【アニメレビュー】西屋太志さんの遺作でもある『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』を観てきた【★★★★☆】
こんにちは(o・ω・o)京都アニメーション大好きなカエルです。
京都アニメーション制作、
『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』
を観てまいりました。
■あらすじ
というのがザックリとしたストーリー。
いつものアニメレビューなら『ココスキ』なポイントと『ココスキジャナイ』ポイントをカエルの主観でつらつらと書いていくワケですが、
本作はカエルがもっとも愛するアニメ制作会社である京都アニメーション(敬称略)が作った作品であり、京都アニメーション放火事件で亡くなられた、カエルがもっとも大好きなアニメーターである西屋太志さんのキャラクターデザインとしての最期のお仕事であることもふまえ、
とにかく画のクオリティの高さ
について語らせていただこうと思います。
また、改めて、事件で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた多くの方、それを乗り越え作品に携わった多くの制作関係者の方たちに感謝申し上げます。
□『水』『動き』『筋肉』の作画クオリティ
京都アニメーションの『作画』がとてつもなく素晴らしいというのはファンなら周知のことであり、京都アニメーションをあまり知らない方でも「神作画」として京都アニメーションが語られることは見聞きしたことがあるかもしれません。
『涼宮ハルヒの憂鬱のダンス』『らき☆すたのOP』『響け!ユーフォニアムの演奏シーン』『小林さんちのメイドラゴンのバトルシーン』など、神作画シーンは多くありますが、その中でも知名度がもっと高いのは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第7話の湖を跳ぶシーン』ではないでしょうか。
このシーンだけでも、「何から何まで美しい」というのは納得できるかと思います。
もはや芸術品の領域ですよね。
この美しい『作画』がFree!においても最大限発揮されています。
■『水』と『動き』
これはとにかく観てもらうしかない。
『Free!』の魅力って作画だけじゃなくて登場する多くのキャラクターの交差もなんですが、展開されていくキャラクター情報の前に視覚的にダイレクトに入ってくる『水の動き』はとにかくインパクトがデカい。
競泳のシーンにおいては、かなりスピーディーな水の動きなので実際は『水の動き』に注目する機会は少ないと思いますが、カエルとしては、
(蛙・ω・)<映画で展開される「キャラの交わり」に集中できるのは「本物と見紛う水の描写」があってこそ
だと思っています。
キャラクターの動きやプールの水のゆらぎに違和感があると、そちらの "アラ" が気になってアニメに集中できないのではないか。という話です。
例えば実写のドラマなどで俳優の演技が下手だと「演技の下手さが気になって全然会話が頭に入ってこない」って言いますよね。ソレです。
『Free!』は端的に言うなら「水泳のアニメ」であり「キャラクターの関係」が重要な作品です。
「水泳で勝つこと」が重要な訳ではなく、「水泳というフィルターを通してキャラクターたちの感情が揺れ動く」ことが作品的には大事なんです。
バトルアニメであればバトルシーンに力が注がれていることが重要になってきますが、「水泳の勝ち負け」よりも重要なものがある。という本作品では「水泳そのもの」は作品制作上は優先度がキャラクターより下になります(※カエルの主観です)。
しかしながら、『水』という描くことがとても難しいモチーフが必然的にメインの画になってしまう本作で、「水のゆらぎ」や「水滴の飛び散り」や「水面の光の反射」が不自然だと、
「水泳のシーンめっちゃ雑じゃん」
というのが脳裏を常に占拠し、重要なストーリー、キャラクター同士の交わりの邪魔をしてしまうワケです。
だからこそ「美しい競泳シーン」はとにかく水を美しく、「キャラクターの動き」はとにかくリアルに描く必要があるのです。
そして本作はその高い高いハードルでありながらも、観る側にとっては「競泳シーンはキレイで当たり前」という意識を超えています。
