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世の中の真実を知るには

真実を知るために、さまざまな学問がある。全ての学問の本質は、真実に到達することだろう。社会科学も自然科学も人文科学も、同じことだ。

私は三十になるくらいまで本屋ではもっぱら実用書•学術書コーナーを練り歩き、哲学書やら歴史書を買い漁っていた。小説や文学などは所詮「虚構」と卑下していた。

しかし、近年は小説や文学しか読んでいない。主に明治•大正期の作品や作家であり、主に純文学を好んで買っている。最近の作品や大衆文学では読み応えがなく、途中で読めなくなってしまう。楽しい、面白いに加えて、「分からない」が私の小説、文学を読むにあたって欠かせない。生の人間の生き方や有り様を、世の中の真実を知りうるのは、分厚い実用書や学術書ではなく、小説なのだ。文学なのだ。純文学なのだ。

さすれば私が書くべき本は社会科に関する実用書や学術書ではないのだろう。純文学を書ける人間になりたいものだ。

人はもはや小説においてしか真実に到達し得ない。

スタンダール『赤と黒』より

人生に小説を。純文学を。

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