見出し画像

なんぞや?〝土佐のおきゃく〟に行ってみた!

こんにちは。元高知支局員の野島奈古(のじま・なこ)です。

5月から札幌に異動となりましたが、転勤前の3月上旬、9日間にわたり、お酒と宴会を存分に楽しめる高知らしいイベントが開催され、私も計3日間、参加してきました。

路上にこたつが!外はまだ明るいです。

アーケードに並ぶこたつたち・・・。
これは一体???


※過度な飲酒を推奨する目的はありません。お酒は年齢制限などを守り、節度を守り楽しみましょう。

その名も「土佐のおきゃく」

「おきゃく」とは土佐弁で「宴会」を意味し、みんなで集い酒を飲み交わす高知の文化の1つ。

「土佐のおきゃく」では、街を宴会場に見立てて、公園にテーブルや大座敷を設置、アーケードのど真ん中にこたつも登場します。

昨年は取材する立場でした。
参加している方に話を聞いている時、「お姉ちゃんも呑みや!!」とコップに注がれた日本酒を渡されながらも「すいません…仕事中なので…」と申し訳ないと思いながら、断ったことをよく覚えています。
昼間から赤ら顔で杯を交わす人たちの姿を見て「これが高知か!!すごい」と衝撃を受けました。

今年は私も一県民として、このイベントを絶対楽しみたい!と心に決めていました。

周辺には高知県ならではのグルメやお酒の屋台がずらり。高知県出身のフィギュアイラストレーター、デハラユキノリさんがデザインした「べろべろの神様」にお祈りをし、いざ参戦!!

土佐の「おきゃく」2024公式HPより。酒飲みの心得です。

さらに知りたい方!公式HPはこちらです↓

ちなみに高知には、お酒にまつわる遊びも

◎「菊の花」
おちょこの中に菊の花を1つだけ隠し、曲に合わせて順番にめくっていきます。花が当たった人は、空いたおちょこ分のお酒を飲まなければなりません。

◎「べく杯」
イラストなどが描かれたさいころを振って出た目と同じ杯で飲みます。ただ、この杯には仕掛けが施されているのです。穴が空いているものや、机に置けないようなデザインになっており、飲み干さなければなりません。

はりまやの大おきゃく

今回は数あるイベントのうちの一つ、はりまや町商店街に設置されたこたつで、食と酒を楽しむ「はりまやの大おきゃく」に参加しました。
事前予約制のため、気を抜いているとすぐ枠が埋まってしまいます。予約開始日をしっかり確認し、争奪戦で見事座席を確保することができました。
時間は1時間40分です。他社の同期ら5人で参加しました。

アーケードに沿って畳が敷かれ、こたつが並べられています。
各座席の真ん中には七輪が。
受付を済ませ、さっそく肉セットやおつまみ、お酒を購入。
頬にはひんやりとした風があたり少し肌寒かったですが、こたつに入りお酒を片手に、七輪で焼いたお肉を食べていると次第に体が温まってきました。中央ステージにいる運営の「乾杯!」というかけ声のもと、隣の座席の人たちとも乾杯し、宴が始まりました。

肉を焼きます。たっぷりと。

ボルテージも上がってきたところで、よさこい踊りの披露がスタートしました。23年のよさこい祭りで賞を取った強豪チームが続々と登場。
踊りを目の前で楽しむことができます。

強豪ということもあって迫力満点、見とれてしまいました。
「とーさの城下へ来てみいやー」と曲に合わせ、手拍子をしながら楽しみ、テンションは最高潮に。
愛媛県から来たという女性も「めっちゃ最高ですね!!」と満足げな表情でした。

「おきゃく」という文化を知ったのは、高知に住み始めてからです。知らない人たち同士であっても、気づけば杯を交わしながら、熱く語り合っているー。素晴らしいイベントだと思いました。

スマホの画面で文字も打ち込みやりとりするのではなく、こうして対面で語り合える機会の大切さを改めて実感しました。

屋台も

中央公園には高知グルメやクラフトビール、日本酒を販売する屋台もたくさんあります。私が屋台で楽しんだ食事とお酒をちょこっとご紹介します。

◎「室戸の春ブリ」
 3月に「室戸春ぶり宣言」が発出され、7㌔以上の脂がのったブリが「室戸の春ブリ」として販売されています。この時期は特に脂がのっているといい、口の中に入れると、あっという間にとろけてしまいました。

◎「仁淀ブルー」
司牡丹酒造が販売する日本酒。高知県を流れる仁淀川は、「日本一きれいな川」として知られています。仕込み水にこの川の水を使用しており、すっきりとした辛口で、ついつい飲み過ぎてしまうほどでした。

司牡丹酒造「仁淀ブルー」

最後に

高知にはまだまだお酒にまつわるイベントがあります。

毎年4月下旬には、高知県香南市の赤岡海浜で「どろめ祭り」が開催されます。「どろめ」はイワシの稚魚で春が旬。

この祭りのメインイベントが「大杯飲み干し大会」です。
大杯に注がれた日本酒を、男性は1升、女性は5合を一気に飲み干し、そのタイムや、飲みっぷりを競います。
参加者は医師による健康診断を受けたうえで参加。
脇には救急車も待機しています。観客も気付けば夢中に。

ぜひお越しください。

今年の「どろめ祭り」の様子です。
盛り上がりました!

野島奈古(のじま・なこ)
1999年生まれ、兵庫県出身。2022年入社。高知支局を経て、5月から札幌支社編集部で司法を担当。好きなお酒は梅酒の水割りです。

この記事が参加している募集