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栗ご飯

コンセプト1000文字(程度)
ショートショートが基本2500文字以上で書いていて、それだけ長いと読むのしんどい人も多いかな?と。なので1000文字の世界で書いてみました。

初めて彼女の家にお呼ばれした
出されたご飯は栗ご飯だ

結婚するまでは
操を固く守りたい
彼女はそう言っていた

俺は本来は少しでも乱れたい
乱れ狂いたいタイプの人間ではある
だが、彼女を愛したのも本当だ

俺とは正反対の彼女
だからこそ惚れたのかもしれない

しかし出されたものが栗ご飯のとき
それは何かを暗示しているのかもしれない
栗ご飯である必要はない

一般的に女性が男性を部屋に招き
最初に振舞う料理はカレーと言われている
というか勝手に言っている。
カレーであればごまかしがきくからだ

昔付き合った女性が
肉を買い忘れハムを入れてみたといわれ
そのまま出された事があった

味見はしたのか?
そう尋ねたら
していないといっていた

『だよね』

是非食べてみたらいい
二人の恋は燃え上がらなかった
それでもごまかしがきく食事
それがカレーだ

ルーさえぶちこんどけば
余程の事がない限り失敗しない
しかし現実は栗ご飯だ

そのことが俺を悩ませる

「何故、栗ご飯なんだ?」
こういうことはストレートに尋ねればいい
余計な詮索をするとよい結果が出ない
勝手に踊ると後で手痛い結果に終わる事が多い

「栗をもらったから、おかずは無いけどね」

それは栗ご飯なだけ?
おかずがないというのは
おかずは私ですということを意味するのか?
時刻は19時32分

無駄に時刻を入れてみたが特に意味はない

ここにあるのは
俺とお前と栗ご飯

だけど勘違いだろうな
俺はいつも勘違いしてしまうからな

「実はもう一つ食べて欲しい栗があるの?」

うん!?
やはり何かを暗示している
それはイルミナティーカードか?

何栗だ?おまえのそれは毬栗か?

「甘栗なんだけど」

甘栗!!ぬほぉーーーーーー
おさえられないリピドー!
甘いのか甘い栗なのか?

栗はどこですか?
『栗はお前か!!』

「いや私は毬栗だから」

そうなのか?お前は
金たわしタイプの豪傑か?

「そう、私は金たわしタイプの豪傑よ」

気づけば心の声を読まれている
『さてはお前、何者だ!』

「栗を愛する者だ
 貴様ぁ!!栗ご飯と聞いて
 エロいことを想像したな」

みるみる彼女が膨らんで
いかつくなっていく

俺達はどうやら戦いを
避けては通れないようだ

壮絶な拳の応酬だ
あたたたたたたたたたた
おどどどどどどどどどど

うぉ~~~~~りぃ~~~~~
かきょーーーーいーーーーーんーー

「はい。栗ご飯。おかずは特にないけど
多分味は染みてると思うけど、どう?」

『うん。おいしいな』

「よかった」

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