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コントロールできればADHD脳は武器になる!効果的な支援法

いよいよ令和5年度の最期の週が終わります!

明日からは、
令和6年度開幕。

ワクワクする気持ちを抱きながらも、
毎日、心に決めたことを、
淡々と行っていきます。

心を熱くしながら。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


先日、
ADHDの特性について、

「一歩突っ込んだ」

解説をしました。

ADHDの三大症状と言われる、

不注意
多動性
衝動性

は、何が原因となって生じるのか。

その2つの大きなモデルとなるのが、

実行機能障害
報酬機能障害

と説明。

加えて、
ぼーっとしている脳と、
集中している脳との、
切り替えに困難を抱えていることも、
解説した。

前回の記事では、
症状や特性の解説のみに留めました。

今回はその支援や対策といった観点で、
まとめさせてもらいます。

原理原則をつかんだ上での解説になるので、1つ1つの支援の必要性に、納得感が生まれるのではないかと思っています。

ご自身のニーズに合わせて、
読んでいただければ幸いです。



実行機能障害への支援・対策

実行機能障害の困り感は、

自己抑制の弱さ
ワーキングメモリの低さ

から生じます。

自分の行動、感情、計画性、優先順位の判断、
そういった

「思考する力」
「自制する力」

を担うのが前頭葉や実行機能。

そのような部分を支援・対策するには、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶エラー前提の環境調整
❷ノルアドレナリン

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

という2つの視点を必要とします。


❶エラー前提の環境調整

ワーキングメモリの、
記憶保持量自体を底上げできるかの実証性は、
是非があります。

筆者自身は、年間を通した支援で、
ワーキングメモリが底上げできた実感があるので、
上がると思っていますが、時間がかかる。

よって、
エラーを前提とした環境調整を行います。

例えば、遅刻。

筆者は遠方の研修やセミナーに行く時も、
大抵の場合は、
前もって確認するということを行いません。

そういった優先順位の判断ができない。

よって、当日の朝に確認をして、

「やばっ!!時間間違えてた!!間に合うか!?」

という事態が生じます。

ただ、そういったギリギリの状況でも、
9割程度は間に合ってしまうので、
長年培ったADHDの嗅覚で、
危険度を察知しているのは、
我ながらすごい感覚だなと思います笑

ただ、これはある種リスキー。

よって、筆者は、
どこの場所だろうと、
始発の電車や新幹線に乗って、
会場近くの喫茶店で仕事をして、
直前に会場入りする
ことを習慣化していました。

これが環境調整です。

他にも、
持ち物の場所が分からなくなる問題もありますが、
それは、片付ける習慣が必要。
有効だった片付け方法は過去記事にも記載しています。

逆に、
持ち物をもって行き忘れる問題もあります。

よって、
筆者のかばんには常に、
パソコン、筆記用具、手帳、ノート、
使用予定の本が4~5冊入っており、
パンパンの状態です。

とりあえず、
必要そうなものを全て入れてしまう

つまり、
万が一があっても大丈夫な状態にしてしまう。
エラーがあっても問題ない環境をつくってしまう。

子どもであれば、
学校に教科書等の置き勉をさせてもらったり、
ランドセルに主要教科は常に入れて置いたりしておくのもいいでしょう。


❷ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは、
緊張感を生み出したり、
集中力を生み出すホルモン。

それが不足しているのですから、
自らを緊張させるというのも1つ手となります。

例えば、
カフェに行って作業をするということ。

人目があるので、
ダラダラしたり、
思い付きで違うことを始めたりということになりにくい。

適度な緊張感を保って、
集中を維持できることができます。

自分で時間制限を設けることも有効です。

だからこそ、筆者は、
1日にたくさんのタスクを詰め込んでしまう。

〇時〇分までにならなきゃと思うと、
ノルアドレナリンが分泌されます。

10のうち7は、
その日の内に最優先でやりたいとしておき、
結果的に8、9までしか終わらなくても、
支障はないように設計します。

学校であれば、
座席を前方にしてしまう。

すると、
教師との距離感が近いので、
緊張感が生まれやすい
です。

集中が途切れそうなときも、
教師が身体を近づけて、
無言でポンと肩に手をおくだけで、
ノルアドレナリンが分泌されて、
集中力が高い状態に戻ってくることができます。


報酬機能障害への支援・対策

報酬機能障害への支援・対策は、
ドーパミンを如何にコントロールするかに尽きます。

ドーパミンが供給されれば、
脳の覚醒が一定レベルに維持され、
やる気をもって何事にも意欲的に取り組むことができる。

この方法は様々。
例えば以下のような方法が考えられるでしょう。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶褒める
❷身体を動かす
❸ながら作業をする
❹ご褒美
❺目的/目標をもつ
❻探究する

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

シンプルに解説していきますね。


❶褒める

ADHDの原則は褒めるです。

褒められることでドーパミンが分泌され、
やる気が促進されます。

叱られてもドーパミンは分泌されませんし、
逃避感情が強くなってしまう。

よって、基本は褒める。

ちなみに、認めるもいいのですが、
認めるはどちらかというと安心・受容という面が強い。

褒める → ドーパミン
認める → セロトニン

だと考えているので、
ADHDには褒めるを使っていくことは大切でしょう。


❷身体を動かす

運動をするとドーパミンは分泌されます。

よって、
勉強や何かの作業をしている時も、
身体のどこかを動かしていると、
ドーパミンが分泌されます。

筆者は、
足を小刻みに動かすことが多い。
(俗に言う貧乏ゆすりです笑)

ただ、真面目に、
この貧乏ゆすりというネーミングはマイナス要素が強いので、改名をした方がよいのではとも思います。

(ドーパミンペダルかなんかで笑)

