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食べてみたら!おいしかった本!ベスト3!

横尾忠則『言葉を離れる』を読んでいます。

ぼくの趣味は読書ではなく買書だと度々言ってきました。
ところが買書も読書の一種ではないかと思うのです。読むだけが読書ではなく料金を払って所有することでその本のイメージを買ったのです。買うという行為を通さなければ、読書の入り口に到達したことにならないのです。
本を手に取って装幀を眺めたり、カバーを取りはずしたり、開いた頁の活字に目を落としたり、時には匂いをかいだり、重量を感じたり、目次とあとがきと巻末の広告ぐらいは読みます。そして本棚に立て、他の本との関係性を楽しんだり、その位置を換えてみたりしながらその本を肉体化することで本に愛情を傾けていきます。ぼくにはこうした本に対するフェティシズムがあります。 (p.71)

そうそう!それわかるぅぅ!!
本には「読む」以外の楽しさがたくさんあります。

本は読んでも、匂っても、眺めても、並べても楽しめるんです。

「本読むの苦手なんですよねぇ」って言ってる人には、ぜひ著者の言う「買書」という発想を持っていただきたい。「読む」にこだわる必要はありません。もっとカジュアルに、好きなように楽しめばいいじゃないですか。

積ん読が溜まってる?それもまた一興。
インテリアとして本を買う?最高ですね。
手触りのいい本を集めてる?あなたとは気が合いそうです。

買って、好きに楽しめばいいんです。


さて。
私に関してですが、何度か本を食べてみたことがあります。
「これは!!」という文があったページを食べることで、”肉体化”を試みた経験が何度かあります。
ここでは、これまでに食べた本のベスト3をご紹介したいと思います。

第3位
千田琢哉『好きなことだけして生きていけ』

はじめて食べた本。自己啓発本にハマっていた高校時代に読んだ。「この言葉を血肉化しよう」というワケのわからないことを考え、あるページを食べた。えずいた。どんなことが書かれていたかは忘れた。(←血肉化されてない)

第2位
岩宮恵子『思春期をめぐる冒険 心理療法と村上春樹の世界』

村上春樹の作品を心理的に分析しており、非常に面白かった。今見たら170ページの部分が切り取られているから、そこを食べている。新潮文庫は個人的に食べやすいと感じている。でも別に美味しくはない。

第1位
森岡毅『苦しかった時の話をしようか』

言わずと知れた名著。第5章、第6章がめちゃくちゃ泣ける。お子さんが生まれた時の森岡さんの思いが綴られている部分(p.292~)が好きで何度も読み、最終的に食べた。ただ、食べてしまった部分をもう一度読みたくなり、もう1冊買う羽目になった。


いかがでしょうか。
この記事を読んでくださったあなたにも、あなたなりの本の楽しみ方があれば、ぜひ教えてくださいねー。

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