「質問」はチームのアウトプットを最大化する最高の武器。
いままで、コミュニケーションするときに「相手を疑うこと」「自分の理解をフィードバックすること」について何度か記事にしてきました。
本日は、具体的にどのような会話をしていくか、について触れたいと思います。
「質問」によって会話とアウトプットを広げていく。
私が考えるもっともよい会話の方法は「質問」だと考えています。
以前の記事で、「相手に自分の理解を伝えよう」という話をしていますが、これだけでは不十分と思っています。
なぜなら、理解を伝えるだけでは、「相手が伝えたいこと」以上の情報を得ることがないからです。
この場合、理解というのは「相手の考えに対する理解」を意味しているからです。
一方で、質問するとどうなるでしょうか。
質問は、「相手の考えに対する確認」という捉え方もできます。しかしそうすると先ほどと同様、「相手の伝えたいこと」を超えることはありません。
今回提案したいのは、「質問に相手の考えを活用した提案を入れる」ことです。
質問をする際に、「確認」も必要ですが、それだけでなく、「提案」を入れ、相手の意見を聞くのです。注意しなければいけないのは、「相手の意見」と「自分の意見」を戦わせるのではなく、「相手の意見を活用する」提案であるということです。
こうすることによって、相手が一人では出し切れなかった、より発展した議論をできるようになります。
相手に警戒させないために。
もし、これを実践しようとしたら、注意しなければいけないことがあります。ちょっと想像してみましょう。
Aさん「この分析結果から、X案が効果的だと考えています」
Bさん「X案を少し修正して、このX2案のようにしてみたらいいと思いますが、どう思いますか?」
Bさんは、X案をよりよくするために、修正したX2案を提案するつもりだったとします。それでも、これを聞くと、Aさんは「BさんはX案が上手くいかないと思っているのかな、本当は私に反対なのかな」と思ってしまうかもしれません。
これは何故かというと、「BさんがAさんにX案について何もフィードバックをしていない」からです。
Bさんは、X案が効果的だと思ったが、より良くするために修正案を提示したつもりでも、Aさんには伝わっていません。
表向きはBさんの案を言っているようにしか見えないからです。
では、これを避けるためにはどうしたらいいでしょうか。
「同じ意見のポイント」と「違う/理解していないポイント」を両方話すこと。
先ほどの話の流れから行くと、BさんはまずAさんにX案をどう思っているか、フィードバックをしなければいけません。
フィードバックと言っても、何を話していいかわかりませんよね。
私が具体的に意識していることをご紹介します。
その時に私が意識しているのは、「同じ意見のポイント」と「違う/理解していないポイント」を両方示すようにしています。
例えば、今回でいえば、
「Aさんご提案のX案については、~~というところについては、確かに私も同意見で、それによって~~ができるため効果的だと考えます。ぜひやりたいと私も考えます。一方で、~~というところについては、私の過去の経験で~~ということがあり、うまくいかないリスクがあると思います。」
という感じです。
こうすればAさんは、Bさんの考えが明確にわかります。この時点で誤解があれば当然修正してもらえばいいでしょう。
また、「基本的には賛成している」というスタンスを示したうえで、「同じ船に乗った状態で」より良くするための提案をしていく流れを作ります。
この流れができたうえで、
「このリスクを回避するため、~~という修正案を提案します。Aさん、どう思われますか?」
という提案・質問に持っていくことができます。
ここまでくれば、AさんはBさんは同じ船に乗ってくれている、同じ目標に向かって進んでくれていると思っていますから、素直にBさんの提案について話すことができます。
「質問」はうまく使えば、チームメンバーの知恵を結集するためのツールになります。しかし、うまく使うためには、質問へのつなぎが大事です。
質問する前には「同じ意見のポイント」と「違う/理解していないポイント」を両方示すことを常に意識すること。
少し回りくどいかもしれません。しかし、はっきり言って、これをしないと相手には自分の意見は伝わらないと言っても過言ではない、と思います。
この二つをかならず話すように心がけることで、信頼関係を気づくことができ、前向きに業務を進めることができると思っていますし、それこそが成果を出すために必要な作法だ、と私は思っています。
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