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【1分で読める心理学:心理学の情報も誤ったものがあるから気をつけよう。という話】

 こんにちは(o・ω・o)カエルです。

 タイトル通りの内容なんですけど、心理学で本に載ってるようなものでも、最新の研究や追試研究で覆ったりしているものがあるといいます。
 
 論文も100%真実という訳ではないので、情報を常にインプットし続けることは重要というお話。

□有名なものでも間違った事例はある

 ステッソン大学のクリストファー・ファーガソン博士が書いた論文では、

 24冊の心理学入門書を調査。12の特定の心理学を基準に、未決着な情報・完全に誤った情報がどのように扱われているかを調査した。

 というもの。

□12の心理学
 
◆未決着の情報
 
①メディアと暴力:テレビやゲームの暴力シーンが、現実の暴力犯罪に影響をあたえている可能性について。
学問的には決着がついていない
 
②ステレオタイプ脅威:「女性は数学が苦手」や「老人は記憶力が悪い」といった情報にさらされると、実際に能力が下がる。というもの。
理論を支持するもの、しないもの、どちらの研究も存在する
 
③ナルシシズム感染:現代では若い世代にナルシシズムが増加している。という説。
支持する研究者も多いが、「統計ミス」を指摘する研究も多い
 
④叩く子育ての悪影響:子育てで子供を叩くと、攻撃性が高い大人に育つ。という説。
反論する論文も多い
 
⑤多重知能理論:人間の「頭の良さ」はテストの成績で測る知能だけではなく、音楽的知能や身体運動的知能、博物的知能など複数の知能を持っている。という理論。
近年では劣勢の理論
 
⑥進化と配偶者選択:進化のプロセスが人間の恋人選びに大きな影響を与えているのはほぼ間違いないが、「進化心理学」を嫌う研究者も多いため、配偶者選択を社会的な要因がメインで説明しようとするケースが多い
 
⑦抗うつ剤の効果:抗うつ剤が本当に鬱病や不安に効くのかどうかは、まだまだ不明な点が多い。
どのように解説されているか?

 
◆完全に誤りだった情報
 
⑧キティ・ジェノヴィーズ事件:ある深夜にティ・ジェノヴィーズという女性が暴漢に殺された際、付近の住民38人が事件を目撃していたのに誰も通報しなかった。「傍観者効果」という心理用語を生んだ有名な事件。
後の調査で本当は誰もまともに事件を目撃していなかったことが判明
 
⑨戦時中の洗脳:朝鮮戦争で捕虜になった兵士が、洗脳で機密をしゃべらされていた。という説。
実際は拷問による自白の強要がほとんどだった
 
⑩ブローカ野:ブローカ野はヒトの脳の一部で、言語処理などを行っている。外科医のポール・ブローカが発見したと言われる。
実際はアーネスト・オービュルタンの功績
 
⑪脳は10%しか使ってない説:多くの人間は、脳が本来持っているポテンシャルの10%しか使っていない。という説。
完全にデマということがわかっている
 
⑫モーツァルト効果:モーツァルトを聞いて育った子供は頭が良くなる。という説。
追試研究で否定された

 
 有名なものもマイナーなものもありますが、キティ・ジェノヴィーズ事件なんかは『影響力の武器』なんかにも載っているので知っている人も多そうです。
 
 そして上記の内容がどのように本で紹介されていたかですが、

□偏った解説をしていた割合

メディアと暴力:87.5%

ステレオタイプ脅威:75%

叩く子育て:58.3%

多重知能理論:91.6%

進化と配偶者選択:62.5%

抗うつ剤:83.3%

キティ・ジェノヴィーズ事件:54.1%

戦時中の洗脳:4.2%

ブローカ野:75%

脳10%説:0%(25%はデマだと書いていた)

モーツァルト効果:4.2%

 
 とのこと。
 科学が日進月歩であるように、心理学の情報も刷新さているのが現実。
 しかし現時点で一般的に正しいとされる情報が伝えられているかと言うと怪しいという話になっています。

 ファーガソン博士による解説では、

・心理学は分野が広いので、ひとりの筆者ではカバーしきれない

・「議論はわかれている」や「統計には限界がある」のような解説だと本の売れ行きに影響が出る

 そのため偏った解説になっている本が実在する。とのこと。
 リアルな理由ですね(o・ω・o)こわい。
 
 私たちヒトという生き物は、「一度信じ込むと簡単に覆せない」という性質を持っています。
 バイアスの影響は大きいので、「違う見解はないかな?」と一旦情報を精査する癖を持ったほうが情報に踊らされず生きることができるかと思います。
 
 参考にどうぞ。(o・ω・o)ノシ


【参考記事】


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