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5年後に退職する新卒サラリーマン【第六章】 (11) 

第一章 <激動の就活編> は、こちらから
第二章 <戸惑いの新入社員研修編> は、こちらから
第三章 <空前絶後の広島出向編> は、こちらから
第四章 <忍び寄る海外営業部配属編> は、こちらから
第五章 <禁断の海外出張編> は、こちらから


その週末、安斎は、カフェで読書をしていた。

最近は、休みの日には妻の七海と一緒にドライブをして、本屋をブラブラした後、カフェで読書をすることが多かった。


本を読むのは、彼にとって、ある意味「現実逃避」のようなものだった。



仕事関係の書籍ではあるが、ビジネスの学びを求めて読んでいるわけではない。

「自分は間違っていない」と確かめるために、本を読んでいた。



そのくらい、当時の彼はもう、何が正しくて何が間違っているのか、自分自身では判断がつかなくなってきていた。

それほどに、先週の出来事は衝撃だったのだ。



「いいかい? 安斎君。
この会社、ラブアンドパンティーズの使命とは何だい?」

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