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色を選ぶことは、もっと自由で楽しいものだ。


デザイナーと名乗っておいてアレだけど、私は配色が不得意である。その理由としては、「『色』は見た目の大半を決めるもの」だと思い込んでいたからだ。

「イエローベース」「ブルーベース」という言葉が流行っているとおり、メイクやファッションは自分に似合う色を選ぶことが主流になっている。

私もぶっちゃけ、パーソナルカラー診断を受けたいくらい、好きな色じゃなくて、自分の見た目に似合う色がちゃんと知りたいとは思う。

でもそれが結構むずかしい。

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私たちは「色」に囲まれた生活をしている。服や部屋などの身近なものはもちろん、人工的な街並みも、地球が作った大自然も、ぜんぶ「色」がある。

それらの色を見ること自体は昔から好きだった。

子どものころ、好きな色は青色だと答えていた。けれどランドセルの色は赤ではなくオレンジを選び、サブバッグが赤色だった。枕と毛布、椅子などの部屋の多くはピンク色で占めていた。

コロコロ変わる服や靴、学年が上がるごとに変えていたふで箱、えんぴつ。これらは固定で色を決めずになんとなく気分で色を選んでいた。時には7色のカラフルな筆箱を使っていた時期もあった。カラーペンを集めることにもハマっていて、気づけば筆箱の中身もカラフルになっていた。

だから今でもいろんな色が好き。いろんな色に触れるのが好き。


でもこれだけ色に触れているのに、なぜか色を組み合わせてイイ感じにすることが苦手なのだ。

中学生のころは、自分に似合っていないパステルカラーの服を好んで着ていた(今では可愛い思い出かもしれない)。

インテリアも苦手で、誰か部屋のコーディネートをしてほしいくらいだ。

「自分がアガる色」を選ぶことは好きだが、どうにも「適した色」を選ぶことが上手くできなかった。もしかして、過去に好きな色を選びまくっていたから、適した色を考える力がついていないのではと悩んでいた。

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だけど「そうじゃない」ことを教えてくれたのは、こちらの著書だった。


人生の悩みの9割は「色」で解決できるとタイトルにあるように、色というのは見た目を彩るものでもあり、心も彩るものだと知った。

だから無理に適した色だけを選んでいくのは、たぶん心に影響する。

著書を読んだとき、家族が集まる部屋はオレンジにすると仲良くできる、オフィスに青を使うとうつ病が増える、買い物欲求は茶色で抑える、リラックスするならカフェより緑、絶対必勝の赤はツラいときだと逆効果・・・など、こんなにも色は心に影響するのかと目から鱗だった。

しかし同時に、昔からたくさんの色を「自分で」選んできた私は、色に救われることもあったなあと腑に落ちた。

自分で選んだランドセルの色、好きに落書きできたカラーペン、カラフルな筆箱が退屈な授業を乗り越えるエネルギーになっていたこと。


高校の勉強では「彩度」「補色」など専門用語をひたすら習った。インスタを開くと「イエローベース」「ブルーベース」という言葉が散乱する。

いつから私は、テンプレートに乗っ取った色選びに縛られていたのだろう。それが、昔から好きに色を選んでいたときの楽しさを忘れていた。

色を選ぶことは、本来はもっと自由で楽しいものだ。

その楽しさを私はずっと忘れていて、配色の難しさに悩んでいたのだ。


たとえば赤が好きだとしても、実際赤を着ると似合わないということがあったとする。それは本当にもったいないことだろう。だからこそ部屋にバラを飾る。スマホのカバーを赤にする。赤いブックカバーをつける。

ファッションやインテリアという大きなものを変えることより、身近で小さなものから好きな色を選ぶことが大切なのではないか。その行動こそ、きっと見た目の彩りより、心の彩りを豊かにしてくれそうだ。



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