の特性のせいではなく、
環境が本人を間違った方向に仕向けてしまっているということ。

近年、二次障害の研究も、
かなり進んできています。

この「二次障害」の解明は、
今までの社会の大きな「勘違い」を
ひっくり返す
可能性をもっている。

今日はそんな
二次障害のことについて記事にしていきます。

何か1つでも学びがある記事になれば、
幸いです。



二次障害の種類

さて、いきなり「勘違い」の核心部分に入ります。

これから書いていくことは、
あくまで分かってきている傾向であり、
全員に当てはまるわけではないので、
ご注意ください。

二次障害と言われる症状は、
どのようなものがあるのでしょうか。

以下に列挙してみます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【精神症状】
・双極性障害
・うつ病
・PTSD
・統合失調症
・愛着障害
・依存症
・強迫性障害
・母子分離不安
・発達性トラウマ障害
・パニック障害

【身体症状】
・睡眠障害
・過敏性腸症候群
・摂食障害
・自律神経失調症
・機能性ディスペプシア

【行為】
・非行
・暴言/暴力
・自傷行為
・ひきこもり
・不登校

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひきこもりの原因は、
人間関係で傷ついたこと、
うまく社会に馴染めなかったことなどが
あげられます。

しかし、
ひきこもりは二次障害なのです。

つまり、彼ら彼女らは、
何らかの発達凸凹の特性があり、
それに気づかれずに、
環境に何も配慮されなかった結果、
ひきこもりになった可能性が高い
ということ。

非行/暴力行為などもそうであるということは、
成人になってから犯罪行為をする人は、
発達凸凹の特性が
根本原因になっている可能性が高い
ということです。

つまり、
社会問題とされるもののかなりの部分は、
発達凸凹の特性に
子どもの頃から適切な配慮がなされなかったことで生じている問題の可能性が高い

現に、
少年院にいる子どもの
6割はLDということが
分かっている調査があります。

社会をよくしていくには、
発達凸凹の早期支援が根幹問題であることが
少しずつ解明されてきているのです。

突然ですが、あなたは、
いきなり明日からラグビー部に入り、
タックルやスクラムの練習を、
1日6~7時間やれと言われたら
どう思うでしょうか。

無理と言っても、
強制的に参加させられます。
男女問わず。

そんな空間にいれば、
何かしらのストレスが
精神や身体に現れて当然。

ADHDを長時間じっと座らせる。
ASDを集団に無理やり当てはめる。
LDに配慮なく勉強を教える。

これらは全て
ラグビー部と同じことをしている。

そんな風に考えると、
特性をもつ人々がどれだけの負荷を抱えながら
生きているのかが見えてきます。


ACE(エース)

今までは、
虐待か、虐待ではないかという、
2択しか存在しませんでした。

しかし
発達凸凹も黒に近いグレーから
白に近いグレーまであるように、

虐待のレベルや、
愛着障害にもスペクトラムがある。
(グレーの濃淡)

それを数値化しようと
ACE(エース)という取り組みが、
広がり始めています。

以下の10個の質問に、
いくつ当てはまるかによって、
虐待レベルのグレーの濃淡を測るのです。

https://retaction-ryukoku.com/1957

この調査がアメリカで行われた結果、
かなり衝撃的なことが分かりました。

アメリカの富裕層の中で
スコアが1以上だった家庭が4割

貧困層は7割にも上ったのです。

つまり、半数近く、
2つに1つの家庭に虐待
の行動があるということです。

ちなみに、
ASDの子どもの3分の2以上は、
スコアが2以上。

5分の1がスコア4以上です。

虐待がある家庭が責められるというより、
社会の半分は虐待家庭であるという
事実を受け止める必要があります。

虐待は一部の家庭のみの問題ではなく、
全ての家庭の問題なのです。

一部だけ悪いとかではなく、
本当に全員で考えていかねばらならない問題です。

それだけ、不適切な教育が
今までの歴史で行われてきた結果、

犯罪行為に走ってしまう人が生まれ、
精神のバランスを崩してしまう人が生まれている。

この調査はアメリカなので、
日本はどうかは分かりませんが。

教育の全体像が解明されてきている今、
根本からの社会構造の大改革が必要だと、
気付き始める人が出てきています。


愛着の歪みへの支援

愛着形成や愛着障害については、
以前も記事にしてまとめました。

愛着の問題で最も大切なのは、
安全基地の形成です。

それがなければ、安定するための軸ができず、
いつまで経っても感情の不安定さが定まりません。

目の前の子どもに愛着の歪みが見られる場合、
レベルに応じた愛着形成行為をやり直すという、
愛着の育て直しが必要になります。

愛着のどの段階に歪みがあると、
どのような症状になるかをまとめます。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶「他者への気付き」レベル 生後~1歳3ヶ月

【症状】
・指示をきかない
・これいい?と大人を見もしない
【必要なこと】
・大人の言うことを聞くといいことがある体験

❷「自我の芽生え」レベル 1歳3ヶ月~

【症状】
・人のものを盗ってしまう
・所有の概念やルールが分からない
【必要なこと】
・安全基地の人が良い/悪い行動を教える
・代替え行動を教える
・尊敬を集める人が教える

