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就活おすすめnote

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共同通信の採用担当がピックアップしたおすすめ記事です。若手記者による取材note、コンテンツ制作の裏側。就活生向けイベントレポートも。職員のリアルをお届けします!
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#共同通信

阪神大震災から28年、当時を知らない若者たちが“誰か”の体験を伝える意味

「どうして私のことを取材しようと思ったのですか?」 昨年11月、阪神大震災を語り継ぐ人々にお話を聞く中で出会った米山未来さん(28)は、取材者である私にそう尋ねました。 あの大災害の発生から28年。当時の状況を直接知る世代も高齢者が増え、記憶や教訓の継承と風化の防止が年々大きな課題になっています。 神戸支局で阪神大震災の取材を担当している私は、今年の取材テーマを「震災を経験していない世代の継承活動」に決め、こういう記事を書きました。 記事でも紹介した米山さんは、被災当

「ずっと一人で生きてきた」元受刑者が学生たちと交流する理由

こんにちは、高松支局の広川隆秀です。 僕は今年1月に、香川大学の学生団体が手がける刑務所出所者との交流事業について取材し、以下のような記事を書きました。 この団体の名称は「さぬき再犯防止プロジェクト」。英語名の Prevent Re-Offense Sanuki の頭文字を取って、PROS(プロス)と呼ばれています。再犯防止を目的に刑務所を出所した人たちの居場所づくりを支援するという、学生の取り組みとしては全国的にもかなり珍しい団体です。 皆さんは「再犯防止」や「加害者

ニュースを視覚的に伝えるグラフィック記者の仕事とは

グラフィック記者とはこんにちは。23年入社のグラフィック記者、土屋さくらです。今回は共同通信グラフィック記者の仕事をご紹介したいと思います。グラフィック記者は、ニュースを視覚的に伝えるグラフィックスを作成する仕事をしています。具体的には、政治部や社会部などの出稿部から依頼を受け、デザインソフトを使用し、記事に用いる地図やグラフ、図解やイラスト、新聞紙面全幅にわたる大型のインフォグラフィックなど、さまざまなグラフィックスをデザインします。といっても、入社してすぐに「はい、じゃあ

国を動かしたのは「報道の影響力」? 受刑者のマイナンバーカード、法務省が取得支援に転じるまで

こんにちは。高松支局の広川隆秀です。 2023年10月末、法務省が受刑者のマイナンバーカード申請・取得に関し、「便宜を図る必要はない」としていた方針を改め、必要な支援を認める通知を全国の刑務所に出しました。 受刑者とマイナンバーカード。 このテーマ、僕の個人的な興味から長らく取材してきたものでした。 そのため、今回の方針転換は受刑者が社会復帰する際の一助につながるのではないかと期待しています。 「なぜ法務省は方針を一転させたのか?」 「どうしてこの時期だったのか?」

「少年事件は実名or匿名?」「実名報道が社会的制裁になってませんか?」、大学生が大阪社会部長や記者に直球質問!

11月上旬のある日、共同通信大阪社会部をたずねてくださったのは、 京都産業大学法学部で犯罪加害者支援や少年法を学ぶ2人の大学生と指導教授の服部達也先生でした。 4回生の中村彩乃さんは「実名報道及びネット上の風説についての考察」を、同じく4回生の青木穂乃香さんは「加害者家族の支援について」をテーマに卒業論文を執筆中。 司法や事件取材の現場を知る記者たちに直接話を聞きたいと、やって来てくれました。            撮影:大里直也(大阪写真部)、報告:石原知佳(大阪社会

キョードー(共同通信)さんがやってきた!? 通信社と地方紙との深くて複雑な関係

突然の連絡でした。共同通信大阪支社のOさんから「うっとこ兵庫」メンバーへの電話です。「うっとこ」の執筆態勢について聞きたい、という依頼でした。noteに「共同通信・大阪社会部」のアカウントを見つけ、仲間が増えたと喜んでいたところです。こちらが隠すものは便宜上「本名」ぐらいのため二つ返事でお受けしました。12月某日、一眼レフカメラを手に2人が来社されました。今回はコラボ企画として通信社(共同通信社)と地方紙(神戸新聞社)との関係を、播州人3号が紹介します。 「キョードーさん」

「読者の声知りたい」noteで得た手応え

こんにちは。共同通信大阪支社です。記事を書いている私は大阪社会部の野澤拓矢と申します。 大阪支社noteは今年9月で開始から1年。近畿・中国・四国の若手記者が書き手となり、40本以上の記事をお届けすることができました。読んでくださっている方々からのスキやご感想が記者1人1人のモチベーションとなっています。本当にありがとうございます。 今回はこの1年のnoteを振り返りつつ、今後の展望もお話しできればと思います。 ■ どうして共同通信がnoteを…?「共同通信って何をして

五輪に同行、AIを使ったシステム開発 報道を引っ張る超アクティブなエンジニアの仕事って?