前後編の本作では必然的に「後編の後半」に最大のピークが来る仕組みになる訳ですが、前後編合わせての約四時間、「水の動きキレイだなぁ」と思うことはあっても「競泳のシーン変じゃない?作画クオリティ低くね?」と思うことは一度もありません。
とにかく、徹底して「水の作画」と「競泳の作画」が美しい。
これは絶対に観て感じるべきポイントだと思います。
■『筋肉』
本作は美少年たちが多く登場する作品です。
視聴する観客は『女性』がメインとなります。
その女性たちを、恐らく魅了してやまないのが、
『 筋 肉 』
の作画でしょう。
とてつもなく魅力的な筋肉がマジで溢れるほど登場します。
だって男子競泳ですから。
基本的に上半身は裸体ですよ。
先に断っておくと、決してセンシティブな意味ではありません。
「美しい筋肉に興奮するよね!」という話ではなく(作中には筋肉に興奮する女子生徒が登場します)、
「筋肉の描き分けのクオリティがマジで神作画」
ということをお話したいのです。
公式から公開されている画像の中ではちょっと説明できない部分がありますが、カエルが言っておきたいことは、
「筋肉だけでキャラクターが判別できる」
ってこと。
劇場版ではキャラクターの後ろ姿だけが映るカットがありますが、"競泳キャップを被っている後ろ姿"という、キャラクターの特徴を全部消してしまっても、筋肉だけで誰がそこに並んでいるのか見て分かります。
ガタイの差はもちろんあります。
ですがそれ以上に、"ガタイによる筋肉の付き方が異なる"という所までこだわって描かれているのです。
「人の背中」ではなく「○○というキャラクターの背中」が筋肉というファクターで描かれているのです。
劇場でその筋肉の描き分けを見てカエルは感動しました。
(蛙;ω;)<っぱ京都アニメーションすげえんだわ
ってなりました。
もうこれは、「劇場で観てくれ!」としか言えません。
もし「Free!好きだけど劇場に行くかは迷ってる」という人がいたら、
(蛙・ω・)<マジで、作画だけでも観る価値あるから絶対に行ってくれ!もちろんストーリーも激アツいから2倍、いや、100倍感動してくれ!!
と、伝えたい。
『Free!』観たことない人は、今から履修して観に行ってくれ!!!
と言いたい。
劇場で観ないのマジでもったいない。
京都アニメーションファンは絶対に観るべき。
今回は『とにかく作画!』ってことしか書いてないけど、「京都アニメーションが作画だけなワケがないじゃん!?」
ホントに良いから観に行ってくれ。
レビューはここまでで。
以下は敬愛するアニメーションクリエイターである西屋太志へのカエルの想いですのでとばしていただいて結構です。
ぜひ『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』劇場版へと観に行ってくださいね!(o・ω・o)ノシ
□西屋太志さん。R.I.P.
大好きなアニメーターさん。
カエルがちゃんと西屋さんを認識したのは『リズと青い鳥』でした。
キャラデザ担当、とか作画監督、とか、それまではそこまで意識してなかった。
それを認識させてくれたのが西屋さんでした。
「どちらかと言うと女子向け」である『Free!』を観るきっかけになったのも、キャラデザが西屋さんだったからこそ。
『Free!』シリーズも今作がラストとのこと。
であれば、西屋さんがキャラデザや総作画監督としてクレジットされる機会は今後、二度と訪れることはありません。
今作のスタッフロール、キャラクターデザインの項には西屋太志という文字が。
そして西屋さんによるイラストも映像の中に含まれていました。
もう、西屋さんが描くキャラクターを見ることができないのだと思うと、今でも胸が締め付けられます。
それは事件が起きたあの日から変わりません。
享年37歳という、アニメーションクリエイターとしては若すぎる死。
もっともっと西屋さんの描いたキャラクターたちが見たかった。
西屋太志さんに。
そして亡くなられた36人のクリエイターに。
敬意と、感謝を。
これからも紡がれていく想いを、作品を、これからも愛し続けていきたいと思います。
これからも京都アニメーションの作品が全世界の人に届きますように。愛されますように。評価され京都アニメーションが想いを継いでいきますように。
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