すると、
足を揺すってドーパミンを供給することを、
許容できる社会にもなっていくでしょう。

他にも、
バランスボールに座って作業をしたり、
立って作業できるデスクを使用したり、
手に何かを握ってぐにぐにやりながら、
もう片方の手で作業したり、
といったことで脳の覚醒を維持できます。


❸ながら作業をする

ながら作業はドーパミンが分泌されます。

よって、
音楽を聴きながら勉強する。

パソコンをいじりながら、
会議に参加
してよいことにする。

などなど、
複数のことをやっていた方が、
話の内容に注目できる場合は、
それを支援策として講じるのはもちろんアリだと思います。


❹ご褒美

ご褒美はドーパミンがドバドバ出ますね笑

ご褒美は、
長期スパンで大きなご褒美を用意するのと、
短いスパンで小さいご褒美を用意する、
2つをダブルコンボで使うといいでしょう。

たまに、

「ご褒美がなくては動けない人間に育ったらどうなるのか」

という意見がありますが、
そうなっても構わないと思います。

なぜなら、
社会に生きている人間は、
一人残らずご褒美がないと動かないからです。

もし、給料がもらえずに、
ただ働きを週40時間してくれと言われたら、
誰もやらないと思います。

社会貢献をしている人も、
人からの感謝というご褒美があるから行動しているんです。

ご褒美がいらないという人は、
おそらく、人と関わらないで、
山の中で1人こもっている生活になるはずです。

ちなみに、
ご褒美に飽きるという現象も生じます。

よってご褒美のポイントは2つ。

1つ目は、
食べ物、お金という、
人間の欲求の根源に近いものをご褒美とすること。

2つ目は、
子どもであれば、
その子どもの本当に好きなものをご褒美にすること。

ポケモンが好きであれば、
ポケモングッズにしてもよいのです。


❺目的/目標をもつ

人間は自分がやっていることの、
大義名分や意味を見出すとやる気が出ます。

また、目標をもち、達成することで、
ワクワクする結果を得られることも、
ドーパミンが分泌されます。

筆者は、目的/目標がなければ、
本当に廃人人間になってしまうので、

「常に誰かの役に立ちたい」

と目的を探します。

そうやって、何かに向かって前進したり、
誰かに対して貢献している感覚になると、
ドーパミンが分泌されて、
脳の覚醒が維持され、
幸福感に満たされるのです。


❻探究する

知的好奇心を発動させ、
自ら探究する方が、
ドーパミンが分泌します。

人から一方的に教えてもらう情報は、
よっぽど面白い情報や話でなければ、
脳の覚醒は上がりません。

よって、
ADHDタイプの人には、
全てを教えずに、
探究させる
ということも、
1つの手段となるでしょう。


サリエンス・ネットワーク支援・対策

サリエンス・ネットワークとは、

ぼーっとしている脳と、
(デフォルトモードネットワーク)

集中している脳を、
(エグゼクティブモードネットワーク)

切り替えるネットワークのことです。

この切り替える速度を上げる方法は、
主に2つあります。

それが、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶メタ認知
❷マインドフルネス

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

です。


❶メタ認知

メタ認知を促すには、
その人の状態を外から描写し、
自己認知させてあげることが大切です。

「自分で止められないんだよね。止められないなら~にしてみよっか」

「なぜかちこくしちゃうんだよね。不思議だよね。ちこくしたら、~と言えばいいか」

と言った具合に、

受容をし、

その子どもの特徴を描写し、

行動をさりげなく提案する。

それを繰り返していくと、

「また遅刻だよ~、まいっか。〇〇すれば」

みたいな形で、
切り替えが上手に、速くなっていきます

これを子どもの頃から行うと、
メタ認知能力が上がると言われています。


❷マインドフルネス

マインドフルネスは、

静的マインドフルネスと、
動的マインドフルネスがあるのですが、

筆者も含め、
ADHDの人は、
静的マインドフルネスが苦手な人が多いです。

静的というのは、
座禅や瞑想といったもの。

じっとしていることがそもそも苦手なので、
途中でしんどくなってしまう。

その代わり、
動的マインドフルネスはマッチしています

散歩をする。
視写をする。

などなど、
考えなくてもできることを行っていると、
デフォルトモードネットワークの状態になりやすいと言われています。

すると、
頭の中が静かになる

よく頭の中がモヤモヤすると、
紙に書き出してみるのがよいと言われますが、
これはデフォルトモードネットワークの状態になるからです。

単調な作業をする、
視写をする、
運動をする、
といったことを年間を通して続けていくと、
1年後には子どものADHD症状が少なくなっている事例が多々見つかっています。

筆者は、この脳の仕組みを知る前から、
視写をすることが非常に多かった。

何をすれば脳が喜ぶのかを、
ADHDの本能が分かっていたのでしょう。


まとめ

様々まとめさせてもらいましたが、
基本的に、

ノルアドレナリン(緊張)
ドーパミン(楽しい・興奮)

という2つの栄養を脳に与えれば
ADHD脳は喜んで覚醒するということです。

そして、
メタ認知や、
マインドフルネスを行っていけば、
切り替え能力が上がり、
頭の中のノイズが少なくなります

ご自身がADHD症状を持っている方や、
お子さんが症状を持っている方、
周囲にその特徴がある人がいる方は、

こういった捉え方をもって、
対策を講じたり、
観察してみたりしてください。

こういった知識や配慮が当たり前になる社会が、
10年後には到来すると、
筆者は確信にも似た予想をしています。

また、

「ADHD×ASD支援を組み込んだ授業」

という形で、
如何に両者の特性をもつ子どもたちへ、
ユニバーサルデザインの授業を設計していくのかを記事にしていきますので、よろしければそちらもご覧ください。


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