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きゃらをの世界

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過去に書いたショートショートです。当時は1500円とか 結構イイ値段でだしました。 全部まとめました。
シュールな笑が欲しい人には向いているかと思います。
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#私の作品紹介

バタバタママ

1970年の後半に 俺はディレクターに昇進した。 テレビ番組のディレクターだ といってもゴールデンタイムを飾る そんなディレクターではなくて 朝の子供向け番組のディレクターだ 他にもディレクターは何人かいるが 子供向けの番組は、子供たちが楽しめる そんな歌をつくったりもする。 伝説で言えばおよげ!たいやきくんは 伝説と言えるだろうな。 ディレクターとしての初めての仕事 それが2分程度の子供が喜ぶ 歌をつくることだった。 この時代は景気も前向きだから 予算も結構組んで

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速すぎた亀

まず俺が何故戦わねばならないのか そのことを教えて欲しかった。 戦いというものは望む望まないに関わらず 突然やってくるものだった 「お前ノロマだろう?」 いわれなき侮辱だが事実でもある。 だけどそれは種が違う カラスが空を飛べない猫を 馬鹿にするような話だ そう俺は亀であり、やつは兎だった。 同じ亀に言われるならば理解できる。 だが同じ亀には言われることはないだろう なぜなら亀の世界で言えば 俺はオリンピック選手クラスの快速だ 亀がオリンピックをするならば それは

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成仏タイム

俺は今怒っていた。 そして詰め寄っていた。 それは人・・と言うより霊体に対してである か細い感じで幸薄そうな女性の霊 その霊体に軽はずみな肝試しが祟り 憑り殺されてしまったわけだけども 生身な人間の時は怖いだけだった幽霊が 同じ霊体になることで恐怖が飛んだのだ そして何故俺は殺されねばならないのか そのことに対して怒っている。 「すみません」 『いや謝るのであれば殺さないで貰えます?』 クレーマーではあるけども 根拠はあるよね。 命をとられたら誰だって 最たるクレーマ

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スタジオきゃらを

きゃらをのnoteは時間経過とともに 大いに繁盛した ちゃりんちゃりんちゃりんと 投げ銭の音は止まらず 有料記事を書けば売れた。 カレーライスの領収書を出せば 購読してくれる人もいた。 彼は面白い話を書くだけではなく 写真とエッセイを融合して あざとく大地に寝そべったりして 少年を装い母性本能をくすぐるのもお手の物 さらにYOUTUBEから音楽を張る事で 演出効果をつくりだす。 まさにSNSの良い所を融合する 狡いやつだった。 そんなきゃらをを素敵だと思う人が増えた

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ギリギリ天国

俺は今天国で暮らしている 生前は悪いこともしたけども 良いこともそれなりにした 差し引きしたらギリギリ天国 天国といってもキリスト様のような 聖人が暮らす上流特区もあれば 俺のようにギリギリな人間はそう ギリ天と呼ばれるスラム街で暮らしている。 ギリ天は善良な事に飽きた聖人達が 時々降りてきて 退屈しのぎで無理難題をふっかけ それを拒もうものなら 容赦なく叩きのめされるための場所だ この間も犬の糞のついたモーゼ様の靴を 跪いて舐めさせられたり ガンジー様にバッドで殴られ

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大きなカブじゃない

何人という単位が正しいか解らないが そこには共同で頑張っている人達がいて 遂に引き抜かれた今 俺は結構腹が立っている 巻き込まれた感がエグイ そこには爺さんと婆さんと孫娘 さらに犬、猫、鼠がいた やったーと彼らは喜んでいたけど 円盤から俺が出たところで 皆フリーズしている様子だった 「なんだよお前らぁ」 「ええぇぇぇぇ」 そうか細く声をだしているのは爺さんだった 「なんなんですか・・あなた!!」 「なんすかって見たらわかるだろう  地球外生命体だろうこっちは」

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マーの一族

小学生の時、俺はサッカー少年だった 結構ハードなクラブチームで そこへ新人の子が入ってきた 言葉は悪いのだけど 見るからに鈍くさそうな 油ぎってる感じの同級生 やっていけるのかな? と思ったら案の定、すぐに水を飲みたい マラソン中にジュースを買いたいと 自販機にお金を入れようとする コーチは当然激怒するし 仲間も彼を見かねている。 だけどほっとくことも出来ず・・・ 「水はなかなか飲めないんだよ~  のどが渇くよね~」 とそれとなく喚起したり パス回しの練習の時も 誰

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奉仕の気持ち

僕の名前はキャラパンマン 今日も町をパトロール どこかでもしお腹を空かせている人がいたら 僕を食べてもらえばいい 僕の頭はアンパンでできている それを色々なキャラクターで形作っている感じ ふいにどこかで助けを求める声が聞こえた 丘を越えた向こうの山林の中だ 「誰かいるのかーい」 「こまっているのかーい」 「・・・ここだよ」 声が聞こえた方に行くとカバが倒れていた 「どうしたんだい?」 「珍しい蝶々をおいかけてきたら  迷子になって帰れなくなって  もう何も食べてな

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仇討ち

俺は今怒っていた 『お前の母親だろう!!』 「そうだけど・・・」 『そんなんでどうすんだよ!!』 男の子はだいたいマザコンだ まぁ大学に下宿してからは とっとと実家を離れたけども やっぱり父親よりも母親だ 生涯を寄り添うパートナーができ 思わぬ形で嫁姑問題は起こるとしても 母親というのは男の子にとっては 特別な存在であったりもする その母親が殺されたんだ 何故、復讐しようとしないのか? そう、彼は蟹で俺は栗だった。 『お前!母親が殺されたんだろう!  怒れよ!!復讐し

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