❸「良し悪しが分かり始める」レベル 2歳頃
【症状】
・善悪の判断ができない
・平気で悪いことをやってしまう
【必要なこと】
・ダメなものはダメと教える
・損得で教える(ASDの場合)
・尊敬を得る/子どもより無茶な大人になる

❹「他者と折り合える」レベル 3歳頃~
【症状】
・人と意見のバランスを保てない
・自分の意見を押し通す
【必要なこと】
・より強い立場の子どもと活動させる

❺「ルールを守れる」レベル 4歳頃~
【症状】
・ルールを破る
・ルールを気にしない
【必要なこと】
・ルールを守るといいこと/成長を教える

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

色々考えると分かりづらくなりますが、
要するに、

「この人は非常に尊敬できる」

という人がいちから教え直すと、
解決をしていくという形が
最も分かりやすいです。

愛着に歪みをもちながらも、
野球が好きな少年に、
大谷翔平が現れて、

「それは人を傷つけるからやめた方がいい」

と言えば、
一気に上書きされます。

そして何か問題が起きる度に、

「それは人の気持ちを傷つける。悲しくさせることなんだ」

大谷翔平が一貫して教えれば、
その子は安定していくようになる
のです。

大谷翔平とまではいかずとも、
学校の中に1人や2人は、
子どもたちから尊敬される先生が存在するものです。

もしくは、周囲の大人でもいい。

そういった人たちが、
一貫して安全基地の存在を発揮していけば
徐々に安定していきます。

ただ、
家庭でその愛着の歪みが生じているならば、
家庭への支援が重要でしょう。

どのような支援が注目されているのかを見てみます。


家庭支援

近年になってようやく、
発達凸凹をもつ子どもが、
二次障害を生じてしまった場合に、
どのような変遷を経ていくのかが分かってきました。

ADHDの一例を記載します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

⓵ ADHD →
⓶ 反抗挑戦性障害(ODD)→
⓷ 素行障害(CD)→
⓸反社会性パーソナリティ障害

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ADHDの特性と環境がマッチせず、
多くの叱られたり否定されたりする経験を経て、
反抗挑戦性障害になります。

人に対してすぐに反抗したり、
口答えするようになるのです。

そうなると、
さらに負のスパイラルが生じていき、
素行障害、つまり、未成年の犯罪行為をする
状態になります。

万引きの常習犯のような感じです。

それが後々成人になって、
反社会性パーソナリティ障害になり、
虐待や犯罪行為に手を染めてしまうといった感じです。

パーソナリティ障害に関しては、
以下の記事をご覧ください。

ADHD×家庭支援で、
近年注目を集めたものを含めた
レベルごとに分けた支援方法は以下。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶環境調整
❷診断告知
❸ペアレントトレーニング
❹薬物治療

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

兎にも角にもまずは環境調整
これは様々ADHDに関する記事に
書いてありますので、
そちらをご覧いただければと思います。

診断告知は、「支援」の1つです。

診断名を知った人は、
不適応行動が激減することが、
数々の調査から分かっています。

診断名がつくことで、
周囲が配慮してくれるようになるという理由が1つ。

もう1つは、
自分の症状の自己理解が進むので、
メタ認知してコントロールするようになるという理由です。

二次障害になる可能性を減少させてくれます。

ペアレントトレーニングは、
近年欧米ガイドラインで、
エビデンスが高いとされている方法。

1番の効果はADHD児の親御さんの
ストレスが減る
ということです。

またペアレントトレーニングの当事者会などで、
同じ境遇の親御さん同士が交流をするのもいい。

最もストレスを下げるのは
同じ境遇の親子さんとの雑談
であることも
分かっています。

noteはそういう性質がありますよね!

ただ、日本はまだ
ペアレントトレーニングが
広まり切っていない現実があります・・・

最後は薬物治療

これは以下の記事をご覧いただければと思います。

他にも海外では、
サマー・トリートメント・プログラムといって、
夏休みなどで2週間ほど、
特性のある子どもたちで共同生活を送り、
様々な社会性のスキルを専門的に教えてもらうものも存在します。

日本にも広がっていくといいですね。


まとめ

現在、
神経発達症(発達障害)や、
虐待と二次障害、
精神疾患、
犯罪行為などの関連性が、
明らかにされてきた。

「準備が整い始めてきた段階」

にようやく入ったと言える気がします。

いよいよここから実行していく段階
入るかもしれません。

そして社会に浸透し、
制度が真の意味で整っていくには、
あと数十年は必要な気はしています。

現在進行形で困っている人を
できる形で支援しながら、
この業界の開発/研究がより進んでいく
時勢になればよいなと感じています。


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「コメント」も残してくださると有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!


明日の記事は、

📒お友達教師はだめ・・・ですかね・・・?

です。

お友達教師になってしまったら失敗する。
そんなことを若い時によく聞きました。
真相はどうなのか!?

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


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