共同通信では今夏、東京と大阪の2箇所でエンジニア職の長期インターンを実施しました。参加してくれた学生の方々を中心に、AIを使った記事検索や記事作成のシステムを開発するという大きな成果となって実を結びました。 今回は番外編として、インターンのメンターを務めた2人の現役エンジニアのインタビューをお届けします。普段の業務内容からやりがいまで、報道を引っ張る舞台裏をご覧ください。 ▽インターンの成果を正式リリース-インターンは大成功でした。編集部からも実用化を望む声があがっていま

「教育理念は残したい」来春廃止の少年院で教官に聞きました-松山学園座談会【後編】

非行少年の中には、過去の経験から大人に対する不信感を強く持つ人も多くいます。一番身近な存在であるはずの親や家族から虐待を受けた人、学校でのイジメを経験した人、信頼していた大人から裏切られた人。 非行の背景をつぶさにみていくと、一人一人に汲むべき事情があるのも事実です。 そのような少年らにとって、少年院の教官が初めて自分を受け入れてくれた大人だったというケースも少なくありません。 法務教官はどのような思いで施設に入ってきた少年と接しているのでしょうか。教官になった経緯から、

「暗くて怖い?」密着して見えてきた少年院の温かさ-松山学園座談会(前編)

少年の更生を目的として全国に設置されている少年院は、近年廃止が相次いでいます。法務省によると、2017年末時点で52あった施設は毎年減り、2023年度は44。主な背景に人口に占める少年の比率が下がり、少年事件も減少している状況があります。 共同通信が47リポーターズで取り上げた松山学園も廃止が決まった少年院の1つ。11月9日には閉庁式も開かれました。普段なかなか入ることのできない少年院を取材し、記者は何を思ったのでしょうか。 また、松山学園は設置から今年で70年。多くの少

杭州アジア大会 報道の舞台裏をリポートします!

書いているのは 総合事務職員として2017年に入社しました。財務や採用を経験し、いまは職員の労働時間などを管理する労務を担当しています。法律の知識はもちろん、社内の多様な部署の働き方を知ることが必要です。大学の研究室は中国文学でした。うろ覚えの中国語を果たして生かせるでしょうか…! 杭州へ到着 浙江省杭州市は、上海の南西に位置する水の都。大会のエンブレムや競技のピクトグラムも、潮がモチーフです。タラップを下りると、湿り気を帯びた空気が流れ込んできました。 迷子になっ

【エンジニア長期インターン2023 in 大阪】OpenAIとElasticSearchを用いた記者の取材を助ける検索システム

自己紹介落合大輔 名古屋大学大学院 情報学研究科 M1 大学での研究テーマ:高齢者におけるICTの利活用と健康増進 趣味:散歩・カフェ 応募動機:採用のnoteを見て興味を持ち、メディアという情報が集まる場所なら情報を扱って何か新しいことができるのではないかと思いました。 佐藤正和 所属:神戸大学大学院 システム情報学研究科 M1 大学での研究テーマ:機械学習を用いた分子の匂い予測 応募動機:日々いろいろな情報が飛び交うこの社会において、どのようなフローで情報が発信されて

【エンジニア長期インターン2023 in 東京】AI記事生成システムの開発

まずはじめにインターンの成果物が自身で生成した自己紹介をお読みください。↓↓ ▽ 作成したAI記事生成システムで生成した記事風紹介 記事生成システム「くら〜けん」   学生が開発、自然言語処理で箇条書きを記事に  共同通信本社で開催されたエンジニアのインターンシップで、自然言語処理を専攻する学生たちが記事生成システム「くら〜けん」を開発した。自然言語処理は、人間の言語をコンピュータに理解・生成させる技術で、近年のAI技術の進展とともに注目を集めている。  「くら〜けん」

ストリップに心奪われた記者が抱き続けた初期衝動、観客からフォトアーティストになった軌跡とは

最初は、いつものサブカル趣味かと思った。 写真記者の松田優とは、2020年にとある記者会見場で初めて顔を合わせた。日本大学の映画学科卒と聞いて、大阪のミニシアターについて軽く話を交わした。レトロな純喫茶とラブホテルを巡るのが趣味だとも言い、トレードマークのボブヘアーが示すとおりのサブカル人、という印象を持った。 後日、再び取材現場で会ったときに「ストリップ劇場って行ったことあります?こないだ初めて行ってから、ハマっちゃったんすよ」と切り出された。純喫茶、ラブホテル、そして