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仕込さんの体験 1⃣

中学3年生にあがり、学校では当たり前のように進路や高校受験の流れになってきた中、私の頭の中はすでに京都にありました。

今振り返ると、中学生になったあたりから、私には『受験して高校に進学する』と言うビジョンが見えていなかったように思います。それ以前にそんなに頭がよくなかったんです。机と向き合うお勉強より体を動かして覚えることの方が性にあってました。

小学生時代、最高に人生を謳歌してしまった私は、中学生活にあまり未練が無く(なんかごめんさい)正直一刻も早く京都へ行き『修行』というものに打ち込みたくて仕方がありませんでした。
どんな小学生時代だったかは、ご想像にお任せいたします。
まさかあの子が舞妓さんに⁈と言われていたかも(笑)

ちょいと、お話が脱線しましたので戻ります。
待ちに待った、夏休み!!!ソワソワハラハラウキウキ、浮足立ちながら、私は京都へ飛んで行きました。
置屋さんへ着き、玄関の戸を開け、恐る恐る敷居を跨ぎました。
来るのは二度目ですが、ここの部分は正直、緊張しすぎてうる覚えです。

私が置屋さんへ体験で来させてもらった時、すでに一人仕込さんがおられて
その方は修行に入ってもう半年くらい経っていて先輩でした。
舞妓さんになると、お披露目をした順番で年功序列が決まっていて、お披露目(デビュー)が一日でも先だと姉さん(先輩)になります。
仕込さんは修行中なので、あまに上下関係はないのですが、やはり少しでも先に入っている人と新人さんとでは、物事が身に付いている量が違うので、「姉さん」とまでは言いませんが先輩と思って教えてもらったりしながら、置屋さんの生活に慣れていきます。

置屋さん、お茶屋さんには、いろんな人が関わっています。
朝はお掃除の【おばちゃん】日中は事務のことをしたり、舞妓さんのお仕事やお茶屋さんの予約のお電話などを応対する【お姉ちゃん】そしてまかないの【おばちゃんorお姉ちゃん】夜お茶屋さんの営業時間前に来て、お店に立つ【お姉ちゃん】(お座敷などの用意やお酒の用意その他色々)後舞妓さんのお洗濯やお座敷のお掃除をする【おばちゃん】、、、。
置屋さん、お茶屋さんによるので、みんな同じではないのですが、
分かりやすく言えば、使用人さんかもしれませんが、言葉以上の関係性のある方たちで、
置屋さんに一緒に住んでいませんが、【お姉ちゃん、おばちゃん】達にとても支えてもらっています。

そして気になる【お姉ちゃん&おばちゃん】呼び。
説明しますと、お歳はあんまり関係ございません。例えば、自分のお婆ちゃんよりお年が上の方でも、【お姉ちゃん】と言ったりします。
どのラインで、【お姉ちゃん】か【おばちゃん】と呼ぶかはあまり明確にはなっていなくて、回り人が【お姉ちゃん】と言っているからこの方は、【お姉ちゃん】と言うんだと、
ただ覚えるしかないところもあります。面白いですよね(笑)
私の統計では、お店(女将さん達)との関係性の距離感や後は、親族など近しい人は【お姉ちゃん】と言うことが多く、お店の経営にはそんなに関わってない、お掃除、お洗濯をしてくれる方を【おばちゃん】と言っていたと思います。
例外も然り、、、あまり正解がない永遠の謎です。

この話で終わりそうなので、、、体験のお話へ。
女将さんへご挨拶をして、女将さんが私をお家のみんなへ紹介してくれました。
置屋さんのお姉ちゃん、置屋さんに住み込みしている芸妓さん、舞妓さん、先輩仕込さん、皆へご挨拶をさせてもらいました。
女将さんが私に「ここでは、芸妓さん、舞妓さんのことは、【姉さん】私のことは【お母さん】て言うんのんえ」と教えてくれはりました。
「あと、【有難うございます】は【おおきに】、【よろしくお願いします】は【おたの申します】、【すみません】は【すんまへん】、ここでは京都弁(廓ことば)を話さなあかんから、少しずづ覚えていってやぁ。」と教えてくれました。

あのドラマのワンシーンと同じです。

と言うことで、この先は女将さんを「お母さん」先輩仕込さんを「先輩」
お話の内容によりますが、芸妓さん舞妓さんのことを「姉さん」と書かせてもらいます。
これからじわじわ花街の世界へ入っていきます。
つづく。

~*~*ご拝読ありがとうございました*~*~

今回のお話は少し長くなりそうなので、2つに分けて書かせてもらいます。
「仕込さんの体験 2⃣」にてつづきを楽しんで頂けますと、幸いです。
聞きなれない言葉などがありましたら、コメント欄にてご質問下さいね。
お気軽にどうぞ。

では、これにて✋
おおきにです~





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